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第一章
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よどんだ空気を換気するために、真啓はカーテンと窓を開け放つ。
初夏に似つかわしい、瑞々しい若葉の香りがする。
窓辺に座って手紙を開くと、中からぱらりと何かが滑り落ちた。
拾い上げて、真啓は音を立てて息を呑んだ。驚きに瞳孔が開く。
力を失った指の間から、再び床へ落ちた紙片。
それは写真だった。
「……」
声も出ない衝撃を受けたまま、真啓はもう一度その写真を確かめた。
間違えようがない。そこに映っているのは自分と公香、もう一枚は自分と里香だった。
言うまでもなく、どちらも盗撮だ。
そして極めつけは、写真と共に同封されていた手紙だった。
そこには、新聞や広告の切り抜きらしき文字が羅列されていた。
【警告 北オウじ公カとさと香ニ近寄ルな】
べたつく感触に指を見ると、手紙に垂らされていた血糊らしきものが付着していた。
「ひっ」
真啓はおぞましさに戦慄した。
文面から、赤い血痕から、底の見えない悪意がひしひしと伝わってくる。
初夏に似つかわしい、瑞々しい若葉の香りがする。
窓辺に座って手紙を開くと、中からぱらりと何かが滑り落ちた。
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力を失った指の間から、再び床へ落ちた紙片。
それは写真だった。
「……」
声も出ない衝撃を受けたまま、真啓はもう一度その写真を確かめた。
間違えようがない。そこに映っているのは自分と公香、もう一枚は自分と里香だった。
言うまでもなく、どちらも盗撮だ。
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そこには、新聞や広告の切り抜きらしき文字が羅列されていた。
【警告 北オウじ公カとさと香ニ近寄ルな】
べたつく感触に指を見ると、手紙に垂らされていた血糊らしきものが付着していた。
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