26 / 184
王位継承権への道
光の洗礼(4)
しおりを挟む
数十分前…
リーミアが居なくなってしばらくして、アルメトロスが再び現れて椅子に腰かける。
「セフィー殿よ。そなたに依頼したい事があります」
「はい、何でしょうか?」
「セルティスの剣が眠る祠へ行って頂きたい」
「私にですか?そもそも彼女は、まだ光の紋様を授かっておりませんが?」
「ここに居る者で、彼女が他の少女達と同じ、別物だと考えている者などおられまい。そう想いであろう…ティオロ殿?」
初対面で、いきなり名前を当てられたティオロは深く頭を下げながら「はい」と、一言返事をする。
(流石だ大神官、既にここにいる人物の事は既に知り尽くしている様だ)
セフィーは驚きながら思った。
「何よりも、彼女にはセルティスの剣が必要となられます。今後の状況次第では、彼女の持つ力が我が国の命運にも関わって来ます」
その言葉に周囲は沈黙の雰囲気に飲み込まれた。
「それは…一体?」
セフィーが尋ねる。
「確証では無いが、この国を蝕む輩が国内の何処かで暗躍しながら潜んでおります。王家もそれに気付き、様々な調査をしておられますが…時と場合によっては、国が大きく動く事態にもなりかねないかと思います」
「なるほど、そうでしたか…」
「私としては、リムア姫の奇行を再現させたくはありませんので、光の紋様を授かった後は、彼女をしばらく神殿に預からせて頂きたいと思います。現在の彼女なら短い期間で11の魔法習得は可能だと私は思います。その為、魔法習得の期間は我々神殿が責任を持って預かります。何よりも神殿は結界が張られて居ますから魔剣士が、彼女の居場所を探して襲って来る事も無いでしょう。その様に考えておりますが…よろしいですねティオロ殿?」
「え…?何で僕に聞くの?」
その返事に周囲から笑い声が聞こえる。
「では…」
大神官は席を立つ。
「彼女の光の紋様を授かる瞬間を、皆で見届けに行きましょうか?」
彼はそう言うと、皆を引き連れて聖堂のある場所へと案内させる。彼等が聖堂内へと入ると、石碑が在る祭壇を前に、これから光の洗礼を始めようとしていた。
儀式が始まると、石碑から光が発せられて、その輝きが次第に強くなり、全員目が開けられない程の眩しさに取り囲まれる。
僅か数十秒の光の後、洗礼の儀式を行った女性が腰を抜かして、その場に座り込んでしまった。凄まじいまでの光に驚いて神殿内の神官達が慌てた様子で聖堂へと集まって来た。儀式が終えたリーミアが彼等の前へと戻って来る。
「私…光の紋様授けられたのですか?」
「ああ、そうだよ。額に美しい紋様が刻まれているよ」
「おめでとう」
ティオロが祝いの言葉を掛けると、彼女は彼を見つめた。
「一般人の生活が出来なくなってしまったわね」
「君には似合わない生活だよ」
その言葉に彼女は微笑んだ。
「お見事ですリーミア殿、これをご覧下さい」
大神官が側に居た神官から鏡を受け取り、それを手渡す。鏡を受け取ったリーミアは自分の顔を見つめる。そこには額に不思議な紋様が刻まれていた。ふと…大神官や、上級神官を見ると、同じ様な紋様を額に刻まれて居る。
「その紋様こそ、光の魔法を受け継ぎし者の証です。貴女はこれから11の光の魔法を覚える為に、神殿で鍛錬を行ってもらいます」
「分かりました。ご指導宜しくお願いします」
リーミアは、大神官に向かって深くお辞儀をする。
彼女は、神殿内にいる若い神官達からしても初の石碑から紋様を授かった人である為。皆に取り囲まれて、祝いの言葉を掛けられる。
その傍らで、ティオロはセフィーとアーレスと一緒に少し離れた位置に居た。
「ねえ、彼女が光の洗礼を受けて、光の紋様を授かったのなら、もう…彼女が正式な王女様として認定されても良いのではないの?」
その言葉にアーレスがティオロに向かって話す。
「代理王の継承権は、王女復活を前提として行われているけど、その期間に王女復活が認められても、王位争奪の競技は行われる設定だよ。仮に誠の王が誕生した場合は、王女様が即位するのは約10年後になる」
