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王立魔法学園編Ⅱ
再燃
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布と布が擦れる音がして目を覚まし、天井と目が合う。
「……そっか。魔力が尽きて寝ちゃってたのか」
工房の中の魔道具らしきものが乗っかっていた場所はベッドだったようで私はベッドに横にされていた。
その薄暗い工房の中でせっせと作業をするターシャさんの姿があった。
起き上がりターシャさんの元へ向かう。
「おや、目を覚ましたかい?」
私が起きたのに気付いたのか一度こちらを見て話すと再び作業に戻っている。
何を作っているのか覗いてみると、それは私が寝ていたベッドに置かれていた作りかけの人形だった。
「どうやら魔力が切れて力尽きたみたいです。すみません」
「こちらこそ済まなかったねぇ。まさか本当に三歳児以下の魔力量だとは思わなかったよ」
でしょうね。私はこの世界の人間ではないから魔力量も驚くほど少ないのだろう。
「私が編み物に集中し過ぎてたのが悪いんで気にしないでください。所で何を作ってるんですか?」
ターシャさんの着ている濃い紫色と同じ色のワンピースを着た長髪金髪の女の子の人形。
きっとそれも魔道具の一種なのかな?
「恥ずかしい話だけど、老いるまであたいは魔道具とアーティファクトにしか目がなくてね。でもある時、ふとこう思ったんだ『子供が欲しい』ってね」
返ってきた言葉は意外なもので、ターシャさんはおばあちゃんになってから子供が欲しくなったそう。
私も何かに熱中しちゃったりして気が付いたら婚期を逃し、子供が欲しくても産めないほど老いてしまったりしちゃいそうだね。
ターシャさんを反面教師にしよう。
「それで作ってはみたんだが、魔道具レベルしか作れないあたいには人間そっくりの人形を作るのは厳しいと諦めてたんだ」
過去形になってるの少し気になるね?
「でもマリアを見てたらまた再燃してね」
「は、はぁ。私、お人形っぽいんですか?」
「人形どころか結婚も出産もしてないのにまるで孫が出来た気分だね」
ターシャさんも私と同じことを考えていたようだ。
それを聞いて思い出す。
「あ、それで魔法の木箱に沢山魔石なんかをくれたんですね。お礼を言い忘れてました。ありがとうございます」
孫という単語を聞いて今朝初めに言おうてしていたことを思い出し、ターシャさんに頭を下げてお礼を言う。
「あたいが好きでやってるんだから気にしないでおくれ」
「それでもお礼は大事です」
感謝の気持ちは伝えないと本人には伝わらないからね。
「ほほっ、マリアは律儀だね」
まるで本当に孫を見るような目で私を見つめ何が面白かったのか分からないけど笑われた。
少し気恥しさもある。
「普通ですけどね。それでその髪を縫い終われば完成なんですか?」
なので人形が完成するのか訊ねる。
「人形としてはこれで完成だろうね。はい、これ。今日の分だよ。もう外は真っ暗になってしまったからすぐにお帰り」
「おおっと!? もうそんな時間でしたか、ありがとうございます。ターシャさん、また来ますね」
人形を作る手を止め、ターシャさんは私に金貨が入った小袋を手渡してくる。
前回は魔法の木箱に入れていたので重たく感じなかったけど、今回はずっしりして重い。
ほとんど寝てたようなもんだけどこんなに貰っても大丈夫なのかな?
なんて思うが聞くのは返ってターシャさんに悪いはず。
私は笑顔でお礼を言うとすぐにターシャさんのお店を出る。
隣のお花屋さんからは今日の夕食なのか美味しそうな匂いが鼻をくすぐる。
私も早く帰ってご飯を食べねば!
「……そっか。魔力が尽きて寝ちゃってたのか」
工房の中の魔道具らしきものが乗っかっていた場所はベッドだったようで私はベッドに横にされていた。
その薄暗い工房の中でせっせと作業をするターシャさんの姿があった。
起き上がりターシャさんの元へ向かう。
「おや、目を覚ましたかい?」
私が起きたのに気付いたのか一度こちらを見て話すと再び作業に戻っている。
何を作っているのか覗いてみると、それは私が寝ていたベッドに置かれていた作りかけの人形だった。
「どうやら魔力が切れて力尽きたみたいです。すみません」
「こちらこそ済まなかったねぇ。まさか本当に三歳児以下の魔力量だとは思わなかったよ」
でしょうね。私はこの世界の人間ではないから魔力量も驚くほど少ないのだろう。
「私が編み物に集中し過ぎてたのが悪いんで気にしないでください。所で何を作ってるんですか?」
ターシャさんの着ている濃い紫色と同じ色のワンピースを着た長髪金髪の女の子の人形。
きっとそれも魔道具の一種なのかな?
「恥ずかしい話だけど、老いるまであたいは魔道具とアーティファクトにしか目がなくてね。でもある時、ふとこう思ったんだ『子供が欲しい』ってね」
返ってきた言葉は意外なもので、ターシャさんはおばあちゃんになってから子供が欲しくなったそう。
私も何かに熱中しちゃったりして気が付いたら婚期を逃し、子供が欲しくても産めないほど老いてしまったりしちゃいそうだね。
ターシャさんを反面教師にしよう。
「それで作ってはみたんだが、魔道具レベルしか作れないあたいには人間そっくりの人形を作るのは厳しいと諦めてたんだ」
過去形になってるの少し気になるね?
「でもマリアを見てたらまた再燃してね」
「は、はぁ。私、お人形っぽいんですか?」
「人形どころか結婚も出産もしてないのにまるで孫が出来た気分だね」
ターシャさんも私と同じことを考えていたようだ。
それを聞いて思い出す。
「あ、それで魔法の木箱に沢山魔石なんかをくれたんですね。お礼を言い忘れてました。ありがとうございます」
孫という単語を聞いて今朝初めに言おうてしていたことを思い出し、ターシャさんに頭を下げてお礼を言う。
「あたいが好きでやってるんだから気にしないでおくれ」
「それでもお礼は大事です」
感謝の気持ちは伝えないと本人には伝わらないからね。
「ほほっ、マリアは律儀だね」
まるで本当に孫を見るような目で私を見つめ何が面白かったのか分からないけど笑われた。
少し気恥しさもある。
「普通ですけどね。それでその髪を縫い終われば完成なんですか?」
なので人形が完成するのか訊ねる。
「人形としてはこれで完成だろうね。はい、これ。今日の分だよ。もう外は真っ暗になってしまったからすぐにお帰り」
「おおっと!? もうそんな時間でしたか、ありがとうございます。ターシャさん、また来ますね」
人形を作る手を止め、ターシャさんは私に金貨が入った小袋を手渡してくる。
前回は魔法の木箱に入れていたので重たく感じなかったけど、今回はずっしりして重い。
ほとんど寝てたようなもんだけどこんなに貰っても大丈夫なのかな?
なんて思うが聞くのは返ってターシャさんに悪いはず。
私は笑顔でお礼を言うとすぐにターシャさんのお店を出る。
隣のお花屋さんからは今日の夕食なのか美味しそうな匂いが鼻をくすぐる。
私も早く帰ってご飯を食べねば!
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