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【5】イベントチャート
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理人は黙った。
逡巡しているのが傍目にも分かる。
だが、やがて顔を上げ、その口の端を吊り上げて皮肉に言った。
「理由なんかないよ。ただ、あいつが嫌いだからさ。……教師が嫌いだから」
「何で嫌いなの?」
「綺麗ごとしか言わないから。あいつらの言ってることを聞くと反吐が出るね。
間違うことを恥ずかしがるな、とか、君たちには無限の可能性が詰まってる、とかいうの?口を揃えて言いたがるけど、そんなの綺麗ごとじゃん。『授業中の発言は、たとえ誤答でも大歓迎だよ。その答えで周りの友達は学べるんだよ』とかって言ってる奴に限って、自分は職員会議で場しらけさせるの怖れて発言してないんだよ。
おためごかしな、もっともらしい正論ばっかりほざきやがって、子供を舐めるにも程がある」
理人は辛辣に言い連ねた。
そして、その全てが――偏った見方であるとはいえ――うがっていた。
「つるむ友達がいなきゃ、とっくに辞めてるね。あんな学校」
「そうかしら。私にはそうは思えないけど」
加奈子はいつ理人がぶち切れて暴走しないか、はらはらしっぱなしだった。
おそるおそる恵果を伺うが、彼女は一向に辟易する様子を見せない。
むしろ丁々発止のやりとりを楽しんでいる。
「お前に何が分かるんだよ」
「高校までは行く。亡くなったお母さんとの約束だから。違う?」
逡巡しているのが傍目にも分かる。
だが、やがて顔を上げ、その口の端を吊り上げて皮肉に言った。
「理由なんかないよ。ただ、あいつが嫌いだからさ。……教師が嫌いだから」
「何で嫌いなの?」
「綺麗ごとしか言わないから。あいつらの言ってることを聞くと反吐が出るね。
間違うことを恥ずかしがるな、とか、君たちには無限の可能性が詰まってる、とかいうの?口を揃えて言いたがるけど、そんなの綺麗ごとじゃん。『授業中の発言は、たとえ誤答でも大歓迎だよ。その答えで周りの友達は学べるんだよ』とかって言ってる奴に限って、自分は職員会議で場しらけさせるの怖れて発言してないんだよ。
おためごかしな、もっともらしい正論ばっかりほざきやがって、子供を舐めるにも程がある」
理人は辛辣に言い連ねた。
そして、その全てが――偏った見方であるとはいえ――うがっていた。
「つるむ友達がいなきゃ、とっくに辞めてるね。あんな学校」
「そうかしら。私にはそうは思えないけど」
加奈子はいつ理人がぶち切れて暴走しないか、はらはらしっぱなしだった。
おそるおそる恵果を伺うが、彼女は一向に辟易する様子を見せない。
むしろ丁々発止のやりとりを楽しんでいる。
「お前に何が分かるんだよ」
「高校までは行く。亡くなったお母さんとの約束だから。違う?」
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