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レインボーポット編
第31話「賢者様登場!勇者と一緒におしおきよ!!!」①
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「変態鎧をだますのはチョロいものさ…「海辺の街へ行く」って言ったら、ホントに行ってやんの…」
瀬戌市にある廃デパートの地下で、ビスコッティがコウモリ達の前でベイクを嘲笑う。
「クグロフの一番弟子ぶりながら、僕に膝まづくとか、気持ち悪いんだよ!あの女は部下を育てるのが上手かっただけ…つまり、あの鎧は一番弟子でもなんでもない下っ端さ…」
球状の水晶から映し出されるベイクの姿…彼は湘南の海の潮風で鎧が錆びついており、それを見たビスコッティは更に声を上げて大笑いする。
「ハーッハッハッハ!!!カオスイーツの後ろで立ってるだけの鎧なんて、錆びついている姿がお似合いさ!!!」
そう言いながらベイクが映る水晶から離れたビスコッティは、人間が1人入れるほどの大きさの黒い細長い八面体の水晶に閉じ込められている少女の姿に目を向ける。少女はこげ茶色のセミロングヘアーで、胸の辺りからお尻にかけてピンク色の光がバスタオルに巻かれたように覆われた状態で意識を失っている。彼女を閉じ込めている水晶は、天井、床をそれぞれ黒いロープで空中に固定され、明かりがなければ宙に浮いている様にしか見えない。
「こ、この人は…?」
「ピシャァッ!!!!!」
まるで稲妻のようにビスコッティの脳裏にふと浮かぶ記憶…ビスコッティはかつて、彼女と海辺の街を手を繋いで歩いていた。ビスコッティと歩いている時の彼女はとても笑顔で、家にあの男がいる時の暗い表情よりも、当時のビスコッティにとって、彼女の笑顔はとても誇らしかった。
その笑顔をずっと…守りたかった…
「姉さん…僕の大切な姉さん…」
黒い八面体の水晶の前でそう呟く彼の媒体こそ、千葉明日香の弟で、尚且つ千葉涼也の兄である千葉柊也そのものなのである。
「あん…まりだ…こんな…再会…なんて…」
千葉柊也としての記憶が甦ったと同時に湧き上がる、カオスへの怒り…ビスコッティは頬を涙で濡らしながらナイフを構える。
………
「………」
屋敷にあるウッドデッキから、瑞希は夜の海を見つめている。月明かりに照らされる夜の海…実は「ブラックビター」の幹部ティラミスとして生活していた頃、彼女は一度だけ廃デパートから遠くの海へ行ったことがある。あの時は冬だった…だが、媒体が幽霊だった関係上、あの時の彼女は寒いとは感じなかった。
「潮風が心地いいです…」
響き渡る波の音…今の瑞希には、平穏を感じる音色だ。瑞希は海と共に月明かりに照らされる烏帽子岩に視線を向けるや否や、ティラミスの頃に初めて海に来た時の事を思い出す。
8年前当時のティラミスはまだ幹部として認められておらず、当時仕えていた幹部ラクガンと共に京都を拠点に活動していた。
「戦況は劣勢…ラクガン、大至急茅ケ崎に来られたし…」
ティラミスはラクガンにアジトである古びた廃旅館を任せられ、クリスマスに彩られた京都の街でラクガンを見送った。彼とはそれが最期だった。マジパティによって浄化された…長年たくさんの幹部に仕えてきた彼女には、仕えていた幹部がマジパティに浄化され、彼女から離れていくのは慣れっこだ。
「せめて…手紙で知らせていただければよいものを…」
ラクガンの媒体に関しては、本人からも教えてもらっていないが、武器の扱い方を教える時以外はティラミスに対して横暴な態度ばかりだったため、彼女にとってラクガンは「正直言って、いなくなってかえって清々する」存在だった。
「京都での負のエネルギーは十分に溜まった。大至急茅ケ崎に来られたし…」
カオスが勇者クラフティと彼のマジパティに勝利した翌日、ティラミスはカオスから茅ケ崎へ呼び出されたのだった。そんな彼女は荒れ狂う波の中、烏帽子岩にしがみつく小学校高学年くらいの少年を見つけたのである。
「冬の海を泳ぐなど、無謀な事を…」
すかさず海へ入り、彼女は少年を救出したのである。体温は下がってはいたものの、辛うじて息はあった。あとは現地の人間に任せようと思った時…
「でかしたぞ…ティラミス…」
カオスの声がした刹那、黒いもやがティラミスの目の前で少年を飲み込んだのだ。
「感じる…父親への憎悪…最高だ…そのエネルギー…もっと我に捧げよ!!!!!」
ティラミスだった頃の彼女の目の前で、大笑いしながら少年を「ブラックビター」の幹部に作り替える黒いもやの声…思い出すだけでも身の毛がよだつ。
「そう言えば、あの少年…一悟にも涼也にも顔立ちが似てました…と、いうことは…」
