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本編
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「爽兄、ごめんね」
同時に紘二が言った。
「俺が悪かったよ。舞ちゃんと引き離すようなことして、ごめん」
ぺこりと頭を下げられ、全身が総毛立つ。
白い光が頭の中で激しく明滅している。
本能が警告している、理屈抜きで。
「紘二。お前……思い出したな」
「何の話?」
「とぼけるな」
爽は叫ぶように言った。
「コンスタンス」
前世での紘二の名前だ。忘れようにも忘れられなかった。
それを聞いて、紘二は口の端をかすかに持ち上げ、凄まじい微笑を刻んだ。
「……さすがだね、ソロン」
再び、背筋に鳥肌が立つ。
記憶を取り戻す前の紘二と、今の紘二は別人だ。
見た目は同じでも、まとっているオーラが違う。
「長い夢を見てたんだ。爽兄が俺を階段から突き飛ばした後。あのときは、何が何だか分からなかった。
けど、病院で目が覚めたとき、全てが分かった。爽兄が俺を殺さなきゃいけなかった理由も」
いつの間にか、紘二は一歩、また一歩とこちらに近づいていた。
それに合わせるようにして、爽は一歩ずつ後ずさる。
「仕方ないよな。爽兄にとっても舞ちゃんにとっても……いや、この世界にとって俺は邪魔者だ。俺が生きて、『鍵』の務めを果たすことなんて、誰も望んじゃいない。我ながら、妙な役目に生れついたなって思うよ。
しかも、何度生まれ変わっても、この役は俺がするしかない。他の誰にも代われない。それが『摂理』ってやつらしい。ひどい話さ」
心から誰かを愛することも、誰かに愛されることも、平凡な幸せを望むことも、最初から可能性を奪われてしまっている。
紘二は夕陽に照らされ、金色に輝く雲を見上げて言った。
「思い出したくなかったよ、できることなら。生まれてきたことを後悔するのは、嫌な気分でしかないもんな。
けど……こうなってしまったからには、もう仕方がない。自分の運命と向き合うしかないんだ。
ディエス・イレを起こすか、起こさないか、いずれにせよ選択肢は二つに一つしかない」
同時に紘二が言った。
「俺が悪かったよ。舞ちゃんと引き離すようなことして、ごめん」
ぺこりと頭を下げられ、全身が総毛立つ。
白い光が頭の中で激しく明滅している。
本能が警告している、理屈抜きで。
「紘二。お前……思い出したな」
「何の話?」
「とぼけるな」
爽は叫ぶように言った。
「コンスタンス」
前世での紘二の名前だ。忘れようにも忘れられなかった。
それを聞いて、紘二は口の端をかすかに持ち上げ、凄まじい微笑を刻んだ。
「……さすがだね、ソロン」
再び、背筋に鳥肌が立つ。
記憶を取り戻す前の紘二と、今の紘二は別人だ。
見た目は同じでも、まとっているオーラが違う。
「長い夢を見てたんだ。爽兄が俺を階段から突き飛ばした後。あのときは、何が何だか分からなかった。
けど、病院で目が覚めたとき、全てが分かった。爽兄が俺を殺さなきゃいけなかった理由も」
いつの間にか、紘二は一歩、また一歩とこちらに近づいていた。
それに合わせるようにして、爽は一歩ずつ後ずさる。
「仕方ないよな。爽兄にとっても舞ちゃんにとっても……いや、この世界にとって俺は邪魔者だ。俺が生きて、『鍵』の務めを果たすことなんて、誰も望んじゃいない。我ながら、妙な役目に生れついたなって思うよ。
しかも、何度生まれ変わっても、この役は俺がするしかない。他の誰にも代われない。それが『摂理』ってやつらしい。ひどい話さ」
心から誰かを愛することも、誰かに愛されることも、平凡な幸せを望むことも、最初から可能性を奪われてしまっている。
紘二は夕陽に照らされ、金色に輝く雲を見上げて言った。
「思い出したくなかったよ、できることなら。生まれてきたことを後悔するのは、嫌な気分でしかないもんな。
けど……こうなってしまったからには、もう仕方がない。自分の運命と向き合うしかないんだ。
ディエス・イレを起こすか、起こさないか、いずれにせよ選択肢は二つに一つしかない」
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