激甘革命!マジパティ(分割版)

夜ノ森あかり

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カオスソルベ編

第9話「クグロフ来日!異臭騒ぎの放課後」②

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「はぁ~…頭がパンクしそうだぜ…」

「ワタクシも…これが本当の「思考回路はショート寸前」…ですわ。」

 昼休みになり、共に理科が苦手な一悟とあずきは中庭にあるベンチに座り、目の前にあるテーブルに突っ伏している。

「ユキちゃんはどうだった?あたしは、埋められる所は埋めてきたけど。」

「僕も大体は埋められてきたかな。お姉ちゃんから教えられた所、たくさんでたから。」

 みるくもカオスソルベも余裕だったようだ。



「フン…あんなの、埋められたうちに入らんがな…」



 突然カオスソルベの胸の谷間から雪斗の声がして、一悟達は一斉に雪斗の声がする方向に目を向ける。すると、いきなり谷間から黒い猫耳が飛び出し、雪斗を2頭身にしたような風貌ふうぼうの着ぐるみ姿の少年が出てきた。

「ニャロ…なんつー羨ましいところから…」

 おっぱい大好き精霊の言葉に、あずきとラテの表情が強張った。

「なぁ…そいつ…もしかして…」

「うん…身体を返せ返せうるさいから、あのあと僕の力で猫のぬいぐるみに入れてあげてたの。みんなに見えているってことは、媒体ばいたいが感覚を共有しているって事を認めたってこと♪」

「みんな人の事を好き勝手ののしって…」

 雪斗の言葉に、みるくの表情が曇った。

「それ…勇者さまの力を使って好き勝手なことしてきた氷見ひみ君が言える立場?反省の色もなく、そんなことばかり罵るなら、もう一生このままでいいと思うよ?」

 球技大会の日、ソルベに変身した雪斗に襲われたみるくにとっては、腹立たしい言葉であるのは確かだ。

「甘いね、ミルク!!!コイツ、人の着替えを見ながら人の下着姿に派手だとかケチつけるんだよ!!!この姿のままでって言うよりも、もう消えてしまった方がいいから!!!!!」

「なぁ~~~~~~にぃ~~~~~~~のぞきだけならまだしも、下着姿にいちゃもんつけるとか…最低だな、オメー…」

「ココア…俺と勇者さまが着替えている時、見比べてため息ついてたお前も言えた立場じゃねーぞ?」

 一悟の話を聞いて、鬼の形相をしたラテが、背後からココアの首を締めあげた。その怒りレベルは「激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリーム」といったところだ。



「私という恋人がいながら、勇者様や一悟の前で何やってんだーーーーーーーーーーーーっ!!!!!」







 午後の部の実力テストも無事に終わり、ホームルームが始まった途端、誰もが予想していない光景がグラウンドにて発生した。気味の悪いニオイと共に、グラウンドにたくさんのドーナツのカオスイーツが現れたのである。マカロンは学校におらず、ティラミスも汀良瑞希の姿ではカオスイーツが出せない。そして…カオスソルベがカオスイーツを出した気配はない。下妻先生はカオスイーツを生成したのが、今まで会ったことのない「ブラックビター」の幹部であることを確信した。

「先生、グラウンドから異臭がします!!!!」

「みんな、落ち着きたまえ!!!今すぐに机の下へ隠れろ!!!!!」

 大地震を想定した避難訓練でもあるまいし、なぜ怪物が現れただけで机の下にもぐるのか…誰もがそう考えたが、下妻しもつま先生には考えがあった。そして、教卓の陰で聞こえないようにテレパシーを送る。



「ラテ、カオスイーツが現れた!!!大至急一悟、みるく、カオスソルベのいる空間を歪めるんだ!!!」

「了解ですっ!!!」



 みるくのカバンからラテが飛び出し、ラテは一悟達の空間を歪め、他の生徒達に見えないようにした。ラテが出てきたことでココアも一悟のカバンから飛び出し、一悟達は急いでトイレに駆け込んだ。そして、隣のクラスにいるあずきも…

夙川しゅくがわ先生、ワタクシ腹痛のため、1人で保健室へ行ってまいります!」

 昨日の反省もあり、あずきはスイーツ界の住人・ライスへと姿を変え、トイレへ駆け込んだ。







 そして一悟、みるく、ライスはブレイブスプーンを構え…



「マジパティ・スイート・トランスフォーム!!!」



 一悟達と同時に、カオスソルベはノワールスプーンを構えた。



「カオス・ビター・トランスフォーム…」



「うーむ…勇者さまには劣るけど、カオスソルベのおっぱいは柔らかそうだなぁ…悪役だけど。」

「コーーーーーーーーーーコーーーーーーーアーーーーーーーーー…」

 2頭身の雪斗の腕を掴みながら、精霊サイズのスマホで変身シーンを撮影するココアに、恋人のラテはカンカンだ。ちなみにココアのスマホのアルバムには、みるくの変身シーン、シュトーレンの入浴シーンと着替え、そして拾い物のソルベのエロ画像で埋め尽くされている。恋人が激怒するのも無理はない。



