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レインボーポット編
第37話「ひれ伏しなさい!お嬢様は魔法使いですのよ!!!」④
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その頃、ガレットはリビングにあかねを案内すると、コーヒーを差し出す。
「君の事は、雪斗のじーちゃんから聞いてる。君の祖先の中に…勇者モンブランのマジパティが全員いるって事が…」
「左様でございます。私の母・神戸摩耶の祖父母はクリームパフもとい白石螢次郎と、ソルベもとい氷見しぐれ…つまり、母方の曽祖父母です。」
氷見しぐれが脳梗塞で亡くなったのは、今から4年前…当時のガレットは、雪斗の祖父からの電話で当主の訃報を知り、首藤和真として葬儀に参列していた。そんな板前見習いだった彼が出会った女子中学生が、あかねだった。
「そして、私の父・姫路伯斗の祖母は千平若葉…彼女はミルフィーユでした。勇者モンブランのプディング・鞍馬竜二は、姫路伯斗の母方の祖父にあたります。どちらも、私から見れば父方の曽祖父母です。」
持ってきた父方の祖母・姫路美智子の古びた手帳を片手に、姫路家の家系図を示しながら、勇者モンブランのマジパティについて淡々と話すあかねに、大勇者ガレットはうんうんと納得するしかなかった。
「ところで、今回ここに来た理由は?」
「父方の曾祖母・千平若葉についてです。4年前に氷見しぐれの葬儀に参列して以来、彼女は姫路家を出てまして…」
「やっぱり、あの時の老婆は千平若葉だったのか…」
今でも記憶に鮮明に残る、氷見しぐれの棺の前で号泣していた老婆の姿…100万円台くらいは軽くいくような黒い喪服を着ていた彼女は、あかねの父に支えられながら棺を離れてもなお、ずっと泣いていた…
「あれから彼女は、生まれ故郷である旧・瀬戌町の事を懐かしんでおられました。恐らく4年前の葬儀で、この瀬戌の街で最期を迎えたいという気持ちが強まったのでしょう。」
「それで、今…千平若葉は…」
「瀬戌市内の有料老人ホームに…ですが、先日から容体が急変しまして…ひいおばあ様の嫁ぎ先が神戸でしたので、おじい様が「姫路家代表として見舞いに行きなさい」…と。それから、家系図からは抹消されましたが、千平若葉の娘・姫路一葉の子孫もこの地で暮らしていると聞きまして…」
勇者モンブランのマジパティ全員の血を引く者の言葉に、ガレットはぐっと息を呑みつつ、事態は一刻を争う状況である事を悟った。
大勇者が姫路グループ総帥の娘によって明かされた勇者モンブランのマジパティのその後は、以下の通りであった。
クリームパフもとい白石螢次郎は、勇者と精霊達と別れた後、幼馴染であるソルベもとい氷見しぐれと結婚し、氷見家に婿入りした。木苺ヶ丘…いや、瀬戌市では「オシドリ夫婦」としての代表格にあたり、幼少の神戸摩耶も祖母・しぐれからマジパティと勇者の話をいつも聞かされていたという。
ミルフィーユもとい千平若葉は、勇者と精霊達と別れた後、父親である千平重工の社長の命令で、姫路文麿氏と結婚。3人の子供を産んだが、第3子である長女・一葉とは折り合いが悪く、ケンカが絶えなかった。結局、一葉は姫路家を出て、1人のプロボクサーと駆け落ちし、そのまま音信不通となってしまった。
プディングもとい鞍馬竜二は、勇者と精霊達と別れた後、大学で知り合った二条ゆり子という女性と学生結婚し、彼女との間に5人の子供が生まれた。だが、ツアーバスの事故に巻き込まれ、妻、長男・潤二、四女・絵里子と共に帰らぬ人となってしまった。あかね曰く、享年33歳。残された3姉妹は決して仲がいいとはいえず、二条ゆり子の実家に育てられながら、長女・真由子は神奈川の不動産経営の子息、次女・美智子は姫路若葉の長男・伯王とそれぞれ結婚し、姉妹の間で連絡を取り合う事はなくなった。三女・佳代子はテレビドラマの影響で北海道に興味を持ち、奨学金を使って北海道大学に進学、そのまま北海道で結婚した。後に夫と共に道東地区でパン屋を開業したらしい。
