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モンスター
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あるとき喫茶店で接客をしていたマスター、リーグは、店の外で騒いでいる声が聞こえてきた。
『魔物が攻めてきたぞ!誰でも良いから冒険者ギルドに行ってくれー!』
『誰かっ、冒険者ギルドへーー』
客に一言断りをいれて、喫茶店を出てみれば商業都市の入り口である門から、人々が走り回っていた。
そして走っている人々の中に叫びながら混じって行動する男が見えた。
その男は叫びながらも、冒険者ギルドの方向へ向かっているが、同じことしか叫ばないので要領を得なかった。
だが門の側では、傭兵が大人数で熊の形をした魔物を抑えていたが、少しずつ後方へ押されているように見受けられた。
「ロウっ!」
ーーガウ
「極力人の居ない方へ追い払ってくれ。それでも来るようなら、容赦しなくて良いぞ。」
ーーウゥ~ ガウッ!
リーグは喫茶店の前で寝そべっていた番犬ロウを呼ぶと、寝ていたとは思えないほどに素早く耳を立ててリーグの元へ向かっていく。
ロウが足元に近寄ってきたので、リーグは門の方を指差しながら、指示を出す。
一瞬困惑したようにリーグへ顔を向けるが、指示に従って傭兵が魔物に蹴飛ばされた一瞬の隙を突いて、ロウは熊の魔物を門から離れた位置へ投げる。
一部始終を間近で見ていた傭兵達は何が起こったのか分からないと言いたいように顔を見合わせるが、その間にも投げられた熊の魔物は再び門へと走ってきていた。
しかし門には衝撃が来ることはなかった。
門から人の足で数歩の位置で傭兵達にも居合わせた門番にも見えない速さで、熊の魔物はロウによって、すでに事切れていた。
ロウはその熊の亡骸を頭を除いて、異空間へ放り込み、傭兵達が唖然とする中を颯爽と駆けてリーグの元へ戻っていった。
後に残されたのは熊の魔物の成れの果てを呆然と眺める傭兵と門番が静かに崩れ落ち、そこに殺伐とした冒険者の一団が街中を駆けて向かっていたのだった。
ロウは喫茶店に帰ってくるなり、リーグが接客をする風景を見ながら居眠りを再開していた。
『魔物が攻めてきたぞ!誰でも良いから冒険者ギルドに行ってくれー!』
『誰かっ、冒険者ギルドへーー』
客に一言断りをいれて、喫茶店を出てみれば商業都市の入り口である門から、人々が走り回っていた。
そして走っている人々の中に叫びながら混じって行動する男が見えた。
その男は叫びながらも、冒険者ギルドの方向へ向かっているが、同じことしか叫ばないので要領を得なかった。
だが門の側では、傭兵が大人数で熊の形をした魔物を抑えていたが、少しずつ後方へ押されているように見受けられた。
「ロウっ!」
ーーガウ
「極力人の居ない方へ追い払ってくれ。それでも来るようなら、容赦しなくて良いぞ。」
ーーウゥ~ ガウッ!
リーグは喫茶店の前で寝そべっていた番犬ロウを呼ぶと、寝ていたとは思えないほどに素早く耳を立ててリーグの元へ向かっていく。
ロウが足元に近寄ってきたので、リーグは門の方を指差しながら、指示を出す。
一瞬困惑したようにリーグへ顔を向けるが、指示に従って傭兵が魔物に蹴飛ばされた一瞬の隙を突いて、ロウは熊の魔物を門から離れた位置へ投げる。
一部始終を間近で見ていた傭兵達は何が起こったのか分からないと言いたいように顔を見合わせるが、その間にも投げられた熊の魔物は再び門へと走ってきていた。
しかし門には衝撃が来ることはなかった。
門から人の足で数歩の位置で傭兵達にも居合わせた門番にも見えない速さで、熊の魔物はロウによって、すでに事切れていた。
ロウはその熊の亡骸を頭を除いて、異空間へ放り込み、傭兵達が唖然とする中を颯爽と駆けてリーグの元へ戻っていった。
後に残されたのは熊の魔物の成れの果てを呆然と眺める傭兵と門番が静かに崩れ落ち、そこに殺伐とした冒険者の一団が街中を駆けて向かっていたのだった。
ロウは喫茶店に帰ってくるなり、リーグが接客をする風景を見ながら居眠りを再開していた。
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