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非モテ童貞不幸自慢の俺が異世界で美男子に生まれ変わって性的に無双します! その8
しおりを挟む学校の建物や、寮内を折りにつけ探索していたのだが、一つどうしてもたどり着けない場所があるのに気がついた。外から見ると三階建ての寮の建物だが、そこから出っ張った塔のような部分がある。中からそこを探ろうとすると、その部分への階段は舎監の部屋の向かいなのだ。そして、階段へと続く扉には鍵がかかっている。
ヤンに聞いてみたことがある。
「あそこは何?」
「知ーらない。物置じゃないの?」
「えー、物置?そうかなあ。気にならない?」
「幽霊が出るという噂はあるね」
俺は色めきたった。
「ホラ!面白そう!」
「いや、たぶん物置だって。それより王の甥っ子さんが、落馬して亡くなったって」
ヤンは新聞を読んでいた。
「それが?」
「第一位王位継承者だったんだよ。王には子がいない。不謹慎だけど王もお年だし、何かあったら…さてさて、どうなることやら」
ヤンはゴシップ好きである。うきうきしている。
「それは第二位王位継承者が繰り上がるんだろ?」
「いるにはいるけど、生まれたばっかりの赤ちゃんだよ」
ちなみに、この世界は元の世界とあまり変わらず男尊女卑である。跡継ぎは男子に限るし、女性は政治に関わらない。
閑話休題。
あきらめの悪い俺は、その扉の近くを通るたび、鍵が開いてないか確かめていたのだが、新学期が始まってしばらくしてついに、扉の鍵が開いていることに気がついた。
「嘘…」
何が待っているのだろう。ただの物置か。噂通りの幽霊か。
そっと扉を開いて、階段に足を踏み出す。階段は手入れが行き届いていた。チリ一つない。天井にはランプではなく、魔法で陽光が閉じ込められた照明。どう考えても物置ではなさそうだ。
ちょうど一階分上がったところに踊り場があった。そして、そこにまた扉。中には人の気配がある。
ちょっと考えて、俺はノックしてみた。
中の人物が動きを止める。返答はない。俺は緊張してきた。なかったことにして引き返そうかとも思った。しかし…。
もう一度ノックする。
「……誰」
しんと静まった踊り場に、緊張してはいるが、凛とした声が響く。若い男の声。
誰?俺も聞きたい。
どう返答すべきか、考えていると、外開きの扉が数センチほどそっと開いた。
「グザヴィエじゃ、ないね」
グザヴィエは舎監の名だ。
「君は…」
「ジ、ジル=ガートルード…」
「ここの生徒か…」
制服が見えたらしい。声の主は、しばらく逡巡していたようだが、扉を更に開けた。
「入るかい?」
「いいの…?」
「少しだけだよ」
その言葉に甘えて、俺は部屋の中に踏み込んだ。
窓のないその部屋は、魔法が込められた照明に照らされていた。食堂や広間はともかく、俺たちが寝起きする部屋にそんな照明はない。ランプで用を足している。
壁には書棚とそこにびっしり詰まった書籍。テーブルには食べかけの朝食。クローゼット、小さな茶箪笥。
部屋の主は、ベッドに腰かけ、一つだけある椅子を俺に譲った。
「座る?」
「うん…」
男と見つめ合う。軽くウェーブのかかった金髪に、金のまつ毛に縁どられたサファイヤのような青い瞳、形の整った控えめな鼻梁、淡いピンク色の唇の下に小さなほくろ。二十歳前後だろう。ガラス細工のような儚げな美貌だ。
男は笑いまじりに深くため息をついた。
「グザヴィエ以外の人間に合うのは久しぶりだよ」
「そ…う…なんだ…」
「君は授業はいいの?」
いたずらっぽく笑う。花がほころぶようだった。
「サボリ。ずっとこの部屋が気になってて」
「悪い子だなー…」
笑みを深くする。俺は緊張が解けてきた。
「私はノエル…」
「ノエル」
「ただのノエル」
ノエルは姓を明かさないつもりだ。訳アリなのだろう。こんな部屋に住んでいることも。
「鍵は開いてた?」
「開いてたよ」
「かけ忘れだな。でも、おかげで君に会えた」
「はは…」
「もうすぐ、グザヴィエが膳を下げに来ると思う。帰ってくれる?」
「う、うん」
これっきりか。
「今度は、少し遅い時間に来てくれるかな。また、会おう。約束してくれるかい?」
意外な申し出に驚いた。
「いいよ!」
ノエルは苦笑しながら、指切りしようかと小指を差し出してきた。小指と小指を絡める。
「約束だ」
小指が触れ合った時ドキッとした。電気が走ったように。青い瞳が妖しげに輝いて見えた。
「そしたら、マルセルが言うんだ。おじいさんとおばあさんがいたの?!って、話はここからなのに!」
「あはは」
「だから、いつも話が終わらないんだ」
「ふふ…それにしても果物から人間が生まれるなんてすごい発想だね。そんな話読んだことないよ。ジルが考えたのかい?」
「いや…えーと昔おばあちゃんに聞いて…おとぎ話だよ」