「どうしてなの、本物の王女様が目の前に居ても、認められないの?」
「その本物の王女様は、武芸や魔術が優れている。仮に王位継承の競技に参加しても、最終戦まで勝ち残れる筈。それを見越して神殿と国が競技は続行すると認めている。彼女が仮に最終戦まで勝ち残れなければ、紛い物として扱われるであろう。しかし…彼女が今後光の魔法を身に付けて、王位継承を勝ち取れば、本物の王女として君臨し、王位継承の競技もそれで幕を降ろすと、リムア姫消滅後の時代から決められて居るのだよ」
「そうなんだ…」
その時、ふと…ある事が彼の脳裏を横切った。
「それにしても…随分と詳しいですね?」
ティオロは風変わりなアーレスに向かって言う。
「ああ…いや、何、ちょっと先日色んな書物を読んでいる時に、たまたま知った事だよ。ハハハ」
慌てた素振りでアーレスは答える。
彼の仕草を見たセフィーは溜息交じりに(全く、コイツは…)と、少し呆れた様子で見ていた。
儀式が終えた後、大神官とリーミア、それに同行していた皆が広間に戻って来た。それに参列するかの様に、彼女に興味を持った神官達が集まり、既に広間に収まらない状態になっていた。
「リーミア殿、今後、しばらくの間は、7つの光の魔法の習得に励んで欲しい。そして貴女の付き添い人を紹介しましょう。サリサこちらへ」
「はい」
大神官に呼ばれて、美しく若い女神官が彼等の前に現れた。
品やかな身体に凛とした顔立ち、額には光の紋様が刻まれている。赤毛で長い髪を垂らしている。サリサと呼ばれた女神官は、他の神官とは少し違い、甲冑を身に纏っていた。彼女の腰には細身の剣が鞘に収められている。首には虹色のペンダントが掲げられていた。
「紹介しよう、神官剣士のサリサだ」
「宜しくお願いします」
彼女は一同を前にして、深く礼をする。
「綺麗なお姉さんだなぁ…」
ティオロが呟くと「ムッ!」と、リーミアは彼を睨んだ。
その後方でセフィーはレンティに向かって話す。
「神官剣士とは?」
「一般的には、神官の大半の職業は回復系が主だが、中には武芸に励んでいる者もいる。彼女はそう言った類の職業に特化した者だろう。護衛役を務める程だから実力は相当な者だろう」
「彼女、虹色のペンダントを掲げているな」
セフィーの言葉にアーレスが話し掛ける。
「ああ、王国騎士団もそうだが、彼等は王位継承の競技には参加しない意味で、虹色のペンダントを掲げているのだ。王国騎士団や神官剣士が参加したら、彼等だけでの競技になりかねないからね。競技に参加させない意味で、あの特殊なペンダントがあるのだよ。それにしてもサリサが護衛役か…まあ、彼女なら大丈夫だろう、安心して任せても良いかと思うよ」
「へえ…何だ知り合いなのか?」
「まあ、ちょっとね…」
セフィーとアーレスの会話を聞いていた彼女がチラッとアーレスと視線を合わせて、クスッと微笑んだ。
アーレスはサリサが自分の方を見ていると気付くと、わざと視線を逸らした。
神殿に集まっていた一同は、その日の用事も終わり神殿の外へと出た。既に外は夕闇が広がって、薄暗くなっていた。
「所で…リーミアが光の紋様を授かり、王女様の転生者と言うのが確定された後って、光の洗礼はどうなるの?」
ティオロはレンティに何気ない質問をする。
「確定されても、王位に即位しない限り、光の洗礼は続くらしいよ」
「それって、つまり…何処の馬の骨かも分からない人を王位に授ける事なの?」
「出掛ける前にも話したが…正式な光の洗礼で紋様を授かるのは、正統な王家の者と大神官しかいない。洗礼だけ受けるなら、神殿は今後も続けるが。リーミアちゃんが、王位に即位しない限り、転生者かも知れないと言う意味での洗礼も続行する予定だよ」
「でも…仮に、たまたま洗礼しに来た子が、光の紋様を授かちゃったらどうするの?」
「光の洗礼は、単に王位継承だけのものではありません。純粋で清らかな心の持ち主を見抜き、相応しい人を選ぶ儀式の場でもあります」
サリサがティオロに話し掛けて来た。
