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「君に一つ助言させてもらうぜ。 世の中には謎のままにしておいたほうがいいこともあるってな」――劇場版名探偵コナン『世紀末の魔術師』古内一成
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間違いなく50回以上は見た作品、台詞もほぼ空で言えるぐらいだ。
劇場版名探偵コナンは傑作が多いのだけれど、その中でもナンバーワンを決めろと言われれば、間違いなく『世紀末の魔術師』を上げる。
まず、ストーリーが文句なく面白い。しかも、ミステリーとして。
あのファーッというBGMで始まる出だしから、もう秀逸すぎて鳥肌ものだ。
その上、この作品は江戸川コナン・怪盗キッド・服部平治・工藤新一の4人が登場する、初期コナン映画では初めてのメインキャストそろい踏みなのである。
しかも、舞台には、何と大阪が出てくるじゃないですか!
ベタな道頓堀はもちろん、「通天閣のてっぺんはな、光の天気予報になってるんや!」で、初めて通天閣の光の天気予報を意識した人も多いはず。(当社比)
舞台も大阪⇒船内⇒横須賀の城と、ドラマチックでワクワクするような趣向が凝らされている。
◇あらすじ
1999年。世紀末のこの年、世間をさわがせている大怪盗がいた。その名は『怪盗キッド』。
そのキッドからインペリアル・イースター・エッグを盗むという予告状が届いた。キッドを追い大阪へ向かうコナン。そこにはキッド以外にもエッグを狙う人物が集まっていた。
マジックを使い、警官を翻弄するキッド。キッドの予告状を解いたコナンと平次だが、二人の目の前でキッドは悠然とエッグを盗んでいく。追うコナン。コナンがキッドを追い詰めたそのとき、銃声が響きわたった。
エッグにはいったいどんな謎が……。挑戦するコナンの前に、古城が写し出された。
この城にエッグの秘密が隠されているのか?しかし、その夜、殺人事件が起きた。犯人はこの中にいるのか?
古城についたコナンたち。だが、城の中で新たなる殺人事件が。密かに城に侵入した少年探偵団にも危機が迫る。
コナンたちは無事、エッグの謎を解くことができるのか。そしてキッドとの対決の行方は!?
ロマノフ王朝の秘宝、インペリアル・イースターエッグ。
中二心をくすぐられすぎる。
あとタイトル『世紀末の魔術師』も、響きが素敵なだけでなく、物語の根幹を担うキーワードになっている。
これ以外のタイトルはあり得ないというぐらい、完璧なタイトルだ。
このときのキッドはまだ謎に包まれていて、コナンとも敵対関係にあった。
今の共闘関係も悪くないけれど、クールな時代のキッドはそれはそれはカッコいい。
探偵と怪盗。知恵比べや対決ができる、対等なライバル。その関係性がいい。
この物語のヒロインともいうべき、香坂夏美さんも素敵。
良家の子女って感じで、芯は強いけれど出しゃばらない美人さん。
この作品だと、おしとやかな夏美さんに影響されてか、毛利蘭ちゃんもむやみやたらと空手を繰り出さないし、どっちかというとサポートに回っている。
それが逆に、蘭の性格のよさや、新一への想いや迷いを引き立たせているように思う。
最後のシーンで涙するところなんて、色っぽいというか、もう大人の男女の会話やん!!となってしまう。
あと、ハリウッドばりの爆発シーンや、ド派手なアクションシーンもいいんだけど、『世紀末の魔術師』はあくまでも推理を主軸に置いているところがいい。
キッドの暗号を解いたり、服部と一緒にキッドをバイクで追いかけたり(服部との「しかも、その場所は周りにそれと気づかれないように」「警備は手薄」などのやりとりも大好き)、船の中での殺人事件を解決したり、決して派手ではないものの、謎を解き明かしていくスリリングな魅力とワクワクに溢れている。
インペリアル・イースターエッグ自体に施されたトリックもそうだし、古城での冒険、キッドがなぜエッグを狙ったのか、そしてロマノフ王朝の壮大な謎――。
最後、犯人も含めて無理やりな感じや違和感がなく、全てが美しく収まったというカタルシスがある。
そして主題歌の『One』の神曲っぷりよ。
音楽は全般的にいいんだけれども、ラスト3分怒涛のクライマックス、その後の余韻を残すラストシーン、そこで完璧なタイミングで流れる『One』。
最高すぎる。
歌詞も、新一から蘭へ向けたようにも思えるし、マリアから夏美さんへとも思えるし、キイチ・コウサカからマリアへ……と、さまざまな解釈ができて深い。
初めて見た当時は小学生だったけれど、「世の中には、謎のままにしておいたほうがいいってこともある」という台詞は強烈に心に残った。
そのときは意味が分からなかったけれど、今となってはキッドの心意気、そしてそれを理解するコナンという構図がかっこいいなあとしびれる。
誰もがSNSを使用して世界中に自分を公開できる時代、フェイクニュースや炎上すら利用して世間に認知されようとする人もいる中で、「謎は謎のままに」というスタンスは、世阿弥の「秘すれば花」にも似た哲学を感じられて、私はたまらなく好きだ。
◇好きな一文
「バーロー。んなもん謎でも何でもねえよ。お前が俺を助けたのは、こいつを手当てしたお礼、だろ」
◇こんな方におすすめ
ロマノフ王朝の秘宝と聞いて、ぐっとくる方
ちょっと昔のアニメがお好きな方
コナンアニメの初期が大好きな方
コナン映画を見たことがない方
怪盗キッドがお好きな方
服部平治がお好きな方
B'zがお好きな方
暗号、トリック、仕掛け、ミステリーがお好きな方
カタルシスを得たい方
安心してハッピーエンドの作品を観たい方
子どものころコナンって見てたけど、そういえば最近見てないなという方
劇場版名探偵コナンは傑作が多いのだけれど、その中でもナンバーワンを決めろと言われれば、間違いなく『世紀末の魔術師』を上げる。
まず、ストーリーが文句なく面白い。しかも、ミステリーとして。
あのファーッというBGMで始まる出だしから、もう秀逸すぎて鳥肌ものだ。
その上、この作品は江戸川コナン・怪盗キッド・服部平治・工藤新一の4人が登場する、初期コナン映画では初めてのメインキャストそろい踏みなのである。
しかも、舞台には、何と大阪が出てくるじゃないですか!
