激甘革命!マジパティ(分割版)

夜ノ森あかり

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激甘革命編

第49話「万事休す…混沌皇帝(カイザーカオス)、降臨!」⑤

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 一足先にカオスのいる廃デパート跡に到着したのは、雪斗と魔界のマジパティ達で、5人は手分けしてカオスジャンクを蹴散らし、一晩で築かれた混沌の要塞の中へ入ろうとする。



 到着の時点で5分は遙かに超え、普段なら時間制限で変身解除されている魔界のマジパティ達だが、大勇者ガレットが自身のレインボーポットを手にした事で、時間の制約がなくなり、魔界やスイーツ界にいる時と同じように戦える事を、グラッセ達は感じ取った。



 しかし、要塞前のカオスジャンク達の数が多く、とても5人ではキリがない。そんな矢先、ミルフィーユグレイブでカオスジャンクを斬りつけていたグラッセが、カオスジャンクに跳ね飛ばされる。

「グラッセ!!!」

「ぎゃんっ!」

 魔界のミルフィーユは、まるで野球ボールのようにカオスジャンクによって廃デパートの外へ飛ばされてしまった。



「プディング・アムール・リアン!!!!!」



 アスファルト上に墜落しかけそうになる所で、みるくの声が響き、グラッセの身体は黄色い光のチェーンが巻かれた。

「相変わらずのドジね…グラ子!」

 玉菜の呆れた声と共に、グラッセは無傷で着地し、呆れた表情の一悟、みるく、明日香、玉菜、ここな、そして4人の精霊達と合流する。

「お説教は後です!!!戦いの場へ行きますよ!!!」



 廃デパート跡に建てられた要塞は入口にカオスジャンクがひしめき、簡単に入れぬようになっている。数の多さに苦戦を強いられる雪斗達の所へ一悟達が加わり、ミルフィーユはミルフィーユ同士、プディングはプディング同士、ソルベはソルベ同士、クリームパフはクリームパフ同士で4つのグループに分かれ、カオスジャンク達と戦い始めた。

「悪い、遅れた!!!」

「おまたせっ!!!」

 廃デパートから遠い所で待機していた有馬と友菓が合流し、マジパティ達が全員揃った。



 マジパティが12人揃ったところで、少しずつ要塞にほころびが見え始め、要塞の扉も3人のミルフィーユ達によって破壊された。扉が破壊されたと同時に、3人の勇者が黄金のオーラを纏わせながら要塞の中へと入り込み、それぞれの大剣でカオスジャンク達を斬り刻む。



「ザシュッ…」

「カキン…」

「ザザッ…」



 要塞の中を金属音が最上階へ向かいながら響く。やがて、最上階へたどり着くと、瀬戌市を一望できるバルコニーがあり、そこに漆黒の玉座が1つ佇み、玉座がくるりと反対を向くと…







「ついにやってきたか…忌々しい勇者ども…」







 顔立ちと声は明日香の父だが、体格はベルナルド4世の太ましい体格で、カオスの真の姿である混沌皇帝カイザーカオスは、全身から黒いオーラを漂わせる。

「カオス…これ以上、お前の好きにはさせねぇっ!!!!」

 長年の杜撰な扱いに全身を震わせた赤髪の男の勇者は、弟と娘の前で声を荒げる。

「俺の精神体を乗っ取った事…倍にして返してやる!」

「スイーツを利用して人の心を弄んだ罪は高くつくわよ!」

 ガレットの両隣に並ぶ2人の勇者の叫びと共に、混沌皇帝カイザーカオスは3人に分身に、それぞれ目の前の勇者に飛び掛かった。



 混沌皇帝が分身したと共に、要塞の最上階は3つに分割され、それぞれの場所から金属音がぶつかり合う音が響き渡る。





 ほぼ同時刻、要塞の入口で4つのグループに分かれて戦うマジパティ達の所へ、4人の精霊が合流した。

「お、お父さん!!!」

「えっ…おかあさん!?」

「ラムネ様…どうして…」

「フォンダン、びっくりして全身がさかさまになってますよ?」

 オーレ、ハニー、ラムネ、アイシング…23年前に勇者ガレットと魔界のマジパティと共に戦った精霊達であった。



「ミランダ女王のご命令よ?それに…ラテ、あとでちゃんとココアに会わせなさいね♪ココア、カッコよくなったんでしょ?」

 母の言葉に、人間の姿のラテは顔全体を真っ赤に染め上げてしまい、マグカップの中へ戻ってしまった。

「で、でも…お父さん…」

「私とお姉ちゃんが説得するから、安心しなさいっ!!!」

 困惑する次女にそう言いながら、ハニーは人間の姿に変身し、ハチミツの色をした2本のこん棒でカオスジャンクに殴り掛かった。

「混沌のまがい物が、主婦精霊を甘く見ないでくれる?」

 久しぶりに再会したパートナー精霊の姿に、魔界のプディングの顔面は真っ青になる。



「グラッセとハニー…同じ主婦でも、エラい違いだぜ…」





 混沌皇帝を倒せばカオスジャンクは全て消える…つまり、混沌皇帝を倒せぬ限り、カオスジャンクは生み出され続ける…3人の勇者と3人に分身した混沌皇帝の攻防戦は継続され、勇者達にも、マジパティ達にも疲労が見え始めた。







「もう二度と苦しむことも、こざかしい戯言も言えぬようにしてやろう…」







 混沌皇帝の言葉が瀬戌市全体を響き渡る中、12人のマジパティ達の姿が一瞬にして元の姿に戻り、マジパティ達だった者達の足元に石化したブレイブスプーンが音を立てて落ちる。





「ガシャン…」





「ど…どういう事だよ…」

「変身が解けたって事は…」

 明日香と一悟は咄嗟に要塞の最上階を見つめると、そこには…







「いやあああああああああああああああああああっ!!!!!」





 再び一体化した混沌皇帝と、石のように仄暗く、動かぬ姿となった3人の勇者が瀬戌市の上空に佇んでいたのである。
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