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激甘革命編
第45話「ワガママ王女登場!勇者親子、破綻の危機…」⑥
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一方、アンニンのいるマンションでは、暗い部屋の一室で、女の僧侶は1人…機能停止したままのアンドロイドを見つめている。
「すまない…キョーコせかんど…」
ベッドを背もたれにしつつ、赤く泣きはらした目の僧侶…彼女はあの後、仮処分として1週間の自宅謹慎となり、さらにヴィルマンド王国産のアンドロイドの使用停止を告げられ、正式な処分が決まるまでの間、キョーコせかんどが動くことはない。
「コンコン…」
「入ってもえぇやろか?」
扉をノックする音が響き、開いたドアからブランシュ卿夫人が顔を出す。
「構わん…」
娘の返事を聞いた夫人は、彼女の隣にそっと座る。
「昔と変わってへんなぁ…大切な人を守るために、相手に対して怒る事…セーラはんが町の男の子たちに暴力を振るわれた時も、そうやって怒っておったなぁ…」
「でも…私は、それが原因でキョーコせかんどを…」
「せかんどはん、アンヌはんの事…怒ってへんと思うけどなぁ…?」
「えっ…?」
母からの言葉に、僧侶は狐につままれたような顔をする。
「それに、アンヌはんは大切な人を守りたかったから、王女様を叩いたんやろ?アンヌはんがそうでもせなあかんと思っとったんなら、それでえぇ!王女様は世間知らずすぎただけ!マリアはんは、お弁当を作ってくれたセーラはんのために、王女様に対して怒っただけ!ウチはそれでえぇと思うよ?」
そう言いながら、大賢者は24歳の娘を優しく抱きしめる。
「今は、アンヌはんにとっては辛いかもしれんけどなぁ…せかんどはんは、ちゃんとアンヌはんの所に戻ってくる…そういう予感がするんよ。」
母の言葉に、僧侶はゆっくりと両目を閉じる。
「安心せぇ…ウチがアンヌはんの世話も、上申書を書く手伝いもしたるから…」
「ピーンポーン…」
玄関のチャイムが鳴り響く。一家の大黒柱であるガレットが扉を開けると、そこにはミルクティーのような髪色をしたストレートロングで、執事服姿の青年が立っていた。
「夜分遅くに失礼いたします。私はALFORD.MystarAndroid9-20…昼間は私の元主がご息女にご迷惑をお掛け致しまして、申し訳ございません!!!」
突然訪問して来た執事服姿のアンドロイドは、大勇者の前でいきなり土下座をして謝罪する。その様子に、大勇者は戸惑いを隠せない。
「い…いや…迷惑なのは、王女を殴った…」
「アレは王女ではございません!世間知らずな王家の出がらしです。ご息女に殴られて、残念でもないし、当然でございます。ちなみに、当のワガママ女は兄である国王からお説教中です。」
アルフォードと名乗るアンドロイドは、綾音に対する暴言を吐きつつ、彼女の現状を簡潔に伝える。綾音はヴィルマンド国王である長兄・シオンから、オンラインではあるが説教を受けているため、アルフォードが単身で訪問したようだ。
「それで、アンドロイドがどうしてウチに?」
「王家の面汚しがご家族に暴言を吐いたという事実確認をしたいのですが、まりあさんは御在宅でしょうか?」
アンドロイドの問いかけに、大勇者はふいに言葉を詰まらせた。「勝手にマリアのお弁当を食べた」という事は聞いていたが、「家族に対して暴言を吐いた」という事は聞いていない。
「国王の汚点が、まりあさんのスマホに入っていたご家族の写真を見て「臭そう」とか「ストーカーしてそう」と罵ったと申してまして…私も、それ聞いた時にゲンコツを1本落としました。」
アルフォードからの発言に、一切のでっち上げが見えない。それを悟った大勇者は、王女に対する憤りを募らせつつ、階段の方へ足を運ぼうとするが…
「ダダダダダダ…」
突然勢いよく階段を下りる音が響き、アランが血相を変えた状態で父親の前にやって来た。
「父さん!マリーが…マリアがいなくなった!!!!!」
アランの左手には、マリアが書いたと思われる書置きが握りしめられている。
「こんな問題児、この家にいなくていいよね?」
「バカやろう…」
そう言いながら、ガレットは息子から受け取った書置きを握りつぶしてしまった。