「自分が王女の転生者かも知れない…等と人から言われて光の洗礼に訪れる様な輩に、王女様の様な心を持つ者等おりません。光の洗礼とは、神聖な儀式の場でもあり、不純な心や、不心得が一片でもある者には、どんなに頑張ろうとも光の紋様を授かることは不可能です」
それを聞いたティオロは、リーミアが神殿に来たのもセルティスの剣を手にするのが目的であって、王女に即位する目的では無かったのを思い出す。
(純粋で清らかね…)チラッとティオロはリーミアを見ると、彼女は何かを悟ったかの様にジロッとティオロを睨み付けつる。
下手な口出しをすると、何をされるのか分からないから、少し離れた位置に移動する。
「今日は皆様お帰りください。私も明日に王女様が利用している宿に挨拶しに行きます」
「あ…あのぉ…」
リーミアが少し戸惑いながらサリサに声を掛ける。
「何か…?」
「王女様と言う呼び方、止めて頂けますか?」
「何故でしょうか?」
「まだ、正式に王位に即位した訳ではないので、その呼び方は少し不自然かと…」
「かしこまりました。では…リーミア様と、呼ばせて頂きます」
(様も必要ないけど…)
リーミアは敢えて、それは言わずに居た。彼女に付き添う面々は、事が一段落すると夕闇と共に神殿を後にして解散する事にした。
リーミアが居なくなってしばらくして、アルメトロスが再び現れて椅子に腰かける。
「セフィー殿よ。そなたに依頼したい事があります」
「はい、何でしょうか?」
「セルティスの剣が眠る祠へ行って頂きたい」
「私にですか?そもそも彼女は、まだ光の紋様を授かっておりませんが?」
「ここに居る者で、彼女が他の少女達と同じ、別物だと考えている者などおられまい。そう想いであろう…ティオロ殿?」
初対面で、いきなり名前を当てられたティオロは深く頭を下げながら「はい」と、一言返事をする。
(流石だ大神官、既にここにいる人物の事は既に知り尽くしている様だ)
セフィーは驚きながら思った。
「何よりも、彼女にはセルティスの剣が必要となられます。今後の状況次第では、彼女の持つ力が我が国の命運にも関わって来ます」
その言葉に周囲は沈黙の雰囲気に飲み込まれた。
「それは…一体?」
セフィーが尋ねる。
「確証では無いが、この国を蝕む輩が国内の何処かで暗躍しながら潜んでおります。王家もそれに気付き、様々な調査をしておられますが…時と場合によっては、国が大きく動く事態にもなりかねないかと思います」
「なるほど、そうでしたか…」
「私としては、リムア姫の奇行を再現させたくはありませんので、光の紋様を授かった後は、彼女をしばらく神殿に預からせて頂きたいと思います。現在の彼女なら短い期間で11の魔法習得は可能だと私は思います。その為、魔法習得の期間は我々神殿が責任を持って預かります。何よりも神殿は結界が張られて居ますから魔剣士が、彼女の居場所を探して襲って来る事も無いでしょう。その様に考えておりますが…よろしいですねティオロ殿?」
「え…?何で僕に聞くの?」
その返事に周囲から笑い声が聞こえる。
「では…」
大神官は席を立つ。
「彼女の光の紋様を授かる瞬間を、皆で見届けに行きましょうか?」
彼はそう言うと、皆を引き連れて聖堂のある場所へと案内させる。彼等が聖堂内へと入ると、石碑が在る祭壇を前に、これから光の洗礼を始めようとしていた。
儀式が始まると、石碑から光が発せられて、その輝きが次第に強くなり、全員目が開けられない程の眩しさに取り囲まれる。
僅か数十秒の光の後、洗礼の儀式を行った女性が腰を抜かして、その場に座り込んでしまった。凄まじいまでの光に驚いて神殿内の神官達が慌てた様子で聖堂へと集まって来た。儀式が終えたリーミアが彼等の前へと戻って来る。
「私…光の紋様授けられたのですか?」
「ああ、そうだよ。額に美しい紋様が刻まれているよ」
「おめでとう」
ティオロが祝いの言葉を掛けると、彼女は彼を見つめた。
「一般人の生活が出来なくなってしまったわね」
「君には似合わない生活だよ」
その言葉に彼女は微笑んだ。
「お見事ですリーミア殿、これをご覧下さい」
