激甘革命!マジパティ(分割版)

夜ノ森あかり

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勇者クラフティ編

第19話「ティラミスの葛藤!生徒会長はクリームパフ」④

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「ソルベタイフーーーーーーン!!!!!」



 突然ソルベの声がしたと同時に、湿気を帯びた強風が台風の如く高等部の中庭を駆け巡る。その拍子にティラミスを拘束していたマシュマロが緩み、ティラミスは身体の自由を取り戻した。

「こしゃくなっ…スモアカオスイーツ、駄メイドとゴミ精霊を…」



「ダメなゴミはお前でしょ!センスの悪いおっさん、しっしっ…」



 ティラミスが振り向くと、そこにはソルベアローを持ったソルベと、姉のブレイブスプーンを構えた涼也が立っている。恐らく、カオスイーツの気配を感じ取って高等部までやって来たのだろう。

「…と、前置きはここまでにして…禍々まがまがしい混沌こんとんのスイーツ、勇者の知性でその煮えたぎった頭を冷やしてあげる!!!」

 突然のマジパティの登場に、ベイクは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。

「なんて生意気な小娘だ…スモアカオスーツ!!!駄メイド共々マジパティを…」



「ドゴッ…」



 ベイクの指示を遮るかの如く、ソルベの蹴りがカオスイーツに炸裂する。

「うっさい、バーーーーーカ!!!マシュマロとクラッカーは、湿気に弱いんだから…この梅雨が近い季節に湿気に弱いカオスイーツを出したお前の負けだよ!」

 確かに湿気を帯びたカオスイーツの動きは、ティラミスに襲い掛かった時よりも鈍くなっている。

「まぁ…マカロンお姉ちゃんが、プディングから聞いた事を応用しただけだけどさ。」

 そう言いながら、ソルベは再びソルベアローを構えるが…



「待ってください、ソルベ!今回は僕も手伝わせてください!!!」



 ガトーからの申し出があり、ソルベは右肩にガトーを座らせる。

「大切な妹を攫った男がなったカオスイーツと、ゴミ呼ばわりした男…絶対にタダでは済ましませんよ?」

 そう話すガトーの表情は、とてつもなく恐ろしい。



「OK!行くよ、ガトー!」

「はいっ!!!」

 ソルベはガトーを右肩に乗せた状態でウインクする。



「精霊の力と…」

「勇者の知性とを一つに合わせて…」

「ターゲットロック!!!」

 ガトーは水色の光を纏い、ソルベアローのてっぺんに飛び乗る。その瞬間、ソルベアローに水色の光の弦が張られ、同時にカオスイーツは水色の立方体の中に閉じ込められてしまい、身動きが取れなくなってしまう。ソルベが思いっきり弦を引くと同時に、光の矢が現れ、水色の光を帯びた光の矢にスイーツのエネルギーが蓄積される。



「ソルベシュート!!!!!」



 ソルベは掛け声と同時に、矢と弦から右手を離す。



「サンクション!!!」



 ソルベが叫んだ瞬間、放たれた光の矢は立方体の中へ吸収され、立方体の中で無数に増殖する。四方八方から放たれる無数の矢に、カオスイーツは黙って攻撃を受けるしかなかった。

「アデュー♪」

 2人がウインクをしたと同時に、カオスイーツは光の粒子となり、本来の姿である佐貫先生へと戻っていく…カオスイーツを簡単に浄化させられた事が気に入らなかったらしく、ベイクは黙ってアジトへと戻ってしまった。







「ソルベ!!!」

 高等部にある格技場から一悟、みるく、ガレット、シュトーレン、ココアが、中等部と高等部を結ぶ石段からは玉菜と下妻先生がラテと共にそれぞれやって来る。

「おっそーーーーーい!!!もう僕が片付けたんですけどーっ!」

「すみません…いっくんとちかちゃんの試合が長引いて…」

 相当な接戦だったらしく、現在の一悟も制服姿ではなく、道着姿のままだ。

「それで…フォンダンは?」

 玉菜の言葉に、ティラミスはフォンダンと紫色の宝石が付いたブレイブスプーンを玉菜に手渡す。カオスイーツが浄化されたと同時に、球体が消え去ったのだが、フォンダンはぐったりとしている。そんなティラミスは、カオスイーツが浄化されている間に忍び装束を直したようだ。

「無理もないです…長時間もお皿から引き離されたら…」

「それに、フォンダンのお皿もヒビが入ってる…」

 そう言いながら、玉菜はフォンダンを白い平皿に乗せる。フォンダンは虚ろな目をしながら、玉菜とガトーに手を差し出す。

「申し訳ありません…私が早く佐貫先生に追いついていれば…」

 涙交じりに話す鬼メイドを見るなり、玉菜はふぅとため息をつく。



「汀良さん…謝るのは、本当にあなたの方かしら?」



 ティラミスの姿であるにも関わらず、生徒会長は彼女を「汀良さん」と呼んだ。

「あなたは、あのタヌキに攫われたフォンダンを守ってくれたじゃない。むしろ、私があなたにお礼を言うべきだわ。ありがとう…フォンダンを守ってくれて…」

「でも…彼女は…」

「フォンダンは勇者様に頼んで治療してもらうわ。その代わり、今度「鬼亡の刀」かしてよね?」

「まったく…この生徒会長は…でも…その憎めない表情、あのお方に似て…」

 玉菜に呆れながらも微笑むティラミスだが、かつての主の事を話す途中で、バランスを崩して倒れてしまう。





 ………





 黒いもやの前で、見た目10歳前後の少年が、球状の水晶からティラミスの今回の一部始終を見つめる。

「そろそろ潮時だね?あのメイド…やっぱり、精霊共々アイツは潰すべきだった…」

「そう言いながら、アイツと戦おうとしないのはどこのどいつだい?」

 少年の姿に、クグロフは呆れながらそう話す。

「魔界のマジパティ達がしつこいんだよ!あの鎧のオッサンも、変な目で僕を見るし…」

 少年はため息をつきながらクグロフの問いに答えつつ、後ろを振り向かずに背後へと1本の果物ナイフを投げる。



「でも…媒体ばいたいの記憶を思い出しつつある以上、貴様は終わりだ…ティラミス…」



 彼が投げた果物ナイフは、ティラミスの写真の中央部に突き刺さる。
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