姫路美智子の手帳によると、姉妹同士絶縁状態ではあっても、甥や姪の事は心配だったようで、嫁の摩耶が佳代子の長男と特撮ドラマで共演し、彼の本名が「米沢桂」だと知った時は、とても驚いたようだ。
「鞍馬佳代子の長男がみるくの父ちゃん…つまり、みるくのひいじいちゃんが鞍馬竜二だった…」
「ボネっち以外の歴代プディングに血縁があるって、驚きよねぇ…それにここなのお父さん、私のお父さんと同じ政党で、めちゃくちゃ仲が良いでしょ?んで、ここなのお父さんがここなのお兄ちゃんに子供が生まれた時、ウチのお父さんにこんな事を話したワケ。「私は祖父母というものを知らない…孫にどう接していいのか分からない…」…って。」
休憩中の大勇者の呟きに、玉菜が突然ここなの父親の話を始めた刹那、ここなが目を皿のように丸くした。
「父上、そんな事話してたのか!?」
「そうよー、元々は同じ慶応の先輩と後輩だったんだから。ここなも聞いた事あるわよね?ここなのひいおじいちゃんとひいおばあちゃんの事…」
「あぁ、祖父は父上が大学生の頃にイギリスで事件に巻き込まれ、祖母は父上が結婚してすぐにガンで亡くなったと聞いている。」
「それは父方の方の話ね。母方はお母さんが中学生の頃、ツアーバスの事故で…無事だったのは、そのお母さんと、後の姫路美智子、そして…幼な妻ちゃんのおばあちゃん。3人とも学校行事と部活でツアーバスに乗れなくって、難を逃れたんだって。」
玉菜の話にここなと大勇者だけでなく、妹を追って駆けつけてきた大勇者の息子アランも驚きを隠せない。
「もし、玉菜の話した事が事実なら…ボクもみるくと同じ、鞍馬竜二の子孫だという事なのか!?それも…みるくとは…」
同じプディングであるみるくとの意外なつながりを知ってしまったここなは、玉菜の説明に頭を抱えてしまった。
「知らなかったのも無理もないわ…残された姉妹、全員仲が悪かったんだから…それも、ツアーを勧めた、勧めてないって責任のなすり合い…ここなのお父さん、母方のいとこの存在すら知らなかったらしいわ。」
「今後、どうみるくと接していいのか…」
「幼な妻ちゃんだって、この事知らないんだし、いつもどおりに接していればいいって!!!」
玉菜はそう言いながら、ここなの背中を優しくたたく。
「そうだな…それに、今は姫路一葉の子孫の事と…」
「グラ子…絶対、とっちめる…」
玉菜がグラッセの名前を出したと同時に、玉菜と大勇者、アランの表情がスタンドをいつ発動してもおかしくないほどに険しくなった。
マリアが「もうグラッセと仲良くなんてできない」と罵ったのも無理はない…勇者親子は納得するしかなかった。グラッセはマジパティとしての力を上手く制御できず、ガレットが23年前に建てた一軒家を全壊しただけならず、ガレットの妻・セレーネの墓の一部を崩壊させた挙句…ブランシュ卿の教会の屋根の一部を吹き飛ばしてしまったのである。謝罪で済むような問題ではなかった。
「それで、今後グラ子はどうする?」
「マリーが「赦す」って言うまでは、マジパティとしての活動は禁止にする。勿論、ボネ達には連絡済だ。」
「それはやりすぎだよ…父さん…まぁ、俺もウサギの姿のまま封印の首輪つけた時点で、人の事言えないけどね。」
妹の話を聞いた姉からの連絡で、アランは教会の地下室に幽閉していたグラッセに封印の首輪をつけ、急いで家族のいる人間界へ駆けつけてきたのだった。シュトーレンとトルテが休憩に入る時の事だったため、周囲からめちゃくちゃ驚かれてしまったが。
「んで、お前…仕事はどうした?」
