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「チャンスって?」
ぽかんとした顔で聞き返すと、エマはやれやれと首を振った。
「お嬢様。ナサニエル王子は今回の婚約破棄の件をご存じです。そして、ひどくお心を痛めておられます。ですから、ご多忙な中わざわざお嬢様をお呼び出しくださったのです」
「え、そうなの?」
「もちろんです。王家は各領国に情報網を張りめぐらせておられますから。どんな些細なことでも、王家に知られないことなどございません」
「詳しいのね、エマ」
尊敬していると、エマは咳払いをして続けた。
「ナサニエル王子は二十歳になられましたが、いまだ独身。縁談は国内外を問わず、降るようにございます。王子のご結婚は、もはや国民の最も関心事であると言っても過言ではございません」
「それはそうかもね~」
「そうかもね~ではございません。ローラお嬢様は今、王子のご結婚相手の筆頭候補でおられるのですよ」
「うぇっ!?!?」
突然の話に心臓が飛び出しそうになった。
私が、王子様の結婚相手候補!?
「とんでもない!だって私、つい最近まで婚約してたんだよ?綺麗さっぱりなくなったけど」
「おっしゃるとおりです。ですから、候補に急浮上されたのです。今までは全くのノーマークでしたが、もはやお嬢様を縛りつけるものは何もありません。そしてお互いに結婚適齢期。
おまけにお嬢様はクイーンズ家の由緒正しき血を引かれる、正当な公爵令嬢でいらっしゃいます。家柄、容姿、頭脳、お人柄、全てにおいて優れておられ、王家に嫁いでも何ら不足はございません。
どこぞの馬の骨の娘とは、天と地ほどの隔たりがございます!」
最後のほう、エマはキレ気味に言った。アンナに対する最大限の当てつけだ。
思いやってくれるのはありがたいけど、顔が怖い。
「いや~考えすぎじゃない?確かに身分的には問題ないけど、いくら何でも急すぎるし。婚約破棄して、はい次!ってわけにはいかないでしょ。王子も、そんなつもりで呼び出してるんじゃないと思うよ」
「お嬢様……甘いですわ。王族の方はお忙しいのです。ましてやナサニエル様は、いずれこの国を継がれる御方。悠長に待っている時間などございません」
エマは人さし指をぴんと立てて、それを私に突きつけて言った。
「恐らくナサニエル様は、ローラ様のことを長年想っておられたのです。そこへ婚約破棄の話が飛び込んできたものだから、このチャンスを生かそうと即座に行動に移されたのですわ。そうに違いありません!」
エマのボルテージは最高潮まで高まっている。私は苦笑した。
「違うと思うけどなあ……」
「とにかく!!わたくしがお手伝いしますので、すぐにお召し替えください」
きっぱりと言われ、私はそこから午前中を、ほぼ身支度に費やした。
ぽかんとした顔で聞き返すと、エマはやれやれと首を振った。
「お嬢様。ナサニエル王子は今回の婚約破棄の件をご存じです。そして、ひどくお心を痛めておられます。ですから、ご多忙な中わざわざお嬢様をお呼び出しくださったのです」
「え、そうなの?」
「もちろんです。王家は各領国に情報網を張りめぐらせておられますから。どんな些細なことでも、王家に知られないことなどございません」
「詳しいのね、エマ」
尊敬していると、エマは咳払いをして続けた。
「ナサニエル王子は二十歳になられましたが、いまだ独身。縁談は国内外を問わず、降るようにございます。王子のご結婚は、もはや国民の最も関心事であると言っても過言ではございません」
「それはそうかもね~」
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「うぇっ!?!?」
突然の話に心臓が飛び出しそうになった。
私が、王子様の結婚相手候補!?
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「おっしゃるとおりです。ですから、候補に急浮上されたのです。今までは全くのノーマークでしたが、もはやお嬢様を縛りつけるものは何もありません。そしてお互いに結婚適齢期。
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どこぞの馬の骨の娘とは、天と地ほどの隔たりがございます!」
最後のほう、エマはキレ気味に言った。アンナに対する最大限の当てつけだ。
思いやってくれるのはありがたいけど、顔が怖い。
「いや~考えすぎじゃない?確かに身分的には問題ないけど、いくら何でも急すぎるし。婚約破棄して、はい次!ってわけにはいかないでしょ。王子も、そんなつもりで呼び出してるんじゃないと思うよ」
「お嬢様……甘いですわ。王族の方はお忙しいのです。ましてやナサニエル様は、いずれこの国を継がれる御方。悠長に待っている時間などございません」
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「恐らくナサニエル様は、ローラ様のことを長年想っておられたのです。そこへ婚約破棄の話が飛び込んできたものだから、このチャンスを生かそうと即座に行動に移されたのですわ。そうに違いありません!」
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「とにかく!!わたくしがお手伝いしますので、すぐにお召し替えください」
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