激甘革命!マジパティ(分割版)

夜ノ森あかり

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勇者クラフティ編

第25話「玉菜、憤慨!マカロンは2度捨てられる」①

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 7月3日、夕方の米沢よねざわ家―



 今日は家長であるけいの仕事が休みの為、夕食を作っている。先月より瑞希みずきが一緒に暮らしてからは、娘のみるくも自宅にいる時は段々と1人で思い詰める事はなくなったようだ。息子の我夢がむの方はというと、バイトが繁忙期に入り始めていることもあり、東京のアパートで過ごす機会が増えた。



「先ほど入ってきたニュースです。埼玉県瀬戌せいぬ市にある私立中学校の敷地内に、先月より行方が分からなくなっていた女子中学生の遺体が発見されました。」



「おや…みるくの学校でまた事件か?」

 テレビから聞こえる報道…瀬戌市にある私立中学校はサン・ジェルマン学園中等部しかないため、娘が通っている学校だとすぐわかる。今年度に入ってから学校ではスイーツの怪物が現れたり、学生が失踪したり、教師の不祥事が発覚したり…と、親として心配になってくる事件が多くなっているように感じる。



「遺体で見つかったのは、私立サン・ジェルマン学園中等部の3年生で、南斗なんと町に住む鈴木金美すずきかなみさん。警察は鈴木さんの遺体を敷地内に隠したとして、鈴木さんの友人で、15歳の少女を死体遺棄容疑で逮捕しました。」



 キャスターの言葉を聞くや否や、桂は大急ぎでクッキングヒーターに圧力鍋を置き、出かける支度をしながら玄関へと向かう。そこには丁度、娘のみるくと同居人の瑞希が帰宅してきた所だった。

「パパ…どうしたの?」

「み、みるく…瑞希さん…す、すまない…学校で遺体が見つかったって聞いて、お前達が心配になってしまってな…」

「遺体が見つかった」という言葉を聞いた瑞希は思わず、ハッとする。先ほどのライブ中継の終盤、カメラに映った川原佑香かわはらゆかの怪しい行動…

「テレビはまだつけてますよね?」

「あ、あぁ…テレビの報道を聞きながら食事を作ってたからね。」

 その言葉を聞いた瑞希は靴を脱いで、リビングへと赴く。勿論、みるくと桂も一緒だ。



 テレビでは、瀬戌警察署で中継が行われている。

「こちら、瀬戌警察署です。鈴木さんの遺体が見つかるきっかけとなったのは、大人気Our Tuberのライブ配信でした。」

 警察署でマイクを構えるアナウンサーは、ライブ配信終盤…マジパティ達が去ったあとの光景を語り出す。

『やっぱり…あの排水溝の中に…』

「それにしても、ライブ配信で犯人が見つかるとはなぁ…」

「パパ、その動画見つけたけど…再生回数がすごいことになってる!!!」

 桂はそう叫ぶ娘のスマートフォンをのぞき込む。

「本当だな…とにかく、お前達が無事で何よりだ。今から夕飯の支度を終わらせるから、できるまで部屋で着替えて待っていなさい。」

 ほっと胸をなでおろした桂は、再び台所へと戻る。







「次のニュースです。「外道の極みおとこ。」の川島四音かわしましおんさんが、タレントで地方テレビ局のアナウンサーの女性と不倫関係にあると「週刊文夏しゅうかんぶんか」が明らかにしました。



 2人が着替えを済ませて部屋に戻ると、既に瀬戌警察署からの中継は終わっており、現在は芸能関係の話題に切り替わっている。みるくと瑞希はソファに腰かけようとするが…



「ピーンポーーーーーーーーーーーン」



 玄関のチャイムが鳴り響き、2人は玄関へと向かう。玄関の扉を開けると…



「まなちゃん!!!」

玉菜たまな!どうしたんですか…こんなずぶ濡れで…」

 そこにいたのは、サン・ジェルマン学園中等部の制服姿のまま全身ずぶ濡れの状態の玉菜だった。玉菜はとても悔しそうな表情で俯いている。

「あのバカ姉…取り返しのつかない事を…」

 重大な事を悟ったみるくと瑞希は玉菜にタオルを差し出し、玄関から上がるように促す。そして、瑞希は玉菜を浴室へと案内する。玉菜のカバンをみるくが受け取り、みるくはリビングに戻って玉菜のカバンをタオルでふき取る。幸いにもフォンダンは無事のようだ。



白石甘音しろいしあまねさんは、大泉淳一郎おおいずみじゅんいちろう元内閣総理大臣の次男・大泉進次郎しんじろう氏と今年4月に結婚したばかりで…」



 テレビの報道がみるくの耳に入る。みるくも玉菜にアナウンサーの姉と、元総理大臣の息子の姉婿がいる事は知っている。恐らくは、この報道の件で家で何かあったに違いないだろう…



「ガチャッ…」



 リビングのドアが開き、瑞希がジャージ姿の玉菜を連れてきた。みるくの父の桂は突然の来訪者に驚くが、みるくが事情を話すとすんなりと受け入れる。ずぶ濡れだったのは、みるくの家に向かう途中、庭で花の水やりをしていたおばあさんが、誤ってホースの水を勢いよく玉菜にかけてしまったとの事だった。

「それで…蘭丸らんまる君は…」

「蘭ちゃんは、ゆっきーの家に避難したって…」

 玉菜の言葉に、桂はテレビのニュースを思い出す。

「それは…白石アナの事かい?」

 玉菜は黙って頷く。

「不倫のことだけなら、こうはならなかったんだけどね…」

 そう言いながら、玉菜は出されたチャーシュー丼を口にする。



「文夏砲が、私達家族も知らなかった事…暴露しちゃったのよ。」
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