「8年前の父さんと同じ事をしてきた。今は「首藤嵐」として求職中。」
要するに、本日付で魔導騎士第3部隊を退職したのである。住所と人間界での名前に関しては、雪斗の祖父に理由を話した上で聞いたようだ。
「なら、繋ぎで仕事手伝え…」
そんなアランは求人情報誌をじっと見つめている。一方、マリアは姉からの厳しい指導の下でカフェを手伝っており、本人も姉と一緒にいられて嬉しいようだ。
「君の事は、雪斗のじーちゃんから聞いてる。君の祖先の中に…勇者モンブランのマジパティが全員いるって事が…」
「左様でございます。私の母・神戸摩耶の祖父母はクリームパフもとい白石螢次郎と、ソルベもとい氷見しぐれ…つまり、母方の曽祖父母です。」
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持ってきた父方の祖母・姫路美智子の古びた手帳を片手に、姫路家の家系図を示しながら、勇者モンブランのマジパティについて淡々と話すあかねに、大勇者ガレットはうんうんと納得するしかなかった。
「ところで、今回ここに来た理由は?」
「父方の曾祖母・千平若葉についてです。4年前に氷見しぐれの葬儀に参列して以来、彼女は姫路家を出てまして…」
「やっぱり、あの時の老婆は千平若葉だったのか…」
今でも記憶に鮮明に残る、氷見しぐれの棺の前で号泣していた老婆の姿…100万円台くらいは軽くいくような黒い喪服を着ていた彼女は、あかねの父に支えられながら棺を離れてもなお、ずっと泣いていた…
「あれから彼女は、生まれ故郷である旧・瀬戌町の事を懐かしんでおられました。恐らく4年前の葬儀で、この瀬戌の街で最期を迎えたいという気持ちが強まったのでしょう。」
「それで、今…千平若葉は…」
「瀬戌市内の有料老人ホームに…ですが、先日から容体が急変しまして…ひいおばあ様の嫁ぎ先が神戸でしたので、おじい様が「姫路家代表として見舞いに行きなさい」…と。それから、家系図からは抹消されましたが、千平若葉の娘・姫路一葉の子孫もこの地で暮らしていると聞きまして…」
勇者モンブランのマジパティ全員の血を引く者の言葉に、ガレットはぐっと息を呑みつつ、事態は一刻を争う状況である事を悟った。
大勇者が姫路グループ総帥の娘によって明かされた勇者モンブランのマジパティのその後は、以下の通りであった。
クリームパフもとい白石螢次郎は、勇者と精霊達と別れた後、幼馴染であるソルベもとい氷見しぐれと結婚し、氷見家に婿入りした。木苺ヶ丘…いや、瀬戌市では「オシドリ夫婦」としての代表格にあたり、幼少の神戸摩耶も祖母・しぐれからマジパティと勇者の話をいつも聞かされていたという。
ミルフィーユもとい千平若葉は、勇者と精霊達と別れた後、父親である千平重工の社長の命令で、姫路文麿氏と結婚。3人の子供を産んだが、第3子である長女・一葉とは折り合いが悪く、ケンカが絶えなかった。結局、一葉は姫路家を出て、1人のプロボクサーと駆け落ちし、そのまま音信不通となってしまった。
プディングもとい鞍馬竜二は、勇者と精霊達と別れた後、大学で知り合った二条ゆり子という女性と学生結婚し、彼女との間に5人の子供が生まれた。だが、ツアーバスの事故に巻き込まれ、妻、長男・潤二、四女・絵里子と共に帰らぬ人となってしまった。あかね曰く、享年33歳。残された3姉妹は決して仲がいいとはいえず、二条ゆり子の実家に育てられながら、長女・真由子は神奈川の不動産経営の子息、次女・美智子は姫路若葉の長男・伯王とそれぞれ結婚し、姉妹の間で連絡を取り合う事はなくなった。三女・佳代子はテレビドラマの影響で北海道に興味を持ち、奨学金を使って北海道大学に進学、そのまま北海道で結婚した。後に夫と共に道東地区でパン屋を開業したらしい。