大神官が側に居た神官から鏡を受け取り、それを手渡す。鏡を受け取ったリーミアは自分の顔を見つめる。そこには額に不思議な紋様が刻まれていた。ふと…大神官や、上級神官を見ると、同じ様な紋様を額に刻まれて居る。
「その紋様こそ、光の魔法を受け継ぎし者の証です。貴女はこれから11の光の魔法を覚える為に、神殿で鍛錬を行ってもらいます」
「分かりました。ご指導宜しくお願いします」
リーミアは、大神官に向かって深くお辞儀をする。
彼女は、神殿内にいる若い神官達からしても初の石碑から紋様を授かった人である為。皆に取り囲まれて、祝いの言葉を掛けられる。
その傍らで、ティオロはセフィーとアーレスと一緒に少し離れた位置に居た。
「ねえ、彼女が光の洗礼を受けて、光の紋様を授かったのなら、もう…彼女が正式な王女様として認定されても良いのではないの?」
その言葉にアーレスがティオロに向かって話す。
「代理王の継承権は、王女復活を前提として行われているけど、その期間に王女復活が認められても、王位争奪の競技は行われる設定だよ。仮に誠の王が誕生した場合は、王女様が即位するのは約10年後になる」
「どうしてなの、本物の王女様が目の前に居ても、認められないの?」
「その本物の王女様は、武芸や魔術が優れている。仮に王位継承の競技に参加しても、最終戦まで勝ち残れる筈。それを見越して神殿と国が競技は続行すると認めている。彼女が仮に最終戦まで勝ち残れなければ、紛い物として扱われるであろう。しかし…彼女が今後光の魔法を身に付けて、王位継承を勝ち取れば、本物の王女として君臨し、王位継承の競技もそれで幕を降ろすと、リムア姫消滅後の時代から決められて居るのだよ」
「そうなんだ…」
その時、ふと…ある事が彼の脳裏を横切った。
「それにしても…随分と詳しいですね?」
ティオロは風変わりなアーレスに向かって言う。
「ああ…いや、何、ちょっと先日色んな書物を読んでいる時に、たまたま知った事だよ。ハハハ」
慌てた素振りでアーレスは答える。
彼の仕草を見たセフィーは溜息交じりに(全く、コイツは…)と、少し呆れた様子で見ていた。
儀式が終えた後、大神官とリーミア、それに同行していた皆が広間に戻って来た。それに参列するかの様に、彼女に興味を持った神官達が集まり、既に広間に収まらない状態になっていた。
「リーミア殿、今後、しばらくの間は、7つの光の魔法の習得に励んで欲しい。そして貴女の付き添い人を紹介しましょう。サリサこちらへ」
「はい」
大神官に呼ばれて、美しく若い女神官が彼等の前に現れた。
品やかな身体に凛とした顔立ち、額には光の紋様が刻まれている。赤毛で長い髪を垂らしている。サリサと呼ばれた女神官は、他の神官とは少し違い、甲冑を身に纏っていた。彼女の腰には細身の剣が鞘に収められている。首には虹色のペンダントが掲げられていた。
「紹介しよう、神官剣士のサリサだ」
「宜しくお願いします」
彼女は一同を前にして、深く礼をする。
「綺麗なお姉さんだなぁ…」
ティオロが呟くと「ムッ!」と、リーミアは彼を睨んだ。
その後方でセフィーはレンティに向かって話す。
「神官剣士とは?」
「一般的には、神官の大半の職業は回復系が主だが、中には武芸に励んでいる者もいる。彼女はそう言った類の職業に特化した者だろう。護衛役を務める程だから実力は相当な者だろう」
「彼女、虹色のペンダントを掲げているな」
セフィーの言葉にアーレスが話し掛ける。
「ああ、王国騎士団もそうだが、彼等は王位継承の競技には参加しない意味で、虹色のペンダントを掲げているのだ。王国騎士団や神官剣士が参加したら、彼等だけでの競技になりかねないからね。競技に参加させない意味で、あの特殊なペンダントがあるのだよ。それにしてもサリサが護衛役か…まあ、彼女なら大丈夫だろう、安心して任せても良いかと思うよ」
「へえ…何だ知り合いなのか?」
「まあ、ちょっとね…」
セフィーとアーレスの会話を聞いていた彼女がチラッとアーレスと視線を合わせて、クスッと微笑んだ。
アーレスはサリサが自分の方を見ていると気付くと、わざと視線を逸らした。
