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本編
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「やっぱりそうだ。君、高等部の小泉舞ちゃんだよね」
指さされ、フルネームで呼ばれて、さすがに身構える。
「誰ですか?」
「うぉー、テンション上がるー! これからどこ行くの?」
質問をスルーして、若者は興奮した様子でスマホを取り出している。
嫌な予感がして、私が口を開こうとする前に、シャッター音が響いた。
「ちょっと……!」
若者は私に許可もなく、勝手に写真撮影を始めたのだ。
「制服まじやべ~可愛い~」
「やめてください」
怒って言ったものの、若者は「ごめんごめん」とへらへら笑うだけで、適当にかわされてしまう。
「写真消してください」
「えーいいじゃんいいじゃん、一枚ぐらい撮らせてよ」
(駄目だ。この人、本当に人の話聞いてない)
私は彼のスマホに手を伸ばすが、ひょいと避けられてしまった。
若者はスマホを持った手を上に伸ばして、届かないように腕を左右に振る。
もう片方の腕で私の頭をぽんぽん叩き、猫なで声で言った。
「ほらほら、頑張って。背伸びしたら届くかもよ~?」
「もう、いいかげんに――」
苛立ちがマックスに達した瞬間、「うっ」とうめき声が聞こえた。
かと思ったら、彼の姿が視界から消える。
(え?)
指さされ、フルネームで呼ばれて、さすがに身構える。
「誰ですか?」
「うぉー、テンション上がるー! これからどこ行くの?」
質問をスルーして、若者は興奮した様子でスマホを取り出している。
嫌な予感がして、私が口を開こうとする前に、シャッター音が響いた。
「ちょっと……!」
若者は私に許可もなく、勝手に写真撮影を始めたのだ。
「制服まじやべ~可愛い~」
「やめてください」
怒って言ったものの、若者は「ごめんごめん」とへらへら笑うだけで、適当にかわされてしまう。
「写真消してください」
「えーいいじゃんいいじゃん、一枚ぐらい撮らせてよ」
(駄目だ。この人、本当に人の話聞いてない)
私は彼のスマホに手を伸ばすが、ひょいと避けられてしまった。
若者はスマホを持った手を上に伸ばして、届かないように腕を左右に振る。
もう片方の腕で私の頭をぽんぽん叩き、猫なで声で言った。
「ほらほら、頑張って。背伸びしたら届くかもよ~?」
「もう、いいかげんに――」
苛立ちがマックスに達した瞬間、「うっ」とうめき声が聞こえた。
かと思ったら、彼の姿が視界から消える。
(え?)
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