ベタな道頓堀はもちろん、「通天閣のてっぺんはな、光の天気予報になってるんや!」で、初めて通天閣の光の天気予報を意識した人も多いはず。(当社比)
舞台も大阪⇒船内⇒横須賀の城と、ドラマチックでワクワクするような趣向が凝らされている。
◇あらすじ
1999年。世紀末のこの年、世間をさわがせている大怪盗がいた。その名は『怪盗キッド』。
そのキッドからインペリアル・イースター・エッグを盗むという予告状が届いた。キッドを追い大阪へ向かうコナン。そこにはキッド以外にもエッグを狙う人物が集まっていた。
マジックを使い、警官を翻弄するキッド。キッドの予告状を解いたコナンと平次だが、二人の目の前でキッドは悠然とエッグを盗んでいく。追うコナン。コナンがキッドを追い詰めたそのとき、銃声が響きわたった。
エッグにはいったいどんな謎が……。挑戦するコナンの前に、古城が写し出された。
この城にエッグの秘密が隠されているのか?しかし、その夜、殺人事件が起きた。犯人はこの中にいるのか?
古城についたコナンたち。だが、城の中で新たなる殺人事件が。密かに城に侵入した少年探偵団にも危機が迫る。
コナンたちは無事、エッグの謎を解くことができるのか。そしてキッドとの対決の行方は!?
ロマノフ王朝の秘宝、インペリアル・イースターエッグ。
中二心をくすぐられすぎる。
あとタイトル『世紀末の魔術師』も、響きが素敵なだけでなく、物語の根幹を担うキーワードになっている。
これ以外のタイトルはあり得ないというぐらい、完璧なタイトルだ。
このときのキッドはまだ謎に包まれていて、コナンとも敵対関係にあった。
今の共闘関係も悪くないけれど、クールな時代のキッドはそれはそれはカッコいい。
探偵と怪盗。知恵比べや対決ができる、対等なライバル。その関係性がいい。
この物語のヒロインともいうべき、香坂夏美さんも素敵。
良家の子女って感じで、芯は強いけれど出しゃばらない美人さん。
この作品だと、おしとやかな夏美さんに影響されてか、毛利蘭ちゃんもむやみやたらと空手を繰り出さないし、どっちかというとサポートに回っている。
それが逆に、蘭の性格のよさや、新一への想いや迷いを引き立たせているように思う。
最後のシーンで涙するところなんて、色っぽいというか、もう大人の男女の会話やん!!となってしまう。
あと、ハリウッドばりの爆発シーンや、ド派手なアクションシーンもいいんだけど、『世紀末の魔術師』はあくまでも推理を主軸に置いているところがいい。
キッドの暗号を解いたり、服部と一緒にキッドをバイクで追いかけたり(服部との「しかも、その場所は周りにそれと気づかれないように」「警備は手薄」などのやりとりも大好き)、船の中での殺人事件を解決したり、決して派手ではないものの、謎を解き明かしていくスリリングな魅力とワクワクに溢れている。
インペリアル・イースターエッグ自体に施されたトリックもそうだし、古城での冒険、キッドがなぜエッグを狙ったのか、そしてロマノフ王朝の壮大な謎――。
最後、犯人も含めて無理やりな感じや違和感がなく、全てが美しく収まったというカタルシスがある。
そして主題歌の『One』の神曲っぷりよ。
音楽は全般的にいいんだけれども、ラスト3分怒涛のクライマックス、その後の余韻を残すラストシーン、そこで完璧なタイミングで流れる『One』。
最高すぎる。
歌詞も、新一から蘭へ向けたようにも思えるし、マリアから夏美さんへとも思えるし、キイチ・コウサカからマリアへ……と、さまざまな解釈ができて深い。
初めて見た当時は小学生だったけれど、「世の中には、謎のままにしておいたほうがいいってこともある」という台詞は強烈に心に残った。
そのときは意味が分からなかったけれど、今となってはキッドの心意気、そしてそれを理解するコナンという構図がかっこいいなあとしびれる。
誰もがSNSを使用して世界中に自分を公開できる時代、フェイクニュースや炎上すら利用して世間に認知されようとする人もいる中で、「謎は謎のままに」というスタンスは、世阿弥の「秘すれば花」にも似た哲学を感じられて、私はたまらなく好きだ。
◇好きな一文
「バーロー。んなもん謎でも何でもねえよ。お前が俺を助けたのは、こいつを手当てしたお礼、だろ」
◇こんな方におすすめ
ロマノフ王朝の秘宝と聞いて、ぐっとくる方
ちょっと昔のアニメがお好きな方
コナンアニメの初期が大好きな方
コナン映画を見たことがない方
怪盗キッドがお好きな方
服部平治がお好きな方
B'zがお好きな方
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