姫路美智子の手帳によると、姉妹同士絶縁状態ではあっても、甥や姪の事は心配だったようで、嫁の摩耶が佳代子の長男と特撮ドラマで共演し、彼の本名が「米沢桂」だと知った時は、とても驚いたようだ。
「鞍馬佳代子の長男がみるくの父ちゃん…つまり、みるくのひいじいちゃんが鞍馬竜二だった…」
「ボネっち以外の歴代プディングに血縁があるって、驚きよねぇ…それにここなのお父さん、私のお父さんと同じ政党で、めちゃくちゃ仲が良いでしょ?んで、ここなのお父さんがここなのお兄ちゃんに子供が生まれた時、ウチのお父さんにこんな事を話したワケ。「私は祖父母というものを知らない…孫にどう接していいのか分からない…」…って。」
休憩中の大勇者の呟きに、玉菜が突然ここなの父親の話を始めた刹那、ここなが目を皿のように丸くした。
「父上、そんな事話してたのか!?」
「そうよー、元々は同じ慶応の先輩と後輩だったんだから。ここなも聞いた事あるわよね?ここなのひいおじいちゃんとひいおばあちゃんの事…」
「あぁ、祖父は父上が大学生の頃にイギリスで事件に巻き込まれ、祖母は父上が結婚してすぐにガンで亡くなったと聞いている。」
「それは父方の方の話ね。母方はお母さんが中学生の頃、ツアーバスの事故で…無事だったのは、そのお母さんと、後の姫路美智子、そして…幼な妻ちゃんのおばあちゃん。3人とも学校行事と部活でツアーバスに乗れなくって、難を逃れたんだって。」
玉菜の話にここなと大勇者だけでなく、妹を追って駆けつけてきた大勇者の息子アランも驚きを隠せない。
「もし、玉菜の話した事が事実なら…ボクもみるくと同じ、鞍馬竜二の子孫だという事なのか!?それも…みるくとは…」
同じプディングであるみるくとの意外なつながりを知ってしまったここなは、玉菜の説明に頭を抱えてしまった。
「知らなかったのも無理もないわ…残された姉妹、全員仲が悪かったんだから…それも、ツアーを勧めた、勧めてないって責任のなすり合い…ここなのお父さん、母方のいとこの存在すら知らなかったらしいわ。」
「今後、どうみるくと接していいのか…」
「幼な妻ちゃんだって、この事知らないんだし、いつもどおりに接していればいいって!!!」
玉菜はそう言いながら、ここなの背中を優しくたたく。
「そうだな…それに、今は姫路一葉の子孫の事と…」
「グラ子…絶対、とっちめる…」
玉菜がグラッセの名前を出したと同時に、玉菜と大勇者、アランの表情がスタンドをいつ発動してもおかしくないほどに険しくなった。
マリアが「もうグラッセと仲良くなんてできない」と罵ったのも無理はない…勇者親子は納得するしかなかった。グラッセはマジパティとしての力を上手く制御できず、ガレットが23年前に建てた一軒家を全壊しただけならず、ガレットの妻・セレーネの墓の一部を崩壊させた挙句…ブランシュ卿の教会の屋根の一部を吹き飛ばしてしまったのである。謝罪で済むような問題ではなかった。
「それで、今後グラ子はどうする?」
「マリーが「赦す」って言うまでは、マジパティとしての活動は禁止にする。勿論、ボネ達には連絡済だ。」
「それはやりすぎだよ…父さん…まぁ、俺もウサギの姿のまま封印の首輪つけた時点で、人の事言えないけどね。」
妹の話を聞いた姉からの連絡で、アランは教会の地下室に幽閉していたグラッセに封印の首輪をつけ、急いで家族のいる人間界へ駆けつけてきたのだった。シュトーレンとトルテが休憩に入る時の事だったため、周囲からめちゃくちゃ驚かれてしまったが。
「んで、お前…仕事はどうした?」
「8年前の父さんと同じ事をしてきた。今は「首藤嵐」として求職中。」
要するに、本日付で魔導騎士第3部隊を退職したのである。住所と人間界での名前に関しては、雪斗の祖父に理由を話した上で聞いたようだ。
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