乙女ゲーには関わらない【休載完結】

青緑 ネトロア

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父の酒癖

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 その夜、侍従とセバスを引き連れて食堂に向かっていた。

 夕刻前になってセバスが思い出し、ガウェインが食堂から動かない旨を聞きつけたからだった。

 だが食堂に続く廊下の先には酒樽が幾つも転がっているではないか。

 不安に駆られたシェルフォードは食堂の入り口から中を覗いてみれば、顔を赤くしたガウェインが小躍りをしていたが、シェルフォード達に気付くのと同時に、踏み外して転んでしまった。

 シェルフォードが動くよりも早くセバスがガウェインの側に立ち、魔法の水をバシャバシャと勢いよく浴びせまくるのだった。

 それから半々刻経った頃。
 
 目を覚ましたガウェインを白い目で睨み続ける侍従達に悲鳴を上げながら、壁際まで下がっていく。

「お父様って、酒癖が悪いの?」

「ええ。中戸ちゅうこなのですが、酒が好きすぎて1人だと抑えが効かないのですよ。」

「お父様。私シェルと、お酒、どちらが良いですか?」

『っ!?』

「えっ、もちろんシェルだよ!? 比べられるわけがない!」

「では実家以外で飲んだら、分かっていますね?」

「はっ、はい!」

 ガウェインの返事をすると同時に、侍従達の間で笑いが起こった。

 その夜は宴となってパーティーを開くことになった。

 もちろんガウェインだけ我慢してもらうために今回は禁酒となった為、食事に集中し、背後でセバスが目を光らせていた。


 ところ変わって、兄ヴェルフォードの部屋の前にシェルフォードとメイド長が向かっていた。

 だがヴェルフォードの部屋は魔法で施錠されているようで、簡単には開かなかった。

 そこで兄ヴェルフォードに闇魔法を使い、部屋の内部に声を送ることにした。

「お兄様。いつ出てこられるのですか?シェルは寂しいです。このまま部屋から出てこられないのであればーー」

 ヴェルフォードに説得を聞いてもらおうと口頭に出してみたシェルフォードだったが、部屋に張られていた魔法が消え去り、扉から酷い顔をした兄が出てくる。

「シェル、会いたかったぞ!」

「はい、お兄様。今日は皆でパーティーを開いておりますから、早速食堂へ向かいましょう。」

「ああ。」

 兄ヴェルフォードと手を繋いで食堂へ向かうことにした。

 お互いに話をすると、食堂へ着く頃には暗かった顔も綻ぶようにヴェルフォードは笑顔が出てくるようになっていた。

 メイド長のメアリーも側に控えてはいたものの、魔法でも使ったかのように一言、二言会話を交わす内に明るくなったのを内心で驚きながら付き従っていた。
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