ディエス・イレ ~運命の時~

凪子

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本編

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その日の夜、部屋に戻ってスマホを見ると、爽君から着信が十五件入っていた。

ラインのメッセージは二十二件。

【どこにいるんだ?】【電話に出ろ】【家に帰ったのか?】【心配してるぞ】【無事か?】【返事くれ】【舞】【もう家に帰ったか?】【今仕事終わった 電話していいか?】【頼むから返事してくれ】

私は全てを無視した。

ラインもブロックしたかったけど、さすがにそれはやめた。

「信じられないよ……紘ちゃん」

確かに爽君は意地悪で、いじめっ子で、悪魔みたいだって思うこともある。

でも、人を殺すような人間じゃない。それだけは自信を持って言える。

けど、紘ちゃんが嘘をついているとも思えない。

紘ちゃんのあの目。大事なもの全てを失って、諦めてしまったような目だった。

翌日、学校に行こうとすると、マンションの前で爽君が待ち構えていた。

「舞。昨日は心配したぞ」

「……」

何と答えていいか分からず、私はうつむく。

察しのいい爽君は、すぐに口を開いた。

「……紘二に会ったのか?」

「爽君、お願い。しばらく話しかけないで」

私は爽君の目を見ると、静かに、きっぱりとした口調で言った。

すると、爽君が怯んだように口をつぐんだ。

(動揺してる。あの爽君が……)
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