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【5】イベントチャート
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恐らく、加奈子がここを訪問した本題は、これなのだろう。
もちろん、恵果の身を案じているのも嘘ではない。
けれど、まるっきりそれだけというわけでもない。
静は紅茶を運びながら、冷淡とも呼べる眼差しで加奈子を観察した。
――随分と薄情な従妹だな。
だが、と反論する声が心の中で起こる。
静が加奈子をよそよそしいと感じるのだとしたら、それは恵果が恐らく、あえてそういう態度を加奈子にとっているからだろう。
従姉としてではなく、単なる居候の占い師として、絶妙な距離を置いている。
恵果はそれができる娘だ。
そして、そうする必要があると、誰よりもよく分かっている。
視線に気づいた加奈子が、萎縮したように言った。
「ごめんね。何か、こんなときに自分のことばっかりで」
恵果は笑って手を振った。
「いいのよ。ほら、お兄ちゃん。そんな顔してたら、加奈ちゃんが怖がっちゃうでしょ」
「この顔は元からだよ。悪かったな」
静は憮然と言い返し、さりげなく席を外した。
「……あの、お兄さん、怒ったんじゃ」
おろおろする加奈子に向かって、恵果は首を振った。
「お兄ちゃんには、あれくらいでいちいち怒るような体力ないよ。遊びに行ったんだろうから気にしないで。
それで?どうしたの?」
促されて、加奈子は組み立ててきた言葉を思い出そうとしているのか、「うーん」と首をひねった。
もちろん、恵果の身を案じているのも嘘ではない。
けれど、まるっきりそれだけというわけでもない。
静は紅茶を運びながら、冷淡とも呼べる眼差しで加奈子を観察した。
――随分と薄情な従妹だな。
だが、と反論する声が心の中で起こる。
静が加奈子をよそよそしいと感じるのだとしたら、それは恵果が恐らく、あえてそういう態度を加奈子にとっているからだろう。
従姉としてではなく、単なる居候の占い師として、絶妙な距離を置いている。
恵果はそれができる娘だ。
そして、そうする必要があると、誰よりもよく分かっている。
視線に気づいた加奈子が、萎縮したように言った。
「ごめんね。何か、こんなときに自分のことばっかりで」
恵果は笑って手を振った。
「いいのよ。ほら、お兄ちゃん。そんな顔してたら、加奈ちゃんが怖がっちゃうでしょ」
「この顔は元からだよ。悪かったな」
静は憮然と言い返し、さりげなく席を外した。
「……あの、お兄さん、怒ったんじゃ」
おろおろする加奈子に向かって、恵果は首を振った。
「お兄ちゃんには、あれくらいでいちいち怒るような体力ないよ。遊びに行ったんだろうから気にしないで。
それで?どうしたの?」
促されて、加奈子は組み立ててきた言葉を思い出そうとしているのか、「うーん」と首をひねった。
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