「あの世間知らずは、「家庭崩壊」というとんでもない事をしてくれたようですね。ご不在ならば、日を改めて出直します。それでは…」
呆れた表情で王女の失態の影響を痛感したアルフォードは、大勇者とアランの前で最敬礼をすると、そのまま首藤家をあとにしたのだった。
突然の末っ子の家出に、勇者一家は大騒ぎに発展し、すぐさま家族全員玄関に召集された。
「セーラ、俺はアランとトルテと手分けして捜しに行くから、お前は家に残って一悟達に問い合わせるんだ!まだ遠くへは行ってないはずだから!!!」
「は、はい…でも、気を付けてよ?いつ、あのゴリラが来るかわからないんだから…」
女勇者がそう言う間に、ガレット達は玄関を飛び出した。女勇者は男手全員見送った後、玄関を閉め、一悟達にグループLIGNEでマリアがいなくなった事を告げ、ある人物に連絡を入れた。
「マリアが家出をした?一体どうして…」
電話の相手は、ブランシュ卿である。女勇者は事の起こりを説明するが、自分の娘も王女に手を上げた事は既に聞かされていたようだ。
「もとはと言えば、勝手にマリアの弁当食べた上に、お前やカルマンに対する暴言を吐いたお姫様が悪いんだろ?確かに手を上げた事はよくないが…でも、マリアが家出したのは、その事を叱られたからじゃなくて、カルマンが目の前でお前にばっかり気を遣うものだから、それが面白くないんじゃないかなぁ…」
「えっ…?」
ブランシュ卿からの言葉に、シュトーレンは驚いたような顔をする。
「よくあるだろ?上の子が得とか、下の子が得…とか。特にあの子にとっては…アランは、仕方ないって割り切っていたみたいだけどな?マリアの方は、「お姉ちゃんの事ばかりで私の事見てくれない」って、カルマンがニコラスの調査を終えて戻って来たのに、すぐお前を捜しに人間界に戻って…そのあと、ずっと愚痴をこぼしてたんだぞ?」
「そうだったのね…親父は平等に接しているつもりでも…」
しかし、ブランシュ卿は現在、彩聖会瀬戌病院の一室で入院患者のカルテを書いている。そんな彼がのんびり通話しているワケにはいかない。
「先生!陣痛室で待機している羽鳥さんが破水しましたっ!!!」
「今すぐ分娩室へ!!!私もすぐ行く!とにかく…お前は、マリアがいずれ戻ってくると信じて待ってなさい。アンヌの事は、ジュリアに任せてあるから…」
陣痛でうめき声を上げる女性の声と共に、通話が終わる。ブランシュ卿に預けていた時の妹の事を知ったシュトーレンは、まるで力が抜けたかのように、テーブルの上にもたれかかった。
「すまない…キョーコせかんど…」
ベッドを背もたれにしつつ、赤く泣きはらした目の僧侶…彼女はあの後、仮処分として1週間の自宅謹慎となり、さらにヴィルマンド王国産のアンドロイドの使用停止を告げられ、正式な処分が決まるまでの間、キョーコせかんどが動くことはない。
「コンコン…」
「入ってもえぇやろか?」
扉をノックする音が響き、開いたドアからブランシュ卿夫人が顔を出す。
「構わん…」
娘の返事を聞いた夫人は、彼女の隣にそっと座る。
「昔と変わってへんなぁ…大切な人を守るために、相手に対して怒る事…セーラはんが町の男の子たちに暴力を振るわれた時も、そうやって怒っておったなぁ…」
「でも…私は、それが原因でキョーコせかんどを…」
「せかんどはん、アンヌはんの事…怒ってへんと思うけどなぁ…?」
「えっ…?」
母からの言葉に、僧侶は狐につままれたような顔をする。
「それに、アンヌはんは大切な人を守りたかったから、王女様を叩いたんやろ?アンヌはんがそうでもせなあかんと思っとったんなら、それでえぇ!王女様は世間知らずすぎただけ!マリアはんは、お弁当を作ってくれたセーラはんのために、王女様に対して怒っただけ!ウチはそれでえぇと思うよ?」
そう言いながら、大賢者は24歳の娘を優しく抱きしめる。
「今は、アンヌはんにとっては辛いかもしれんけどなぁ…せかんどはんは、ちゃんとアンヌはんの所に戻ってくる…そういう予感がするんよ。」
母の言葉に、僧侶はゆっくりと両目を閉じる。
「安心せぇ…ウチがアンヌはんの世話も、上申書を書く手伝いもしたるから…」
「ピーンポーン…」
玄関のチャイムが鳴り響く。一家の大黒柱であるガレットが扉を開けると、そこにはミルクティーのような髪色をしたストレートロングで、執事服姿の青年が立っていた。
「夜分遅くに失礼いたします。私はALFORD.MystarAndroid9-20…昼間は私の元主がご息女にご迷惑をお掛け致しまして、申し訳ございません!!!」
