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第3章 自称雷帝にして鵺(ぬえ)の娘(名はまだない)
自称雷帝の訪問2
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そして最近はずっと呼ばれていない。
あいつは相変わらず父上の下を訪ねておるのに。
そして今回もまた。
そして前回の来訪の後、聞き捨てならぬ噂を耳にした。
『国王と雷帝が恋人同士である』との。
そんなことがあろうか、とは想う。
確かにあいつは男を好むとの噂があったが。
しかし、あくまで『人外の』との条件付きでなかったか。
もしかして、父上は人外なのだろうか?
などという、ありえぬことまで、一時は疑う始末であった。
なら、私はどうなる?
魔道を使えるのは人のみで、人外は使えない。
皆の知るところである。
もし父上が人外なら、魔道が使える私は父上の子ではない、ということになる。
さすがに、これは私の妄想であるとなった。
そもそも父上は女好きであった。
母様以外にも何人も側室がおった。
それゆえ他に娘もおる。
私に対しては、本当の娘はお前一人だなどと言うが。
それが、母様がおらぬ私に対する優しさと思いやりのゆえ、
とはさすがに私も気付く。
他国には、妃を持つものの、実は男好きという王もおるとは聞く。
しかし、父上はそんな風には見えなかった。
これだけ身近におれば、いくら何でも気付こう。
あるいは、あいつは特別ということか。
私には良く分からぬが、宮女たちによれば、あいつはすこぶるつきの美男ということである。
『ねえ。ねえ。
人外好きとか男好きとか、言われているけど、
もし誘われたら、どうする?
ねえ、どうする?』
というのが、あいつが訪れた時の彼女たちのもっぱらの話題のようであった。
父上もあいつの魅力にやられてしまったのか?
もう一つある。
父上とあいつのつながりといえば、母様である。
もしかして母様との思い出をしのんで、なぐさめ合っておるうちに、そういう関係になってしまったのか?
あんなことやこんなことをしておるのか?
もしそうならば、母様への冒涜であろう。
それに全てが私の勘違いとしても、父上とあいつは、そのなぐさめ合いに私を入れるべきではないか。
無論父上とあいつと私で、あんなことやこんなことをしようなんてことではない。
その思い出を私に語るべきではないか、と言いたいのである。
といって、父上であれ、あいつであれ、直接問う訳には行かない。
私の勘違いだったらどうなる。
これほどの面目丸つぶれはない。
何と下品な妄想をする娘などと、父に想われたくないことは無論のこと。
加えて、あいつが、たとえ笑い話としてでさえ、他の者に言いふらしでもしようものなら、私の評判は地に落ちよう。
とにかく、まずは現場を押さえることである。
あいつは相変わらず父上の下を訪ねておるのに。
そして今回もまた。
そして前回の来訪の後、聞き捨てならぬ噂を耳にした。
『国王と雷帝が恋人同士である』との。
そんなことがあろうか、とは想う。
確かにあいつは男を好むとの噂があったが。
しかし、あくまで『人外の』との条件付きでなかったか。
もしかして、父上は人外なのだろうか?
などという、ありえぬことまで、一時は疑う始末であった。
なら、私はどうなる?
魔道を使えるのは人のみで、人外は使えない。
皆の知るところである。
もし父上が人外なら、魔道が使える私は父上の子ではない、ということになる。
さすがに、これは私の妄想であるとなった。
そもそも父上は女好きであった。
母様以外にも何人も側室がおった。
それゆえ他に娘もおる。
私に対しては、本当の娘はお前一人だなどと言うが。
それが、母様がおらぬ私に対する優しさと思いやりのゆえ、
とはさすがに私も気付く。
他国には、妃を持つものの、実は男好きという王もおるとは聞く。
しかし、父上はそんな風には見えなかった。
これだけ身近におれば、いくら何でも気付こう。
あるいは、あいつは特別ということか。
私には良く分からぬが、宮女たちによれば、あいつはすこぶるつきの美男ということである。
『ねえ。ねえ。
人外好きとか男好きとか、言われているけど、
もし誘われたら、どうする?
ねえ、どうする?』
というのが、あいつが訪れた時の彼女たちのもっぱらの話題のようであった。
父上もあいつの魅力にやられてしまったのか?
もう一つある。
父上とあいつのつながりといえば、母様である。
もしかして母様との思い出をしのんで、なぐさめ合っておるうちに、そういう関係になってしまったのか?
あんなことやこんなことをしておるのか?
もしそうならば、母様への冒涜であろう。
それに全てが私の勘違いとしても、父上とあいつは、そのなぐさめ合いに私を入れるべきではないか。
無論父上とあいつと私で、あんなことやこんなことをしようなんてことではない。
その思い出を私に語るべきではないか、と言いたいのである。
といって、父上であれ、あいつであれ、直接問う訳には行かない。
私の勘違いだったらどうなる。
これほどの面目丸つぶれはない。
何と下品な妄想をする娘などと、父に想われたくないことは無論のこと。
加えて、あいつが、たとえ笑い話としてでさえ、他の者に言いふらしでもしようものなら、私の評判は地に落ちよう。
とにかく、まずは現場を押さえることである。
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