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聖魔剣奪還
訓練所(2)
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リーミアは大男に言われて訓練所へと向かった。その時、受付のレナが慌てながら飛び込んで来た。
「ちょっとあなた達こんな場所で決闘するのは辞めなさい!もし……やるなら剣等の武器は使わずにやってよ!」
「最初から、そのつもりだよ」
大男は、訓練用の棒を持って言う。
彼に味方する複数の男性達は「へへへ……」と、他人を嘲笑う様な笑みでリーミアを見ていた。
「おい、お前が勝ったら彼女のグループの権限を頂けるんだろ?」
「それを賭けての勝負だ」
「いいね、かわい子ちゃんだけを取り揃えたハーレムなグループ、想像しただけでも興奮しちゃうぜ!」
「ああ、任せろ、あんな小娘直ぐに倒してやる。俺を相手にした事で、ヒーヒー泣く姿が目に浮かぶよ」
外で待機していた神官剣士が、リーミアが中に入ったきり出てこないのを不思議に思い、集会所に入って来た。彼等はリーミアが男性と勝負する光景を見て驚いた。
「これは……何があったのですか?」
側にいたレトラにシャリナが話し掛ける。
「ちょっとね、俺のせいで騒動が起きちゃって……盟主が相手と勝負する事になったんだ。剣とか使わない勝負だよ」
「そう……だったの……」
神官剣士達は不安そうな表情でリーミアを見つめる。
「行くぜ!」
大男が勢い良く突進して来た。
リーミアは、相手が振り落として来た棍棒を片手で軽く受け止める。
「何ー!」
驚いた大男の懐に空いてる手を押し当てると……
ボンッ!
彼は仲間の居る場所まで弾き飛ばされる。
「え……?」
仲間達は唖然とした表情で彼を見つめた。
「何が起きたの?」
レトラは一瞬の出来事に目を丸くした。
「体術の技で、波動を使ったのです。しかも……相手が重症を行わない様に柔らかめに放ちましたね」
「そう……なの?」
「あの方の実力なら、実戦で数十体の魔物を弾く事が可能です。今飛ばされた感じだと、指1本で弾いたのかもしれませんね」
「え……指1本で、あんなに飛ばせるの?」
レトラは唖然とした表情で見た。
「もう終わり?まだやるなら相手するわよ」
「おのれー!」
大男は苛立って、起き上がり勢い良く走って行き、リーミアに向けて激しく棍棒を振り回す。リーミアは相手の動きを読み切り、素早く攻撃を交わす。
「うわ……相手の攻撃が激しくて盟主、全然手も足も出ないや……」
レトラが驚いた表情をしながら見ている傍らで、神官剣士達は関心した表情で勝負を眺めていた。
「流石ですね」
「ああ、全く驚きだ。あれで僕らとは、そんなに歳が離れていないって言うのだから凄いよ」
レトラは、彼等が何を話しているのか気になった。
「どうしたのですか?」
「君達の盟主が圧倒的に優勢と話していたんだよ」
「優勢って……大男にあんなに、攻撃されているのに……何故です?」
「良く彼女の足元を見てごらん」
レーメが、レトラに彼女の位置を示す。
「あれだけ、相手が攻撃していても、リーミア様は一歩も立ち位置が変わっていないだろ?」
「ああッ、本当だ!」
そう言われてレトラは初めて、その事に気付く。
「毅然とした姿で、一切の乱れが無く、的確に相手の攻撃を交わし、しかも最低限の動きで避けている。相当訓練しなければ成せない技だ。それに対して相手は既に息が上がって来て、動きにも無駄が多い。もう勝負は決まったも同然だ」
レーメが言う間に、周囲から「おおー!」と、どよめきが走った。
「うそ……」
シャリナが目を丸くしながら驚いた。
リーミアは片手で、大男を棍棒を握っている手と一緒に真上へと持ち上げる。
体格差や体重……全て相手の方が上なのに、それを感じさせないかの様に、リーミアは軽く持ち上げた。
「どう言う事なの?」
「魔力による力だね。こんな事、普通の魔術師でも難しいよ」
流石のレーメも少し驚いた様子だった。
リーミアは大男を持ち上げると、そのまま上空へと投げ飛ばす。
「うわー!」
大男が叫びながら落下して来る。
「きゃっ!」
シャリナが恐ろしくて目を閉じた。
その瞬間だった、リーミアは魔法で大男が落下する寸前、彼をゆっくりと落ちる様にさせて、地面へと下ろす。
地面に着地した彼は呆然とした表情で座り込んだ。
砂埃で汚れた彼の衣服を払うと、リーミアは改めて大男に声を掛ける。
「どう……気は済んだかしら?」
「え、ああ……はい」
彼はリーミアに敵わないと判断すると、声を低くしながら返事をする。ひとまず勝敗が決したとなると、彼の仲間達は終始無言のままリーミアを見ていた。
「では、私達はこれで失礼するわね」
そう言うとリーミアは皆が待つ方へと歩いて行く。
「あ疲れ様」
レーメが声を掛ける。
「ありがとう」
レトラが深く礼をしながら言う。
「凄かったわ盟主」
シャリナがリーミアの手を握りながら言う。
リーミアは皆を皆を見て軽く一礼をした。レトラに預けて置いた上着と魔法の杖を受け取ると出発の準備をする。
その時だった。
「おい、待て!」
例の大男が彼女を呼び止める。
大男が相変わらず自分達に絡んでくる事にレトラは少し呆れ返った表情をしていた。
「まだ、何かあるの?」
「うるさい、貴様は黙っていろ!おい、何だっけ、お前……名前は?」
「リーミアよ」
「そう、リーミア……」
「何?」
彼は震えながら、その場に跪いた。
「俺をお前のグループに入れてくれ!」
「ええー!」
レトラとシャリナ、さらに彼の仲間達が一斉に驚いた。
「ちょっとあなた達こんな場所で決闘するのは辞めなさい!もし……やるなら剣等の武器は使わずにやってよ!」
「最初から、そのつもりだよ」
大男は、訓練用の棒を持って言う。
彼に味方する複数の男性達は「へへへ……」と、他人を嘲笑う様な笑みでリーミアを見ていた。
「おい、お前が勝ったら彼女のグループの権限を頂けるんだろ?」
「それを賭けての勝負だ」
「いいね、かわい子ちゃんだけを取り揃えたハーレムなグループ、想像しただけでも興奮しちゃうぜ!」
「ああ、任せろ、あんな小娘直ぐに倒してやる。俺を相手にした事で、ヒーヒー泣く姿が目に浮かぶよ」
外で待機していた神官剣士が、リーミアが中に入ったきり出てこないのを不思議に思い、集会所に入って来た。彼等はリーミアが男性と勝負する光景を見て驚いた。
「これは……何があったのですか?」
側にいたレトラにシャリナが話し掛ける。
「ちょっとね、俺のせいで騒動が起きちゃって……盟主が相手と勝負する事になったんだ。剣とか使わない勝負だよ」
「そう……だったの……」
神官剣士達は不安そうな表情でリーミアを見つめる。
「行くぜ!」
大男が勢い良く突進して来た。
リーミアは、相手が振り落として来た棍棒を片手で軽く受け止める。
「何ー!」
驚いた大男の懐に空いてる手を押し当てると……
ボンッ!
