激甘革命!マジパティ(分割版)

夜ノ森あかり

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レインボーポット編

第35話「キケンな双子!?ピサンとゴレン、登場!!!」②

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 7月29日、瀬戌せいぬ市…ムッシュ・エクレールの退院の日がこの日に繰り上げられた。それを知ったのか否か、勇者達は一昨日より瀬戌市に戻り、カフェ「ルーヴル」は通常営業に戻っている。明日香とクラフティは、2人の収入が安定するまでの間、明日香の母である千葉紅子のアパートで暮らすことになり、そこからカフェへ通勤するようになった。その理由は…

「シンシア、そのアパートの住所って…」
「あたしの出向先の近くでさぁ…くるみの地区だからカフェから離れちゃうけど、場所は瀬戌市松本町まつもとちょうのアルピコ新島々しんしましま第2棟…」
「へぇ…「アルピコ新島々」…」
「「アルピコ新島々」って…親父が住んでるアパートじゃねぇかっ!!!親父、第1棟だけど…」
 賢者が斡旋あっせんしたアパートと隣接しているのが、明日香と涼也りょうやの父親が暮らしているアパートであったため、茅ケ崎にいるマジパティを知る者達全員一致で却下となったからだ。

「明日香を自分の所有物扱いしたクソの住んでるアパートの近所に、最大の被害者である明日香を住まわせるなんて言語道断っ!!!!!他の物件にしてっ!!!」

 特に同じ父親で、同じく娘がいる大勇者は猛反対で、賢者も物件を変えようとするが、物件がこれだけという事態。そのため、明日香とクラフティは母親が住んでいるアパートで暮らすことになったのである。このアパートは魔界のマジパティ達が暮らしているアパートでもあるため、2人には良物件だ。明日香と涼也の母も事情を聞いた上で了承し、明日香は8年ぶりに母親と暮らせることになったのだ。



「似合ってるぜ…あすちゃん。」
「ありがとう…こんな可愛い服が着られるなんて…」
 カフェの開店準備中、いとこにメイド服姿を褒められた明日香は瞳を潤ませながら微笑む。
「今日から、本格的に頼むわよ!初めての接客なんだから、困ったときはアタシや一悟いちごとラテがフォローするから。」
「お料理運ぶのはもう慣れっこです!大船に乗った気持ちでいてくださいっ!!!」
 ラテは人間の姿でふんと鼻息を放つ。明日香はカフェ「ルーヴル」で働き、クラフティは8月よりジュレが手配しておいた彩聖会瀬戌病院の清掃スタッフとして働くことになっている。

 戸籍上、明日香は24歳で、クラフティは30歳なのだが、カオスに囚われている間は体内の時間がすべて停止していたため、端からすれば10代後半の少女と20代前半の青年だ。つまり、カオスに囚われている間は冷凍睡眠と同じような状態で過ごしていたことになる。それはここなと友菓ともか、そして明日香の弟である柊也しゅうやも同じだ。柊也は未だに昏睡状態が続いているが、明日香が柊也の様子を見に来て以降は、一日も早く明日香に会いたいのか、医者も驚くほどの速さで回復している。

 今日のカフェは厨房にトルテ、ガレット、みるくの3人がおり、雪斗は弓道部の練習、玉菜たまなは合唱部のコンクールの練習、ボネは配達のバイト、クラフティは運転免許の短期教習のため、それぞれ不在だ。友菓は姉夫婦の子供の面倒を見ているため、来られず、ネロは一悟の母から教え方の腕を買われ、暫くの間一悟の母が働いているスポーツクラブのインストラクターにかりだされている。トロール、ここなに至っては…
「嬢ちゃんってば、可愛いモノには目がないっぺなぁー…(嬢ちゃんってば、可愛いモノには目がないわねぇー…)」
「賄い作りたくないからって、勇者ちゃんの部屋をあさるな…バカちんが…」
 シュトーレンの部屋をあさるトロールの頬を、ここながつねり上げる。どうやら住居スペースで賄いの冷やし中華を作っている最中のようだ。どちらもあまり料理が得意ではないが、共に料理の基礎知識はあるようで、全く料理ができないよりはマシな方である。
「うむ…みるくのレシピはわかりやすくて助かる。」
 ここなはそう言いながら溶き卵を焼いているフライパンを振り上げるが…

「おっとっとっと…」

 上手くキャッチできないようで、まるでホームランをキャッチしようとする外野手のような動きで、飛び上がった卵焼きをキャッチしようとフライパンを振り上げるが…

「ガンッ…」

「あじゃじゃじゃじゃ!!!!」
 フライパンの底がトロールの顔面に当たり、ここなが持っているフライパンには焼きあがった卵焼きがぽとりと落ちる。
「ふぅ…ボクにとって、薄焼き卵の難易度はVERY HARDだがな…」
「何やってんのよ…トロ子…」
 偶然なのか否か、玉菜が部活を終えたようで、パソコンのメンテナンスに行っていた瑞希みずきと一緒に住居スペースにやって来る。
「おう…そこの縞パン、手伝ってくれないか?」
「誰が縞パンだっ!!!!!」
 今のここなはトロールに覆いかぶさっている状態のため、ここなの視界には玉菜と瑞希のスカートの中が丸見えだ。状況を理解した瑞希が、咄嗟に慣れた手つきで鍋に湯を沸かし、生めんをゆで始め、冷やし中華作りが再開する。

「クッキングヒーターであっても、油断大敵です!!!」

 ここなとトロールにそう叱責しつつも、他の具材を用意する辺りは、流石と言えよう。賄いが出来上がった頃には、みるくと明日香がシュトーレンと共に住居スペースにやって来て、瑞希が仕上げた冷やし中華を食べる。明日香も一悟達のフォローのお陰で、無事に仕事をこなすことができたようだ。
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