その翌日に川崎市で出会ったビスコッティ…彼も、溺れていた少年と顔立ちが似ていた…それに、涼也の兄は8年前の海の事故で行方不明だ。瑞希の脳裏に一つの答えが繋がる。
瀬戌市にある廃デパートの地下で、ビスコッティがコウモリ達の前でベイクを嘲笑う。
「クグロフの一番弟子ぶりながら、僕に膝まづくとか、気持ち悪いんだよ!あの女は部下を育てるのが上手かっただけ…つまり、あの鎧は一番弟子でもなんでもない下っ端さ…」
球状の水晶から映し出されるベイクの姿…彼は湘南の海の潮風で鎧が錆びついており、それを見たビスコッティは更に声を上げて大笑いする。
「ハーッハッハッハ!!!カオスイーツの後ろで立ってるだけの鎧なんて、錆びついている姿がお似合いさ!!!」
そう言いながらベイクが映る水晶から離れたビスコッティは、人間が1人入れるほどの大きさの黒い細長い八面体の水晶に閉じ込められている少女の姿に目を向ける。少女はこげ茶色のセミロングヘアーで、胸の辺りからお尻にかけてピンク色の光がバスタオルに巻かれたように覆われた状態で意識を失っている。彼女を閉じ込めている水晶は、天井、床をそれぞれ黒いロープで空中に固定され、明かりがなければ宙に浮いている様にしか見えない。
「こ、この人は…?」
「ピシャァッ!!!!!」
まるで稲妻のようにビスコッティの脳裏にふと浮かぶ記憶…ビスコッティはかつて、彼女と海辺の街を手を繋いで歩いていた。ビスコッティと歩いている時の彼女はとても笑顔で、家にあの男がいる時の暗い表情よりも、当時のビスコッティにとって、彼女の笑顔はとても誇らしかった。
その笑顔をずっと…守りたかった…
「姉さん…僕の大切な姉さん…」
黒い八面体の水晶の前でそう呟く彼の媒体こそ、千葉明日香の弟で、尚且つ千葉涼也の兄である千葉柊也そのものなのである。
「あん…まりだ…こんな…再会…なんて…」
千葉柊也としての記憶が甦ったと同時に湧き上がる、カオスへの怒り…ビスコッティは頬を涙で濡らしながらナイフを構える。
………
「………」
屋敷にあるウッドデッキから、瑞希は夜の海を見つめている。月明かりに照らされる夜の海…実は「ブラックビター」の幹部ティラミスとして生活していた頃、彼女は一度だけ廃デパートから遠くの海へ行ったことがある。あの時は冬だった…だが、媒体が幽霊だった関係上、あの時の彼女は寒いとは感じなかった。
「潮風が心地いいです…」
響き渡る波の音…今の瑞希には、平穏を感じる音色だ。瑞希は海と共に月明かりに照らされる烏帽子岩に視線を向けるや否や、ティラミスの頃に初めて海に来た時の事を思い出す。
8年前当時のティラミスはまだ幹部として認められておらず、当時仕えていた幹部ラクガンと共に京都を拠点に活動していた。
「戦況は劣勢…ラクガン、大至急茅ケ崎に来られたし…」
ティラミスはラクガンにアジトである古びた廃旅館を任せられ、クリスマスに彩られた京都の街でラクガンを見送った。彼とはそれが最期だった。マジパティによって浄化された…長年たくさんの幹部に仕えてきた彼女には、仕えていた幹部がマジパティに浄化され、彼女から離れていくのは慣れっこだ。
「せめて…手紙で知らせていただければよいものを…」
ラクガンの媒体に関しては、本人からも教えてもらっていないが、武器の扱い方を教える時以外はティラミスに対して横暴な態度ばかりだったため、彼女にとってラクガンは「正直言って、いなくなってかえって清々する」存在だった。
「京都での負のエネルギーは十分に溜まった。大至急茅ケ崎に来られたし…」
カオスが勇者クラフティと彼のマジパティに勝利した翌日、ティラミスはカオスから茅ケ崎へ呼び出されたのだった。そんな彼女は荒れ狂う波の中、烏帽子岩にしがみつく小学校高学年くらいの少年を見つけたのである。
「冬の海を泳ぐなど、無謀な事を…」
すかさず海へ入り、彼女は少年を救出したのである。体温は下がってはいたものの、辛うじて息はあった。あとは現地の人間に任せようと思った時…
「でかしたぞ…ティラミス…」
カオスの声がした刹那、黒いもやがティラミスの目の前で少年を飲み込んだのだ。
「感じる…父親への憎悪…最高だ…そのエネルギー…もっと我に捧げよ!!!!!」
ティラミスだった頃の彼女の目の前で、大笑いしながら少年を「ブラックビター」の幹部に作り替える黒いもやの声…思い出すだけでも身の毛がよだつ。
「そう言えば、あの少年…一悟にも涼也にも顔立ちが似てました…と、いうことは…」
その翌日に川崎市で出会ったビスコッティ…彼も、溺れていた少年と顔立ちが似ていた…それに、涼也の兄は8年前の海の事故で行方不明だ。瑞希の脳裏に一つの答えが繋がる。
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