ディエス・イレ ~運命の時~

凪子

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本編

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夢を見たような気がする。

夢の中で私は、誰かに呼ばれていた。

『ア……マイ……』

もう少し、眠っていたい。

でも、誰かが優しい手で、辛抱強く私の肩を揺すっている。

ああ、あともう少しだけ。

「ごめんなさい、神官長様」

「舞!」

寝ぼけまなこに、いい香りがして、誰かがしがみついてくる。

頭がふわふわする。

今がいつで、ここがどこなのか分からず混乱していた。

「よかった、気がついた」

ベッドの傍から別の声がして、私は首を上げた。

そして「ぐえっ」と声が出る。

すると、私に抱きついていた友子はようやく腕を離してくれた。

「浅見先生、それに友子も」

(ってことは……ここは学校?)

「そうだ、紘ちゃんが」

私が言うと、二人がさっと目を見交わせるのが分かった。

「小泉さん、私が分かる?」

私の手を取ると、浅見先生は柔らかい声で言った。

「もちろんです」

一年A組、私の担任の浅見京香あさみ・きょうか先生だ。

色白の肌、大きな茶色の瞳、緩く巻いた長い髪。

小動物を思わせる可愛らしい顔に、巨乳という最強のギャップを持っている。

いつも綺麗で、ベージュのスーツがよく似合っている。

私の意識はようやく戻って、そんなことを一秒で考えられるぐらいには余裕があった。
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