次の日の朝

ゆめゆき

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ベッドにて

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 今日は土曜。二人とも仕事は休みと言うことで、なんとなく一緒に過ごすことになった。
 食後、食器洗いを申し出たが、食洗器があった。
 じゃあ、また…と帰ろうとしたら、引き留められた。
「シャワー、浴びてからにすれば?」
「でも、悪いよ…あっ、そういえばここ、最寄り駅どこ…?」
「□〇駅」
 近いじゃん。よかった。
「なんか用事あるの?ペットでも飼ってる?」
「いや、ないけど…」
「じゃあ、いいじゃん。お昼は、ウーバー頼むかするから…」
「んー」
 千秋は僕の手をきゅっと握って、引き寄せて囁いた。
「もう一回、しよ」
「う、ううん…」
 正直言って、千秋の申し出は魅力的だった。僕は千秋に手を引かれて、二人でバスルームに向かった。



 千秋のベッドで、キスして絡み合って、スプリングを軋ませること数十分。確かに体の相性がいいのを僕は実感した。隣で、呼吸を整える千秋にキスをする。
「んっ…ん…」
 しばらく甘い時間を過ごす。こんなに充足したのは久しぶり。付き合うとまではいかなくても、セフレになってくれないかなあ。
「千秋くん、付き合ってる人いないの?」
「いたら、俺こういうことしないけどね」
「あっ…そ、そう」
 千秋の返答は、少しだけ怒気をはらませていた。
「失礼だけど、聞いてもいい?」
「な、何…?」
「ハゲのおじさんに、どうして振られちゃったの?」
「うーん、それはあ…」
「言いたくなかったら…」
「いや、もともと二股かけられてたんだよね。女の子と」
「…へえ」
「女の子は知らない。俺はわかってたけど。でー女の子が妊娠しちゃってー」
 まあ、悪いのは僕なんだけども。昨日乱痴気騒ぎした、バー『スクリーム』で、人手が足りなくて臨時で手伝っている時に、仲間に連れられて、おっさんがやってきた。
 彼女持ちのノンケなのをわかってて面白がって誘惑してたら、あっちが本気になってしまった。それがまた面白くて、ずるずる付き合っていたのだ。
「結婚するから、僕とは別れるって。でもさー」
「男と付き合うのやめられると思わないけど…」
「それな!!浮気するよ、絶対」
「こーんなかわいいのと二股かけて遊んで、いい思いしちゃったら、忘れられないって。そんなんなったら、今度こそ修羅場」
「あはは!」
 千秋と抱き合って、笑った。

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