激甘革命!マジパティ(分割版)

夜ノ森あかり

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勇者クラフティ編

第17話「勇者VSトーニ!マジパティと勇者の奇跡」②

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「ソルベブーメランっ!!!!!」



「ガッ…」



「ネロっ!!!!!」

 魔界のソルベが放った弓が、カオスイーツ化したアントーニオの身体にヒットし、大勇者と僧侶は攻撃を免れた。

「はぁっ…はぁっ…大勇者様、ご無事ですか?」

「俺は大丈夫だけど…お前たちは…」

「先ほどの件であまり長くはもちません…ですが、戦えるのは我々のみ…」

 魔界のソルベはそう言いながら、カオスイーツ化したアントーニオにキックで応戦する。

「それに…勇者シュトーレンの不完全なオーバーブレイブの影響で、一悟達は変身できなくなったんです。」

 その言葉に、ガレットはぐっと息をのむ。



「ミルフィーユスライサー!!!(ただの足払い)」

「プディングメテオ!!!ウイニングショット!!!!!」



 魔界のミルフィーユと魔界のプディングがやっと合流し、連携でカオスイーツ化したアントーニオを、大勇者達から引き離す。

「カオスイーツは、私達が引き受けます!2人とも、短討ち決戦だよっ!!!!!」

「りょーかいっ!」

「承知した!!!」

 魔界のミルフィーユの言葉に、魔界のプディングとソルベは同意し、カオスイーツ化したアントーニオの所へ走る。



 それから少しして、傷を負った勇者の治療が終わったらしく、勇者は再び目を覚まし、起き上がるが…



「スパーーーーーーーーーーーーン」



 勇者が一言もしゃべる事すら許さないかのように、大勇者の右手は勢いよく音を立てながら、彼女の左頬を叩いた。



「馬鹿野郎!!!慣れもしないオーバーブレイブで、あんな無茶…しやがって…」



 意識が戻った娘に向かって、大勇者は娘に肩を震わせ、涙交じりに声を荒げる。

「お…親父…」

「バイクや剣は壊れても、条件が揃えば直せる…だけど…お前の命は一つしかないんだぞ!!!結婚前の娘が、こんな無茶をするんじゃないっ!!!」

「ごめん…なさい…どうしても、トーニだけは許せなかったの…」

 娘の謝罪を聞き入れた大勇者は、シュトーレンに大剣を差し出す。



「一悟達がマジパティに変身できなくなった今、カオスイーツとなったトーニを完全に止められるのは、お前しかない!!!行け、勇者シュトーレン!!!!!」



「そして…必ず生きて戻って来い…俺の娘として…」

 父親として、先輩勇者としての言葉に、勇者は大剣を受け取る。5年近く振り回すことのなかった剣の重み…今となっては懐かしい…パリに滞在中は氷見家の当主に預け、カフェを始める際に引き取った大剣…氷見家の者が定期的に磨いていたらしく、目立った錆はなかった。その重みと想いも、勇者の心にひしひしと伝わる…



 シュトーレンが鞘に煌めく紅色の宝石・インカローズに手をかざした刹那、白いドレス姿から一瞬にして白と金を基調とした甲冑姿に変わる。炎のような真紅のロングヘアーも、瞬く間に結い上げられ、頭頂部には白い羽飾りのついたカチューシャが装着され、純白の表地に、裏地が赤のマントが彼女の背中を覆いつくす。この姿こそ、勇者シュトーレンの本来の姿なのである。



「御意…大勇者ガレット…それまではトルテの事、頼んだからね?親父…」

 その言葉に、ガレットは安堵の表情を浮かべ、カオスイーツの元へと向かう娘を黙って見届けようとするが…



「カルマン・ガレット・ブラーヴ・シュヴァリエ、41歳…長女・セーラが生まれてから23年…初めて…娘を叩いた痛みを知る…」



 彼は、娘の背中を見ながらそう嘆いたのだった。

「敢えて素手でやっている時点で、あんたは立派な父親だ。それと…もうすぐ娘婿になるライオンの治療も終わる。」







「んあ…?」

 一悟が気が付くと、そこにはみるく、雪斗、玉菜、ラテ、ガトー、フォンダン…そして、自分の父親の姿があった。

「やっと意識が戻ったようですね。」



「寝てる場合…じゃねぇっ…!!!早く、勇者様を守らねぇと…」



 意識が戻るや否や、一悟はそう言いながら起き上がる。その言葉に、みるく達の表情は深刻だ。

「えっ…何、寝ぼけた事…」



「寝ぼけてなんかいねぇっ!!!いつも俺達を見守ってくれている人が、言葉の通じねぇストーカーに付け回されて、黙っていられるかよっ!!!!!」

 彼の言葉に、みるく達はすっと立ち上がる。



「いちごんの言う通りだわ!みんなで「ミラノで一番の自己チュー男」の目を覚まさせましょう!!!」

「そうだな。ああいう奴は、一度でも豚箱に入ってりゃいいんだ!!!」

「いっくんに対する前科があるユキくんが、そんな事言う立場じゃないでしょっ!!!!!」

 みるくのツッコミに、玉菜はうんうんと頷く。

「でも…無知でやる以上に、知った上でやったのはタチが悪いです。行きましょう!!!」

 そう言いながら、みるくは石化したブレイブスプーンを握り、前に突き出す。その姿に雪斗も、玉菜も、同じく石化したブレイブスプーンを握りしめる。そして、勇者のいる場所へと向かうが…



「一悟!」



 突然、一悟の父は息子を呼び止め、石化したブレイブスプーンを手渡す。

江利花えりかさんと我夢がむくんには俺が連絡しとくから、お前らは今…やるべき事をやって来い!!!」

「あぁ!!!でも…姉ちゃんには言わないで欲しいかなー?」

 バツの悪そうに告げる息子に呆れつつも、一悟の父は黙って息子の背中を見つめる。
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