突然訪問して来た執事服姿のアンドロイドは、大勇者の前でいきなり土下座をして謝罪する。その様子に、大勇者は戸惑いを隠せない。
「い…いや…迷惑なのは、王女を殴った…」
「アレは王女ではございません!世間知らずな王家の出がらしです。ご息女に殴られて、残念でもないし、当然でございます。ちなみに、当のワガママ女は兄である国王からお説教中です。」
アルフォードと名乗るアンドロイドは、綾音に対する暴言を吐きつつ、彼女の現状を簡潔に伝える。綾音はヴィルマンド国王である長兄・シオンから、オンラインではあるが説教を受けているため、アルフォードが単身で訪問したようだ。
「それで、アンドロイドがどうしてウチに?」
「王家の面汚しがご家族に暴言を吐いたという事実確認をしたいのですが、まりあさんは御在宅でしょうか?」
アンドロイドの問いかけに、大勇者はふいに言葉を詰まらせた。「勝手にマリアのお弁当を食べた」という事は聞いていたが、「家族に対して暴言を吐いた」という事は聞いていない。
「国王の汚点が、まりあさんのスマホに入っていたご家族の写真を見て「臭そう」とか「ストーカーしてそう」と罵ったと申してまして…私も、それ聞いた時にゲンコツを1本落としました。」
アルフォードからの発言に、一切のでっち上げが見えない。それを悟った大勇者は、王女に対する憤りを募らせつつ、階段の方へ足を運ぼうとするが…
「ダダダダダダ…」
突然勢いよく階段を下りる音が響き、アランが血相を変えた状態で父親の前にやって来た。
「父さん!マリーが…マリアがいなくなった!!!!!」
アランの左手には、マリアが書いたと思われる書置きが握りしめられている。
「こんな問題児、この家にいなくていいよね?」
「バカやろう…」
そう言いながら、ガレットは息子から受け取った書置きを握りつぶしてしまった。
「あの世間知らずは、「家庭崩壊」というとんでもない事をしてくれたようですね。ご不在ならば、日を改めて出直します。それでは…」
呆れた表情で王女の失態の影響を痛感したアルフォードは、大勇者とアランの前で最敬礼をすると、そのまま首藤家をあとにしたのだった。
突然の末っ子の家出に、勇者一家は大騒ぎに発展し、すぐさま家族全員玄関に召集された。
「セーラ、俺はアランとトルテと手分けして捜しに行くから、お前は家に残って一悟達に問い合わせるんだ!まだ遠くへは行ってないはずだから!!!」
「は、はい…でも、気を付けてよ?いつ、あのゴリラが来るかわからないんだから…」
女勇者がそう言う間に、ガレット達は玄関を飛び出した。女勇者は男手全員見送った後、玄関を閉め、一悟達にグループLIGNEでマリアがいなくなった事を告げ、ある人物に連絡を入れた。
「マリアが家出をした?一体どうして…」
電話の相手は、ブランシュ卿である。女勇者は事の起こりを説明するが、自分の娘も王女に手を上げた事は既に聞かされていたようだ。
「もとはと言えば、勝手にマリアの弁当食べた上に、お前やカルマンに対する暴言を吐いたお姫様が悪いんだろ?確かに手を上げた事はよくないが…でも、マリアが家出したのは、その事を叱られたからじゃなくて、カルマンが目の前でお前にばっかり気を遣うものだから、それが面白くないんじゃないかなぁ…」
「えっ…?」
ブランシュ卿からの言葉に、シュトーレンは驚いたような顔をする。
「よくあるだろ?上の子が得とか、下の子が得…とか。特にあの子にとっては…アランは、仕方ないって割り切っていたみたいだけどな?マリアの方は、「お姉ちゃんの事ばかりで私の事見てくれない」って、カルマンがニコラスの調査を終えて戻って来たのに、すぐお前を捜しに人間界に戻って…そのあと、ずっと愚痴をこぼしてたんだぞ?」
「そうだったのね…親父は平等に接しているつもりでも…」
しかし、ブランシュ卿は現在、彩聖会瀬戌病院の一室で入院患者のカルテを書いている。そんな彼がのんびり通話しているワケにはいかない。
「先生!陣痛室で待機している羽鳥さんが破水しましたっ!!!」
「今すぐ分娩室へ!!!私もすぐ行く!とにかく…お前は、マリアがいずれ戻ってくると信じて待ってなさい。アンヌの事は、ジュリアに任せてあるから…」
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