彼は仲間の居る場所まで弾き飛ばされる。
「え……?」
仲間達は唖然とした表情で彼を見つめた。
「何が起きたの?」
レトラは一瞬の出来事に目を丸くした。
「体術の技で、波動を使ったのです。しかも……相手が重症を行わない様に柔らかめに放ちましたね」
「そう……なの?」
「あの方の実力なら、実戦で数十体の魔物を弾く事が可能です。今飛ばされた感じだと、指1本で弾いたのかもしれませんね」
「え……指1本で、あんなに飛ばせるの?」
レトラは唖然とした表情で見た。
「もう終わり?まだやるなら相手するわよ」
「おのれー!」
大男は苛立って、起き上がり勢い良く走って行き、リーミアに向けて激しく棍棒を振り回す。リーミアは相手の動きを読み切り、素早く攻撃を交わす。
「うわ……相手の攻撃が激しくて盟主、全然手も足も出ないや……」
レトラが驚いた表情をしながら見ている傍らで、神官剣士達は関心した表情で勝負を眺めていた。
「流石ですね」
「ああ、全く驚きだ。あれで僕らとは、そんなに歳が離れていないって言うのだから凄いよ」
レトラは、彼等が何を話しているのか気になった。
「どうしたのですか?」
「君達の盟主が圧倒的に優勢と話していたんだよ」
「優勢って……大男にあんなに、攻撃されているのに……何故です?」
「良く彼女の足元を見てごらん」
レーメが、レトラに彼女の位置を示す。
「あれだけ、相手が攻撃していても、リーミア様は一歩も立ち位置が変わっていないだろ?」
「ああッ、本当だ!」
そう言われてレトラは初めて、その事に気付く。
「毅然とした姿で、一切の乱れが無く、的確に相手の攻撃を交わし、しかも最低限の動きで避けている。相当訓練しなければ成せない技だ。それに対して相手は既に息が上がって来て、動きにも無駄が多い。もう勝負は決まったも同然だ」
レーメが言う間に、周囲から「おおー!」と、どよめきが走った。
「うそ……」
シャリナが目を丸くしながら驚いた。
リーミアは片手で、大男を棍棒を握っている手と一緒に真上へと持ち上げる。
体格差や体重……全て相手の方が上なのに、それを感じさせないかの様に、リーミアは軽く持ち上げた。
「どう言う事なの?」
「魔力による力だね。こんな事、普通の魔術師でも難しいよ」
流石のレーメも少し驚いた様子だった。
リーミアは大男を持ち上げると、そのまま上空へと投げ飛ばす。
「うわー!」
大男が叫びながら落下して来る。
「きゃっ!」
シャリナが恐ろしくて目を閉じた。
その瞬間だった、リーミアは魔法で大男が落下する寸前、彼をゆっくりと落ちる様にさせて、地面へと下ろす。
地面に着地した彼は呆然とした表情で座り込んだ。
砂埃で汚れた彼の衣服を払うと、リーミアは改めて大男に声を掛ける。
「どう……気は済んだかしら?」
「え、ああ……はい」
彼はリーミアに敵わないと判断すると、声を低くしながら返事をする。ひとまず勝敗が決したとなると、彼の仲間達は終始無言のままリーミアを見ていた。
「では、私達はこれで失礼するわね」
そう言うとリーミアは皆が待つ方へと歩いて行く。
「あ疲れ様」
レーメが声を掛ける。
「ありがとう」
レトラが深く礼をしながら言う。
「凄かったわ盟主」
シャリナがリーミアの手を握りながら言う。
リーミアは皆を皆を見て軽く一礼をした。レトラに預けて置いた上着と魔法の杖を受け取ると出発の準備をする。
その時だった。
「おい、待て!」
例の大男が彼女を呼び止める。
大男が相変わらず自分達に絡んでくる事にレトラは少し呆れ返った表情をしていた。
「まだ、何かあるの?」
「うるさい、貴様は黙っていろ!おい、何だっけ、お前……名前は?」
「リーミアよ」
「そう、リーミア……」
「何?」
彼は震えながら、その場に跪いた。
「俺をお前のグループに入れてくれ!」
「ええー!」
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