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夏の章
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教官室から出たルベリエは、頭上を流れる星に気づいて顔を上げた。
「やあ。すごい夜だね、サーベラス」
背後からやってきたラグランジュに眉を寄せる。
自分が名前を呼ばれるのを嫌うと知っていて、時々わざとそう呼んでくるのだと、ルベリエは承知していた。
「ちょうど君のところに行こうと思ってたんだ。ルート・カルバックが倒れたよ」
反応を窺おうとする目をかわし、ルベリエは「それで?」と冷淡に尋ねた。
「見たところ風邪みたいだから、医務室で寝かしつけてある。一晩ぐっすり眠れば治るだろう」
「了解」
立ち去ろうとするルベリエに、ラグランジュは意味深な笑みを向ける。
「ルートは、昔の君によく似てるね」
ルベリエは嫌悪の眼差しを向けた。
「はあ?どこがだ」
「そういうところだよ」
とラグランジュは煙に巻き、「ほら、見てみなよ」と漆黒の空を指さした。
白銀に輝く流星群の光を浴びながら、ルベリエは思う。
――俺たちは皆、同じ夜空を見上げている。
空に境界線はなく、世界中どこまでも繋がっている。
けれど――。
――同じ空を見上げながら、俺たちは決して、分かり合うことはない。
【夏の章・終わり】
「やあ。すごい夜だね、サーベラス」
背後からやってきたラグランジュに眉を寄せる。
自分が名前を呼ばれるのを嫌うと知っていて、時々わざとそう呼んでくるのだと、ルベリエは承知していた。
「ちょうど君のところに行こうと思ってたんだ。ルート・カルバックが倒れたよ」
反応を窺おうとする目をかわし、ルベリエは「それで?」と冷淡に尋ねた。
「見たところ風邪みたいだから、医務室で寝かしつけてある。一晩ぐっすり眠れば治るだろう」
「了解」
立ち去ろうとするルベリエに、ラグランジュは意味深な笑みを向ける。
「ルートは、昔の君によく似てるね」
ルベリエは嫌悪の眼差しを向けた。
「はあ?どこがだ」
「そういうところだよ」
とラグランジュは煙に巻き、「ほら、見てみなよ」と漆黒の空を指さした。
白銀に輝く流星群の光を浴びながら、ルベリエは思う。
――俺たちは皆、同じ夜空を見上げている。
空に境界線はなく、世界中どこまでも繋がっている。
けれど――。
――同じ空を見上げながら、俺たちは決して、分かり合うことはない。
【夏の章・終わり】
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