激甘革命!マジパティ(分割版)

夜ノ森あかり

文字の大きさ
206 / 248
激甘革命編

第45話「ワガママ王女登場!勇者親子、破綻の危機…」⑤

しおりを挟む
 生徒指導室には高等部の校長、生徒指導教員、担任の石狩先生、聖エトワール学院大学附属高校の教師が1人と、シュトーレンにマリア…そして、マリアが殴ったとされる相手は…
「妹さんは、大変な事をされました…交換留学始まって以来の事です…」

 まるでマリアに対して「この私に暴力を振った相手は、厳罰で当然」と言わんばかりの態度をとる少女…綾音・アズマリア・ヴィルマンドだ。

「私は首藤さんにお弁当箱を返却しただけです。なのに、彼女は突然殴り掛かったのです。」
 マリアの方は言いたい事があったようだが、殆ど綾音の主張が受け入れられたも同然で、マリアは仮処分として1週間の停学となってしまった。

「ガチャッ…」

 生徒指導室の扉が開き、そこから勇者姉妹が出て来る。その姿を野次馬の最前列で、みるく、トロール、友菓の3人は落胆の表情を浮かべるが…
「マリー…何も話そうとしないのよ…ずっと黙ったままで…」
 そんなマリアの表情は、どことなく悔し気だ。その表情を見るや否や、僧侶は昼休みのマリアの言葉を思い出し、怒りで拳を震わせる。

「ガチャッ…」

 勇者姉妹が生徒指導室をあとにして5分後、今度は綾音が生徒指導室から出てきた。

「所詮は庶民の味ね!ああいう悪趣味な味付け、好んで食べる人の気が知れないわ…それに、こっちが「友達になってやる」って言ってるのに、家族の事を「ストーカーしてそう」って言ったらすぐ怒って…」

 綾音の口から放たれた言葉を聞いた刹那、僧侶は咄嗟に綾音に飛び掛かり…

「バシッ!!!!!」

 生徒指導室の前が、一瞬にして騒然となった瞬間だった。綾音が吹き飛ばされるほどの平手打ちを放った僧侶の怒りのボルテージは最高潮に達している。
「キョー…コ…」

「私に言った「楽しみにしていろ」…とは、私の妹分を退学処分にまで陥れるという事か?マリアから勝手に弁当を取り上げた分際で、マリアに対してのその言い草…王女として、恥ずかしくないのかっ!!!!!この大バカもんっ!!!」

「せ、先生が「聖奈せいな」さんの事以外で…ここまで怒るなんて…」
 昼休みの事は高等部に向かいながら僧侶から聞いていたみるくとトロールだが、僧侶の壮絶な形相に、2人は手を出すこともできなかった。
「た、確かに…あのごじゃっぺ女、叩かれて当然かもしれねっぺ…でも…」
 まるで凍り付いたように張り詰めた廊下…僧侶はそのまま綾音の胸倉を掴み…

「国際問題になろうが、知った事ではない…その腐った性根、私が叩きなおしてやるっ!!!!!」

 高等部の教師達に止められるまで、怒り狂った僧侶の平手打ちは止まらなかった。血の気が引くように青ざめるみるくとトロールの間で、友菓は呟く…

『マリーも…僧侶様も…怒るのは仕方ないと思う…大切な人をバカにしたら、あたしだって…黙っていられないから…』



 ………



「大体の事はセーラ達から聞いたけど…マリー、どうして王女に手を出したんだ?」
 夕飯を終え、片づけをトルテに任せたシュトーレンは、2人で父親に向かい合うように、妹の隣に座る。
「食べようとしたお弁当…勝手に取り上げた癖に、「美味しくない」…って。」
「それを…王女が言ったの?」
「「ちょうだい」って言うなら、分けてあげたし、「ありがとう」って言うなら、許せたのに…」

「友菓もその様子を見ていたから、そうかもしれねぇけど…人の味覚や味付けは人それぞれ…だけどな、マリー…味付けを侮辱されたからって、他人に手を出すなんて…スイーツ界の勇者としてあるまじき行為だ!!!!!」

 父親の言葉に、マリアは愕然とする。
「とにかく…正式な処分が決まるまで、お前の剣は俺が預かる!それに、お前のせいでアンヌちゃんは自宅謹慎になったんだからな?」
 大勇者が僧侶が謹慎になった事を告げた途端、今度は姉であるシュトーレンも愕然とする。
「あ、アンヌが謹慎!?どうして?」
「詳しい事はエクレール達に聞かねぇとわかんねぇよ…お前がマリーと一緒に指導室を出たあと、王女に罵声浴びせた上に往復ビンタかましたらしい。」
「そんな…それに、ヴィルマンド王国の王女なんでしょ?キョーコせかんどは…」
「最悪の場合、せかんどちゃんは処分の対象だろう…今はせかんどちゃんと通信すらできねぇ…」
 その言葉に、シュトーレンは血の気が引いたかのようにソファに倒れそうになる。
「それに、セーラ…今日、病院に行ったのか?昨夜は「食欲ない」って言って、早めに食事を終えただろ?」
「忘れてた…」
「お前の体調不良で一悟達に影響出てんだから、どうするかハッキリさせとけよ?明日も食堂の仕事休んで、カフェ手伝ってやるから…」
 一悟達のブレイブスプーンが石化した理由は、どうやらシュトーレンが影響しているようだ。体調が思わしくない長女を気遣う父親の姿に、次女の表情は段々と険しくなる…
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】

山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。 失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。 そんな彼が交通事故にあった。 ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。 「どうしたものかな」 入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。 今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。 たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。 そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。 『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』 である。 50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。 ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。 俺もそちら側の人間だった。 年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。 「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」 これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。 注意事項 50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。 あらかじめご了承の上読み進めてください。 注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。 注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。

​『イージス艦長、インパール最前線へ。――牟田口廉也に転生した俺は、地獄の餓死作戦を「鉄壁の兵站要塞」に変える』

月神世一
SF
​【あらすじ】 ​「補給がなければ、戦場に立つ資格すらない」 ​ 坂上真一(さかがみ しんいち)、50歳。  かつてイージス艦長として鉄壁の防空網を指揮し、現在は海上自衛隊で次世代艦の兵站システムを設計する男。  背中には若き日の過ちである「仁王」の刺青を隠し持ち、北辰一刀流の達人でもある彼は、ある日、勤務中に仮眠をとる。 ​ 目が覚めると、そこは湿気と熱気に満ちた1944年のビルマだった。  鏡に映っていたのは、小太りで口髭の男――歴史の教科書で見た、あの「牟田口廉也」。 ​ しかも時期は、日本陸軍史上最悪の汚点とされる「インパール作戦」決行の直前。  部下たちは「必勝の精神論」を叫び、無謀な突撃を今か今かと待っている。 ​ (……ふざけるな。俺に、部下を餓死させろと言うのか?) ​ 現代の知識と、冷徹な計算、そして海自仕込みのロジスティクス能力。  すべてを駆使して、坂上(中身)は歴史への介入を開始する。  精神論を振りかざすふりをして上層部を欺き、現地改修で兵器を強化し、密かに撤退路を整備する。 ​ これは、「史上最も無能な指揮官」の皮を被った「現代の有能な指揮官」が、確定した敗北の運命をねじ伏せ、数万の命を救うために戦う、逆転の戦記ドラマ。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。 スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。 だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。 それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。 色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。 しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。 ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。 一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。 土曜日以外は毎日投稿してます。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

処理中です...