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本編
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――ディエス・イレが近い。
また、あの声が聞こえた。
男とも女ともつかない、静かな、抑揚のない声。
声の不吉な響きと、目の前にいる爽君の姿が重なって揺れ、私はめまいを覚えた。
「舞?」
様子がおかしいことに気づいたのか、爽君が席を立って近づいてくる。
私は反射的に、肩に伸ばされた手を振り払った。
びくっとして、爽君は後ずさった。ひどく傷ついた目をしている。
「あ……ごめんなさい」
「気分が悪いのか」
「違うの。爽君のせいじゃなくて」
言いかけて頭痛がし、私は顔をしかめた。
ああ、頭痛薬を持ってくればよかった。
爽君は私を心配そうに見つめている。
水の入ったコップを手渡され、それを一気に飲み干すと、少し頭がすっきりした。
「会計を」
目を閉じてテーブルに突っ伏していると、爽君がウェイターに頼んでいるのが分かった。
「舞、大丈夫か」
「大丈夫」
「今タクシー呼ぶから」
「待って」
私は爽君のスーツの袖を掴んで引きとめた。
爽君が軽く眉を上げる。
「答えになってないよ」
ぐるぐる回る頭の中で、私は何とか思考を組み立てた。
また、あの声が聞こえた。
男とも女ともつかない、静かな、抑揚のない声。
声の不吉な響きと、目の前にいる爽君の姿が重なって揺れ、私はめまいを覚えた。
「舞?」
様子がおかしいことに気づいたのか、爽君が席を立って近づいてくる。
私は反射的に、肩に伸ばされた手を振り払った。
びくっとして、爽君は後ずさった。ひどく傷ついた目をしている。
「あ……ごめんなさい」
「気分が悪いのか」
「違うの。爽君のせいじゃなくて」
言いかけて頭痛がし、私は顔をしかめた。
ああ、頭痛薬を持ってくればよかった。
爽君は私を心配そうに見つめている。
水の入ったコップを手渡され、それを一気に飲み干すと、少し頭がすっきりした。
「会計を」
目を閉じてテーブルに突っ伏していると、爽君がウェイターに頼んでいるのが分かった。
「舞、大丈夫か」
「大丈夫」
「今タクシー呼ぶから」
「待って」
私は爽君のスーツの袖を掴んで引きとめた。
爽君が軽く眉を上げる。
「答えになってないよ」
ぐるぐる回る頭の中で、私は何とか思考を組み立てた。
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