激甘革命!マジパティ(分割版)

夜ノ森あかり

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激甘革命編

第45話「ワガママ王女登場!勇者親子、破綻の危機…」②

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「カランカラン…」

「いらっしゃいませー!!!」
 ほぼ同時刻、カフェのドアが開き、そこから20代前半の男性と、10代後半の少年、小学校高学年ほどの少年が1人ずつ入ってきた。小学生程の少年は、応対しようとしたマリアの姿を見るや否や…
「あーっ!!首藤しゅとうのおじさんと同じ綺麗な赤い髪だーっ!」
「えっ…?」
 客として来た小学生に自分の髪の色を言われたマリアは思わず硬直するが…
「コラ、あらしっ!!!すみません…弟が…」
 20代前半の男性が、小学生の少年を窘めた。男性に窘められた少年は、咄嗟に10代後半の少年の後ろに隠れてしまう。
「自分は黒石くろいし楽器の大久保隆おおくぼたかしと言いますが、首藤和真かずまさんはいらっしゃいますでしょうか?」
「父は今、厨房にいますので、呼んできますね?明日香あすか、お客様3名!案内して!」

 すぐ近くにいた明日香にバトンタッチしたマリアは、急いで厨房へと入る。そこにはチョコケーキにトッピングを施す義兄のトルテと、カレー皿にご飯を盛り付けている父親のガレットがいる。
「パパちゃま!」
「マリー、仕事中はその呼び方やめろって言ってるだろ!!!」
「ごめんなさーい…それでね、黒石楽器の大久保隆って人が男の子を2人連れて来てるんだけど?」
「黒石楽器…大久保…」
 次女の言葉に、ガレットのカレーに乗せるためのトンカツを盛りつけようとする手が止まった。
「マリー、このカツカレーを盛り付けたら僧侶ちゃんの所に運んどいて!!!」
 次女にそう言うと、ガレットは大慌てで厨房をあとにしたのだった。
「おやっさん、何があったんスか?」
「知らない…」

 厨房を出たガレットは、明日香に案内された3人組の所にやってきた。
「首藤のおじちゃん、久しぶりーっ!!!」
「お前ら、元気してたかぁ?」
「お陰様で…本当は茂宮もみやさんも一緒に来る予定でしたが、急な仕事で来られなくなりまして…」

 実を言うとカフェにやって来た大久保隆、大久保嵐、友部健太ともべけんたの3人は、ガレットが温泉巡りをしながら瀬戌市方面に向かう様に南下している途中の茨城県で知り合った者達で、特に大久保兄弟の次男・嵐には非常に懐かれてしまったのである。

「ところで、親父さんの方はどうなった?」
「はい…8月の初公判で香苗かなえの件が認められまして、「犯行は短絡的ではあるが、被害者にも落ち度がある」…と。首藤さんが変電所前の丁字路で転倒した件については、「事件とは関係のない単独事故」として処理されましたけど。」
 ガレットの質問に、隆は落ち着いた口調で話す。大久保兄弟の父・大久保たけし茨城いばらき県警の巡査部長であったが、ガレットが巻き込まれた事件の件で逮捕され、現在は水戸みと市にある水戸拘置支所に収監されている。



 ………



「つまり、4月に茨城で起きた事件に、大勇者様が関わっていたってことか!」
 自宅のマンションに戻ってくるや否や、僧侶はそう言いながらリビングの椅子に腰かける。
「4月に茨城で発生した事件といえば、日立ひたち市で高校生が襲われた事件が大きく取り上げられてましたね?警察の方が逮捕されたあとは特に…」
「あぁ、それに被害者へのバッシングもな!私のシャベッターのタイムラインにイヤという程流れて来たから、忘れはしない…カオスイーツが現れたって話も出ていたからな。」
 アンドロイドの話に、僧侶はため息をつきながらそう話す。
「あらあら…アンヌはん、そんなにカルマンを責めたらアカンよ?」
「別に責めてなどいない…」

「そうなん?あぁ…そういえば、アンヌはんもせかんどはんもいない時間に、マンションの入り口に高校生の女の子が来ていたんよ。ミルクティーのような金髪をツインテールにした、どこかの学校の制服を着た女の子…」

 大賢者の言葉に、僧侶だけならず、アンドロイドも「ぎくり」と背筋が動く。僧侶一家が暮らすマンションはオートロック式で、住人はカードキーで入る事ができる。しかし、訪問者は入口のインターホンを使用し、オートロックを解除してもらってから入れる仕様となっている。
「大賢者様、つかぬ事をお聞きしますが、その女子高生はこの制服姿でありませんでしたか?」
 アンドロイドはそう言いながら、埼玉県の高校の資料集のカラーページを大賢者に向ける。
「そうそう…この聖エトワール学院大学付属高校の制服やったわ。」
「それで…名は名乗ったのか?」
「名前は「知ってて当然やろ」って態度やったから、名乗らへんかったなぁ…それに、彼女からアンヌはんに伝言預かってるんよ…」

「「キョーコ、やっとあなたの居場所を突き止めたわ!明日を楽しみにする事ね!!!」…って。」

 母の口から聞かされた伝言に、僧侶の顔は思いっきり青ざめる。
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