「ピンクのマジパティ・ミルフィーユ!!!」

「黄色のマジパティ・プディング!!!」

「ブルーのマジパティ・ライス!!!」

「混沌の使途・カオスソルベ…」



 一悟達は無事、変身完了し、カオスソルベも黒を基調としたツーピースのコスチューム姿になった。



「スイート…」

「「「レボリューション!!!」」」

「「「「マジパティ!!!!!」」」」



 最後は綺麗にハモった。







 下妻先生の読み通り、ティラミスは学校に来てはいるが、いつもとは様子がおかしい。

「うぐっ…この悪趣味なニオイは…」

 流石の鬼メイドも、最も苦手なものが存在しているようだ。



「ク…クグ…ロフ…」



 ティラミスは椅子ごとぶっ倒れた。

「先生!汀良てらさんが倒れました!!!」

「保健委員!汀良を保健室に連れて行きなさい!!!」

 担任は保健委員に瑞希を保健室へ連れて行くように頼むが、それを生徒会長の腕章を付けた一人の生徒が名乗りを上げる。



「先生!!!汀良さんは私が連れて行きます。私もこの異臭で気分がよくないので…」







 突然現れた大量のカオスイーツと、謎の異臭…異臭の原因はカオスイーツの前に立っている30代の見た目をしたエルフ族の女性からしている。彼女の名は「クグロフ」。見るからに分厚い化粧、どぎつい香水のニオイ…そして、金髪ロングヘアーにいくつもの縦ロールをこさえた髪型…一言で片づけてしまえば、「ケバい」が相応ふさわしいだろう。(作者偏見あり)

「出てきな!マジパティ!!!この学校にいるのはわかっているんだよ!!!!!!」

 大量のカオスイーツの正体は、雪斗の失踪事件に関して取材するために学校に張り込んでいる報道陣達で、その規模は今までとは格が違う。



「待たせたな!!!!禍々まがまがしい混沌こんとんのスイーツ達!!!勇者の力で木端微塵こっぱみじんにしてやるぜ☆」

 ミルフィーユ達が校舎から出てきた。そして、それと同時にミルフィーユの背後からライスとプディングが攻撃を仕掛ける。

「ピオニーファン・スライサー!!!!!」

 ライスが投げた白い扇子は、クグロフの背後にいるカオスイーツ達を切り刻んだ。

「プディングメテオ!!!ミストシャワー!!!」

 プディングの放った球体はクグロフの頭上で破裂し、大量の霧がクグロフ達を包み込む。

「香水の付けすぎは、瀬戌せいぬ市の条例違反です!!!」

「それに、どういう付け方をしたら、シャネルの香水が酷いニオイになりますの?ワタクシのお母さまが去年使用していた香水と同じですけど、お母さまの方が上品な香りでしたわ!!!」

「なっ…なんて生意気な…香水は当たってるけど…」

「これぞまさしく「お前のシャネルが泣いている」ですわっ!!!!!」

 ライスの言葉に、霧で化粧が崩れたクグロフの頭の何かが切れた音がした。







「化学物質過敏症…ね?」

 ティラミスは保健室に運ばれ、仁賀保にかほ先生から治療を受けている。そんな先生はなぜかガスマスク着用だ。

「汀良さん、この学校の校則に於いて、香料の使用はどうなっているか、言えるわね?」

「はい…第25条、瀬戌市の「香りと健康に関する条例」に基づき、香りの強い洗剤、柔軟剤及び、香水の使用を禁止する。」

 校則の条文をスラスラと暗唱する風紀委員長に対して、仁賀保先生は黙って拍手をする。そして…



「「鬼の風紀委員長・汀良瑞希」とは仮の姿…本当は「ブラックビター」の幹部…そうでしょう?」



 養護教諭のただならぬ言葉に、ティラミスは酸素マスクを外し、ベッドから飛び上がる。

「なぜ…私の素性を…そういうあなたも、ただの養護教諭ではありませんね?」

「ご名答…私はカオスのニオイに敏感なの。それと、あなたが話した第25条は不正解。本当の第25条は内部進学に関する条文よ?香料の使用については第9条の服装に関する条文に記載されているわ。」

 ガスマスク越しに余裕の笑みを浮かべる養護教諭を前に、瑞希は思わず足がもつれる。

「今のあなたと私は、生徒と養護教諭…戦うに値しないわ。それと、これからマジパティを追い詰めたいのならばご自由に。異臭を放つお仲間さんと話をしたいなら、ガスマスクならいくらでも無料で貸してあげる。壊したら弁償してもらうけど。」

「くっ…悔しいですが…おかりします…」

 瑞希はティラミスの姿に戻り、養護教諭からガスマスクをかりた。そして、たまたま潜入している途中で気絶してしまったジャーナリストを見つけ、ポケットから名刺を取り出した。



「「週刊ZBAズバ!」専属ジャーナリスト・烏森藤一かすもりふじかず…かねてから取材対象に対して手ひどい取材で有名な男…それなら、一役買っていただきますよ?」

 ティラミスの言葉に呼応するかのように、ジャーナリストの男は黒い光を浴び、その姿を変えてしまった。
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