ノエルと打ち解けるのはあっという間だった。物静かではあるが、思ったより聞き上手で人好きのする性格だ。こんな部屋に閉じこもっているのに。大量に本を読んでいて、知識も豊富だ。それに美しい。この学校には数多の貴族の子息たちがいて、美しい少年など珍しくないのだが、ノエルは抜きんでていた。
二十歳前後だと思ったが、ノエルは二十六歳だと言った。
「十歳でこの寮に入って、二十歳までずるずる留年していたな。成績が悪かったわけじゃないよ。事情があってね」
「うん」
「それ以上は、さすがに学校にいられなくて、ずっとこの部屋にいる」
「ずっと…」
広々としていて、窓はないが不思議と閉塞感は感じない部屋だ。でも、それは俺がここに遊びに来ているだけだからで、何年も幽閉されていたらたまらない。
俺は毎日、午前の授業をさぼって、ノエルに会いに行った。
舎監がノエルに朝食を運び、食べ終わった食器を下げるのを見届けて、ノエルの元へ行く。ノエルが内側から鍵を開けておいてくれる。それから昼食が運ばれてくるまでノエルと過ごした。
半月ほどたってから、俺とノエルは一線を越えた。
会話の途中、ふと見つめ合い、互いに無言になって、俺の方からキスをした。ノエルは拒絶しなかった。舌を入れると、こわごわと舌を絡めてきた。
そのまま、ベッドに押し倒す。
欲情と、怯えが揺れるノエルの目を見て俺は聞いた「初めて?」と。
「初めてだよ。こんなこと…」
妙な話だ。これだけ美しいノエルが、他の生徒の毒牙にかからないとは。
「んん…」
深く口づける。ノエルの唇も舌も柔らかい。
そのままシャツのボタンをはずして、はだけさせた胸に手のひらを這わせる。熱い。
ノエルが身震いをした。
手のひらを下腹へすべらせる。絹のような肌だ。ズボンのベルト代わりのリボンを解いて、下着と一緒にずらす。ノエルのペニスは少し硬くなっている。優しく握りしめて、扱く。亀頭もなでさする。
「やっ…そんなこと…ああ…♡」
「やめる?」
キスの合間に、俺は意地悪に聞いてみた。
「や、やめないで…んん…♡」
俺は自分もスラックスを下ろして、すでに勃起しているペニスをノエルのものに触れさせ腰を動かす。
「はあ…♡」
「や…♡こ、これ…なんか…あんん…♡ジル…!」
ノエルのシャツをはぎとり、下も全部脱がす。俺も制服を脱ぎ捨てた。ノエルの熱い肌が心地いい。
唇と、性器を合わせ、ノエルの両の手をぎゅっと握った。
「んん…ん…♡」
「はあっ…♡最後まで…最後までして、いい?」
ノエルはうなずいた。脱ぎ捨てた制服のポケットから、魔法薬を取り出して、ノエルのアナルの奥に押し込む。
「んん…♡」
ノエルの足を大きく広げて、間に腰を入れる。アナルにペニスをあてがって、しばらく亀頭を擦りつけて楽しむ。ノエルが気持ちよさそうに喘いだ。
「ああん…♡ふう…ううん…♡」
「入れるよ」
「んっ…♡うん…。ああん…♡」
ノエルの腰をつかんで、ゆっくりと中に入っていく。
「ノエル…ああ…♡」
「ん…ジル…ッ!やあ…♡ああん…♡」
全部入ると、ノエルの手と指と指を組み合わせて握りあった。お互いの顔を見つめ合って、俺は腰を動かし始めた。
「あっ…♡あ…♡あ…♡」
「はあ…♡ああ…♡ノエル…気持ちいい…?」
「気持ちいい…すごい…ジルと私が一つになってる…んんっ♡」
ノエルの中に、ねっとりと包まれて、とても気持ちがいい。しばらく深い場所まで出し入れして、ノエルの中を楽しんだ後、少し浅い場所を突くようにした。前立腺を探す。
「ふうっ…ううん…♡んん…♡」
あるところを突いた時に、ノエルが強い反応を示した。
「ああ…♡や…!ああ…っ♡」
快感に身をよじり、手を握りしめる力が強くなる。
「ここ…?」
「やっ…♡すごい…!ああ…っ♡」
ノエルの中が収縮して、ペニスを責め立てる。気持ちがいい。
全速力で走っているような呼吸の中、お互い強い快感に溺れていく。
「ノエルの…中…気持ち…いい…!」
「ああ…っ♡ああ…っ♡ジル…!すごい…!どうしよう…ああん…っ♡」
お互いたくさん、気持ちよくなって絶頂に近付く。ノエルも達しそうだ。金髪を揺らし、うるんだ目で訴えるように俺を見た。下腹に強い快感を覚える。
「あー…♡いきそう…っ!」
「ううん…っ♡私も…私も、もうすぐ…!」
腰の動きを速めた。先に、ノエルが達した。気持ちよさそうに身震いしながら射精する。たっぷりと、濃い精液が腹と胸を汚す。
「ああ…っ♡んん!ああん…っ♡」
俺もすぐに達した。ノエルの中に深く挿入して射精する。その快感に集中した。すごく気持ちがいい。
お互い射精を終えて、余韻の中ベッドに転がって抱きしめ合ってキスした。舌を絡めあって深く深く求め合う。
「…よかった?」
荒い呼吸の中でノエルに聞いた。聞くまでもないけど。
「よ…よかっ…た…」
ノエルは恥ずかしそうに答えた。
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