神殿に集まっていた一同は、その日の用事も終わり神殿の外へと出た。既に外は夕闇が広がって、薄暗くなっていた。
「所で…リーミアが光の紋様を授かり、王女様の転生者と言うのが確定された後って、光の洗礼はどうなるの?」
ティオロはレンティに何気ない質問をする。
「確定されても、王位に即位しない限り、光の洗礼は続くらしいよ」
「それって、つまり…何処の馬の骨かも分からない人を王位に授ける事なの?」
「出掛ける前にも話したが…正式な光の洗礼で紋様を授かるのは、正統な王家の者と大神官しかいない。洗礼だけ受けるなら、神殿は今後も続けるが。リーミアちゃんが、王位に即位しない限り、転生者かも知れないと言う意味での洗礼も続行する予定だよ」
「でも…仮に、たまたま洗礼しに来た子が、光の紋様を授かちゃったらどうするの?」
「光の洗礼は、単に王位継承だけのものではありません。純粋で清らかな心の持ち主を見抜き、相応しい人を選ぶ儀式の場でもあります」
サリサがティオロに話し掛けて来た。
「自分が王女の転生者かも知れない…等と人から言われて光の洗礼に訪れる様な輩に、王女様の様な心を持つ者等おりません。光の洗礼とは、神聖な儀式の場でもあり、不純な心や、不心得が一片でもある者には、どんなに頑張ろうとも光の紋様を授かることは不可能です」
それを聞いたティオロは、リーミアが神殿に来たのもセルティスの剣を手にするのが目的であって、王女に即位する目的では無かったのを思い出す。
(純粋で清らかね…)チラッとティオロはリーミアを見ると、彼女は何かを悟ったかの様にジロッとティオロを睨み付けつる。
下手な口出しをすると、何をされるのか分からないから、少し離れた位置に移動する。
「今日は皆様お帰りください。私も明日に王女様が利用している宿に挨拶しに行きます」
「あ…あのぉ…」
リーミアが少し戸惑いながらサリサに声を掛ける。
「何か…?」
「王女様と言う呼び方、止めて頂けますか?」
「何故でしょうか?」
「まだ、正式に王位に即位した訳ではないので、その呼び方は少し不自然かと…」
「かしこまりました。では…リーミア様と、呼ばせて頂きます」
(様も必要ないけど…)
リーミアは敢えて、それは言わずに居た。彼女に付き添う面々は、事が一段落すると夕闇と共に神殿を後にして解散する事にした。
0
あなたにおすすめの小説
男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる
暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。
授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身、動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物や魔法、獣人等が当たり前に存在する異世界に転移させられる。
彼が送るのは、時に命がけの戦いもあり、時に仲間との穏やかな日常もある、そんな『冒険者』ならではのスローライフ。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練とは如何なるものか。
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ある平凡な女、転生する
眼鏡から鱗
ファンタジー
平々凡々な暮らしをしていた私。
しかし、会社帰りに事故ってお陀仏。
次に、気がついたらとっても良い部屋でした。
えっ、なんで?
※ゆる〜く、頭空っぽにして読んで下さい(笑)
※大変更新が遅いので申し訳ないですが、気長にお待ちください。
★作品の中にある画像は、全てAI生成にて貼り付けたものとなります。イメージですので顔や服装については、皆様のご想像で脳内変換を宜しくお願いします。★
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる