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勇者クラフティ編
第18話「勇者様は女子高生!迫る体育教師の魔の手」⑤
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「「次のニュースです。埼玉県瀬戌市の私立中学校の体育教師が、高等部の生徒達を竹刀で殴ったり、髪の毛を引っ張るという行為を行っていた事が、昨日明らかになりました。」
あれから一夜が明け、ニュース番組でも、SNSでも、千葉先生の問題行動が取り上げられ、サン・ジェルマン学園は再びマスコミがちらほらやって来る。その高台にある学校のふもとにあるコンビニ「フェアリーマート」の駐車スペースに、1台の赤いデミオが停まる。
「ムッシュ・エクレールの部屋も覗いている時点で、あのイタリア人以上に一筋縄じゃいかないかもしれません…気を付けてくださいっス…セーラ…おやっさん…」
「わかってる…だから、待っててね?トルテ…」
そう言いながら、シュトーレンは運転席にいるトルテにキスをする。炎のような真紅のロングヘアーをツインテールにまとめ、上はミントグリーンのカラーシャツに、えんじ色のボウタイ、冬服のブレザーと同じカラーリングに、えんじ色の襟が付いたダブル合わせのジレ。下はワインレッドにチェック柄のボックスプリーツスカートとワインレッドのハイソックス、赤茶色のローファー…と、今日のシュトーレンの恰好は夏服となっている。昨日と比べて、制服が夏服に切り替えた生徒達が増えてきた。そんなシュトーレンの所へ、みるくが合流する。
「おはようございます。「まりあ先輩」。」
みるくも赤襟に白いラインで、身頃が白のセーラー服姿…と、中等部の夏服姿だ。サン・ジェルマン学園は中等部、高等部共に制服に関する人気は瀬戌市だけには留まらない。埼玉県内に於ける学生服人気ランキングでは、稀沙良市にある聖エトワール学院大学附属中学校、高校と1、2を争うほどである。
「おはようございます。」
シュトーレンとみるくの所へ、雪斗も合流する。彼の背後には涼也も一緒だ。雪斗も夏服に衣替えをしており、涼也に至っては着の身着のままで雪斗の家に来たので、冬服のままである。
ガレットの予想は的中していた。彼の制服のポケットから、勇者クラフティの力を感じ取っており、これで彼の姉が勇者クラフティの力を宿したマジパティであったという事がハッキリした。涼也は決して勇者とマジパティをつけ狙う気はなく、寧ろ姉の行く末を知りつつ、人間界の住人として支えたいという気持ちが強く、父親のような行動だけはどうにも許せないようだ。
ほぼ同時刻、風紀委員達は中等部の正門で朝の風紀指導にあたっている。風紀指導中の委員達も、半分近くが夏服姿となっており、委員長である瑞希も昨日の時点で夏服姿となっている。
『はぁ…昨日の件で、「首藤まりあ」の事を調べるのを忘れてました…』
風紀指導にあたりながら、瑞希はため息をつく。放課後、生徒会長のあとをつけ、高等部へ向かおうとした途中で、千葉先生が高等部の生徒に対して問題を起こしてしまい、大慌てで涼也を呼びに行ったため、それっきりとなってしまったのである。そんな彼は、隣のクラスの生徒2人と一緒に登校しているのが確認できた。恐らく昨晩は自宅に戻っていないと思われる。
『珍しいですね…氷見雪斗と米沢みるくと一緒に登校など…まぁ、千葉一悟が仁賀保先生の指示で今週いっぱいは、高萩あずきと職員トイレの清掃となりましたから、仕方ありませんね…』
教職員達は朝早くから学校に来ており、千葉先生の処分に対して話し合っているようだ。
千葉先生の処分に於いては、教職員会議では平行線に終わり、ホームルームが終わってからは理事会審判が始まり、瀬戌市教育委員会も加わり、処分はここで確定するようだ。
「えー…千葉先生の処分については、本日中には確定する。マスコミの報道が出ている以上、本日いっぱい、2年生の体育の授業は全て自習となる。昨今の教職員不足もあり、新たな体育教師の確保は難しいと思われる。こればかりは、先生は生徒達に平謝りをすることしかできない…すまない…先生達の努力不足だ。」
本当に英語教師が謝るべきなのだろうか…最も、下妻先生も千葉先生から部屋を覗かれるなど、不快な想いをさせられている。下妻先生も十分被害者だ。
2限目が終わるころには、千葉先生の処分が確定し、昇降口の掲示板にて処分内容が張り出された。停職2週間、及び1週間の自宅謹慎…授業内容は昭和的な雰囲気以外は至って模範的な授業で、前任である都賀とは雲泥の差だけに、問題行動を目の当たりにしていない生徒達は落胆する。その落胆の声の中、一悟達は呆然とし、涼也は苦虫をかみつぶしたような表情を浮かべる。
「あんな奴…ずっと猛省していりゃいいんだ!!!昔から問題ばっかり起こして…よく教師が務まるのか不思議だよ…」
「涼ちゃん…」
一悟は声をかけようとするが、涼也の怒りは収まらない。
どうせなら…英雄叔父さんか首藤さんが俺の親父ならよかったのに!!!!!」
そう言い放った涼也は従兄弟の手を振りほどき、昇降口から外へ飛び出してしまった。そして、それと同時に校内放送が響き渡る。
「理事会審判で処分が下った体育教師が、会議室を脱走しました!生徒達は身の安全を確保し、担任の先生の指示に従うように!!!繰り返す、理事会審判で処分が下った体育教師が、会議室を脱走しました!生徒達は身の安全を確保し、担任の先生の指示に従うように!!!!!」
校舎内にいる中等部の生徒達は一斉に教室に戻り、担任の先生達も教室に入る。一方、体育の授業を控えている3年のあるクラスは体育館で待機する。各教室で点呼を取り、人数を確認する。
「よし、C組はこれで全員いるな?千葉先生がどう動くかはわからない。全員気を引き締めるように!!!」
「はいっ!!!!!」
一方、高等部にいるシュトーレンは、クラスメイト達と一緒に英語のリスニングの授業のため、LL教室へと向かっているところである。そこへ突然校内放送のチャイムが鳴り響く。
「中等部理事会審判で処分が下った体育教師が、高等部に侵入しました!生徒達は速やかに教室に入り、先生方の指示に従ってください!!!繰り返します、中等部理事会審判で処分が下った体育教師が、高等部に侵入しました!生徒達は速やかに教室に入り、先生方の指示に従ってください!!!」
「廊下にいる生徒達は、特別教室でもいいので、教室に入りなさい!!!昨日の件で、竹刀を持っている事が確認されている!まずは身の安全を確保するのが最優先だ!!!」
ざわめく高等部の中、怪しい黒い影がシュトーレンの背後に迫りくる…
「見つけた…首藤まりあ…」
「首藤っ!!!」
シュトーレンが振り向くと、そこにはまるで竹刀を持った巨大な霊長類…両手が塞がっている状態のシュトーレンはいつものように動くことができず、教室へ逃げ込む生徒達と共に教室へ向かうが、問題の教師にマークされてしまった以上、教室へは入れない。ただただ、勇者にとっての脅威に追い回されながら、どうにか身の安全を守れそうな場所を探す…
「お嬢っ!!!!!」
聞き覚えのある声と共に、彼女と脅威の間に割り込むかのように、高等部の男子制服姿の女子生徒が体育教師の竹刀を両手で受け止める。ネロである。
「ご無事ですか?お嬢…」
「え、えぇ…」
「根室…無茶をするんじゃない!!!」
高等部の教師の言葉を尻目に、ネロは千葉先生をキッと睨みつける。
「お嬢の髪を「汚らしい」などとほざいた貴様に相応しい言葉をくれてやる!!!お嬢をつけ狙う貴様の汚らしい面構え、もう一度鏡を見てから…」
「ぐいっ…」
「出直せ!!!!!」
「ドスンッ!!!!!」
一旦間を置いてから叫んだネロは、竹刀を軸に回転を加え、中等部から逃走してきた体育教師を、受け身を取る事を許さぬかのように廊下に勢いよく打ち付ける。シュトーレンはボネにお姫様抱っこされる形で、千葉先生から離れる。ボネはリスニングの機材が揃っている教室を見つけると、シュトーレンと共に教室へ滑り込む。中には教師を含め、誰もいないようだ。
「危ないところだったな?娘ちゃん…」
「ボネ!!!」
ボネはキャスター付きの椅子でLL教室のドアをふさぐと、更に己の背中でドアと椅子を押さえつける。
「若返った姿じゃ戦えねぇだろ?お前の親父さんがそうだったんだ…そんな娘ちゃんができる事と言えば、ここでいっちー達の無事を祈るだけ!それと…」
そう言いながら、ボネはシュトーレンにジェスチャーをかます。両手をパンと叩き、右手でVサインと丸の形を作り、最後は右手を額に当て、何かを見るようなポーズ…それは、つまり…
「パンツ丸見え」
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「おはようございます。「まりあ先輩」。」
みるくも赤襟に白いラインで、身頃が白のセーラー服姿…と、中等部の夏服姿だ。サン・ジェルマン学園は中等部、高等部共に制服に関する人気は瀬戌市だけには留まらない。埼玉県内に於ける学生服人気ランキングでは、稀沙良市にある聖エトワール学院大学附属中学校、高校と1、2を争うほどである。
「おはようございます。」
シュトーレンとみるくの所へ、雪斗も合流する。彼の背後には涼也も一緒だ。雪斗も夏服に衣替えをしており、涼也に至っては着の身着のままで雪斗の家に来たので、冬服のままである。
ガレットの予想は的中していた。彼の制服のポケットから、勇者クラフティの力を感じ取っており、これで彼の姉が勇者クラフティの力を宿したマジパティであったという事がハッキリした。涼也は決して勇者とマジパティをつけ狙う気はなく、寧ろ姉の行く末を知りつつ、人間界の住人として支えたいという気持ちが強く、父親のような行動だけはどうにも許せないようだ。
ほぼ同時刻、風紀委員達は中等部の正門で朝の風紀指導にあたっている。風紀指導中の委員達も、半分近くが夏服姿となっており、委員長である瑞希も昨日の時点で夏服姿となっている。
『はぁ…昨日の件で、「首藤まりあ」の事を調べるのを忘れてました…』
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『珍しいですね…氷見雪斗と米沢みるくと一緒に登校など…まぁ、千葉一悟が仁賀保先生の指示で今週いっぱいは、高萩あずきと職員トイレの清掃となりましたから、仕方ありませんね…』
教職員達は朝早くから学校に来ており、千葉先生の処分に対して話し合っているようだ。
千葉先生の処分に於いては、教職員会議では平行線に終わり、ホームルームが終わってからは理事会審判が始まり、瀬戌市教育委員会も加わり、処分はここで確定するようだ。
「えー…千葉先生の処分については、本日中には確定する。マスコミの報道が出ている以上、本日いっぱい、2年生の体育の授業は全て自習となる。昨今の教職員不足もあり、新たな体育教師の確保は難しいと思われる。こればかりは、先生は生徒達に平謝りをすることしかできない…すまない…先生達の努力不足だ。」
本当に英語教師が謝るべきなのだろうか…最も、下妻先生も千葉先生から部屋を覗かれるなど、不快な想いをさせられている。下妻先生も十分被害者だ。
2限目が終わるころには、千葉先生の処分が確定し、昇降口の掲示板にて処分内容が張り出された。停職2週間、及び1週間の自宅謹慎…授業内容は昭和的な雰囲気以外は至って模範的な授業で、前任である都賀とは雲泥の差だけに、問題行動を目の当たりにしていない生徒達は落胆する。その落胆の声の中、一悟達は呆然とし、涼也は苦虫をかみつぶしたような表情を浮かべる。
「あんな奴…ずっと猛省していりゃいいんだ!!!昔から問題ばっかり起こして…よく教師が務まるのか不思議だよ…」
「涼ちゃん…」
一悟は声をかけようとするが、涼也の怒りは収まらない。
どうせなら…英雄叔父さんか首藤さんが俺の親父ならよかったのに!!!!!」
そう言い放った涼也は従兄弟の手を振りほどき、昇降口から外へ飛び出してしまった。そして、それと同時に校内放送が響き渡る。
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「ボネ!!!」
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