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しおりを挟む「ああ。そういえば、親父からは外部に漏らすなって言われてたから、な。」
その言葉は納得できる一言だとカルロスは感じていた。
「それで?どこの国だ、もし俺と交流がある国ならーー」
「無理だろうな。向かう国は、ノーデンス皇国だ」
「…ノーデンス?…ノーデンス…皇国…」
「覚えていないだろうが、この国と敵対していた国だよ」
「あっ」
その国は先代国王が資源欲しさで皇国の地を踏んだ事がキッカケとなり、何年も敵対関係にある。
それまで代々、隣国として支え合っていた国に牙を剥かれた事に激怒した皇帝によって、国境砦を破壊された事は歴史に新しい。
だが本来ならば滅ぼされても文句が言えない状況にも関わらず、皇帝は和平という道へ踏み込んだ。
「まさか。当時、和平に踏み切った時期。お前は領地に戻ると言ってなかったか?」
そこまで思い出せた時、目の前に座るクリフを見て何かを察することができた。
「よく覚えていたな。当時はその皇国へ先代と向かっていたんだ。これまでの関係が崩壊するから祖国に帰って来い、ってな。」
「それは…」
「勿論、親友であるお前を捨てられる訳がないだろう?だから皇帝、いや爺さんには留まってもらったんだ。」
今まで疑問にすら思っていなかった隠された真実に目を白黒させた。
「ま…まあ要望は分かった。」
「そうか」
「だが、お前を。グレハラ子爵家の籍は国からは消さんぞ?」
「ーーは?」
要望が通ったことにほっとしていたところで、カルロスの言葉に何を言っているのかクリフには判断できなかった。
「お前が。お前の家族が行くというのなら、原因が他の貴族だろうが国王である俺の所為だ!」
「カルロス…」
あまり見たことのない形相に、驚きつつも大切に思われていることに感謝したいとクリフは思った。
「だから療養という名の亡命をしてこい。いつでも帰ってこれるよう、取り計らおう。それと俺がいうのもなんだが、ホルム家には伝えるつもりはあるか?」
「いや。直ぐにでも国を出る。報せる使者は襲われて真面に情報が入ってない。そこにノコノコと、子爵が行けば同じ事だろう。」
「ううむ。アレには悪いが。偽装して子息を誘き出して、父親のホルム家当主に俺から話を通そう。」
その顔は国王の澄ました顔から掛け離れた、悪人のような顔であった。
友であるクリフはこの時、誰にも伝えない方が使用人、ひいては国民の印象に繋がるだろうと一人納得し、黙認することを決めた。
ーー幸いな事は今この場には、会話する二人以外に居ないのだから。
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