女子高生占い師の事件簿

凪子

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【1】ハーモニクス アストロジー

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「やっぱり、ばれてたか」

「バレバレ。恵果も気を使ってくれたんじゃないの?」

戻ってきた美蘭を、比呂は後ろから抱きすくめた。

「その割には、ずけずけ言ってくれたじゃん?悪い意味で目立つって、どんなだよ」

傷ついちゃったなーと拗ねた声が言う。

美蘭の肩の上にある、整った顔の表情は分からない。

「……なかなか手ごわいね。あの子」

「ん?そうだなー」

比呂の指がうなじをなぞるのが分かった。

美蘭はそのまま腕に身を委ね、瞼を閉じる。

「あんたとあの子、似てるよ」

ぽつりと漏らした言葉に、比呂の手が一瞬止まった。

「どこが?」

比呂は体を離して、美蘭の目を見た。

その顔には嬉しさと困惑が同居していた。

しばらく言葉を選んだ後、美蘭はゆっくりと頷く。

「何考えてるか分からないところ」












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