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【#39 手紙が届きました】
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「ちょっとちょっと。まだ話は終わってないよ~」
明るい口調でエルは言ったが、目は笑っていない。
対するアキトは丁寧な物腰ながらも、全くひるまなかった。
「申し訳ありません。プリスタイン公爵より、こちらのお手紙を至急ティアメイ様にお渡しするよう命があったものですから」
「お父様から?」
私が手を差し出すと、アキトは「こちらです」とクリーム色の封筒を手渡した。
封蝋は――ウェンゼル公爵家の紋章が刻まれていた。
【プリスタイン公立学園 眼鏡科 学園長 ティアメイ・A・L・C・プリスタイン様
ご機嫌うるわしゅう存じます。
このたび我がウェンゼル公立学園普通科は、他学園との交流会を企画しております。
お互いがお互いの学校に出向き、優秀な人材の交流を図り、それぞれの良いところを学び取り入れる機会にしたいと考えております。
つきましては、『最高の公立学園』『プリスタインの至宝』と誉れ高い御校との交流会をぜひお願いできないでしょ
うか。
日程調整等の事務手続きや費用に関しては、全てこちらで請け負わせていただきます。
ご検討の上、よい返事をいただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
ウェンゼル公立学園 普通科 学園長 ヴィクター・R・W・J・ウェンゼル
P・S
弊校には生徒会があり、生徒会長は愚息オスカーが務めております。
才媛と名高い学園長とお会いできる機会を、とても楽しみにしております。】
やばい、やばすぎる。
手紙を読みながら、我ながら顔が青ざめるのが分かった。
これって、もしかしなくてもリベンジだよね?
体調不良でお見合いを延期して、そのまま自然消滅しようとしたから、オスカーが次の手を打ってきたってことよね?
ああああああどうしよう!
「おお~なりふり構わず来たね」
手紙を覗き込んだエルが、隣で面白そうに笑っている。
「どうする? 今から放浪の旅にでも出る?」
「いや、それはさすがにちょっと……」
私は口ごもった。
どうやら、思っていたより状況は甘くなかったみたい。
「多分、向こうは本気だよ。メイちゃんを手に入れるために、どんな手でも使ってくる。回避したいなら、それなりの対策をしないとね」
「対策って? 何か策があるの?」
「まあね~」
私は藁にもすがる気持ちで、エルの制服の袖を引っ張った。
「教えて、エル! お願い!」
「ん~どうしよっかな? なんてね、いいよ。俺も、もうちょっとメイちゃんと遊びたいし」
赤縁眼鏡の奥で、漆黒の瞳が細まる。
「俺のアイディアを言うね。目には目を、歯には歯を、生徒会には生徒会を。ウェンゼル公立学園の生徒会がやってくるなら、こっちもメイちゃんを守るための生徒会を作ればいい」
と、エルは人さし指を立てて言った。
明るい口調でエルは言ったが、目は笑っていない。
対するアキトは丁寧な物腰ながらも、全くひるまなかった。
「申し訳ありません。プリスタイン公爵より、こちらのお手紙を至急ティアメイ様にお渡しするよう命があったものですから」
「お父様から?」
私が手を差し出すと、アキトは「こちらです」とクリーム色の封筒を手渡した。
封蝋は――ウェンゼル公爵家の紋章が刻まれていた。
【プリスタイン公立学園 眼鏡科 学園長 ティアメイ・A・L・C・プリスタイン様
ご機嫌うるわしゅう存じます。
このたび我がウェンゼル公立学園普通科は、他学園との交流会を企画しております。
お互いがお互いの学校に出向き、優秀な人材の交流を図り、それぞれの良いところを学び取り入れる機会にしたいと考えております。
つきましては、『最高の公立学園』『プリスタインの至宝』と誉れ高い御校との交流会をぜひお願いできないでしょ
うか。
日程調整等の事務手続きや費用に関しては、全てこちらで請け負わせていただきます。
ご検討の上、よい返事をいただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
ウェンゼル公立学園 普通科 学園長 ヴィクター・R・W・J・ウェンゼル
P・S
弊校には生徒会があり、生徒会長は愚息オスカーが務めております。
才媛と名高い学園長とお会いできる機会を、とても楽しみにしております。】
やばい、やばすぎる。
手紙を読みながら、我ながら顔が青ざめるのが分かった。
これって、もしかしなくてもリベンジだよね?
体調不良でお見合いを延期して、そのまま自然消滅しようとしたから、オスカーが次の手を打ってきたってことよね?
ああああああどうしよう!
「おお~なりふり構わず来たね」
手紙を覗き込んだエルが、隣で面白そうに笑っている。
「どうする? 今から放浪の旅にでも出る?」
「いや、それはさすがにちょっと……」
私は口ごもった。
どうやら、思っていたより状況は甘くなかったみたい。
「多分、向こうは本気だよ。メイちゃんを手に入れるために、どんな手でも使ってくる。回避したいなら、それなりの対策をしないとね」
「対策って? 何か策があるの?」
「まあね~」
私は藁にもすがる気持ちで、エルの制服の袖を引っ張った。
「教えて、エル! お願い!」
「ん~どうしよっかな? なんてね、いいよ。俺も、もうちょっとメイちゃんと遊びたいし」
赤縁眼鏡の奥で、漆黒の瞳が細まる。
「俺のアイディアを言うね。目には目を、歯には歯を、生徒会には生徒会を。ウェンゼル公立学園の生徒会がやってくるなら、こっちもメイちゃんを守るための生徒会を作ればいい」
と、エルは人さし指を立てて言った。
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