異世界でいっぱいH!

ゆめゆき

文字の大きさ
13 / 52

13 魔法使いに聞いてみました!

しおりを挟む
 ドン!ドン!と、ドアを叩く音で目が覚めた。

「お客さん!時間です!!出てってください!!」
「わっ!あわわ。サユッ!起きて!」
「んー…」

 サユをゆすって起こす。
 二人で慌てて身支度を整えた。

「お客さん!寝てんの!!」
「今っ!今出ますから!!」

 慌てて部屋から出る。鍵を返して、旅館を後にした。
 リューバに乗って、いったん宿に戻る。

「今日は、日用品とか揃えないとな…」
「うん」

 と、いうわけで午前中は、マットレスや布団、何かと使うたらい、タオル代わりの手ぬぐいを何枚か、などなどの生活必需品、それから書店に寄って、手頃で読めそうな本を何冊か購入した。ノートとペン、インクも買った。
 サユに手伝ってもらい、借りた部屋にそれらを運んだ。
 今夜から、ここで寝るのか。自分の城が出来たようでうれしいような。ずっとサユと一緒だったからさびしいような。

「サユ、ありがとう」
「どういたしまして」

 午後は、また役所の一室で学者たちの聞き取りである。
 何人か増えている。その中の一人の男はやけに若く、身に着けている宝飾品が多くて不思議な感じがした。
 増えた学者たちが軽く自己紹介をしてくれた。経済学者、科学者、宗教家…。
 若い男が最後に自己紹介をした。

「ハリオ・マージュ、魔法士だ」

 まほうし…魔法!?よくある異世界よろしくこの世界にも魔法があるのか。
 
 今日も俺は質問攻めにあい、頑張って答えていった。
 それから、この世界のことをもっと詳しく知るために、あと、さまよえる者が元の世界に帰る方法を探るために、こちらからも質問をした。
 いろいろ分かった。この世界の性風俗のことなんかも。医学的にはなんでも体にため込むのはよくないという考えがあり、宗教的には一人で処理することを罪と考えられている。その結果が、どこの店でも二階がラブホみたいになってる理由であり、娼館が多いのもそのためなのだ。

 俺は魔法士にも質問してみた。
 どうしたら魔法が使えるようになるのかとか、そもそもどんなことが出来るのかとか。
 魔力があるものは数少なく、貴重な存在らしい。別に遺伝とかはなく、生まれた子供に魔力があるとわかったら、魔法士の弟子にさせる慣習のようだ。
 仕事については、一般的な医学とは違うアプローチで医術を施したり、薬を作ったり、また、未来を読むことが出来るために王室に雇われて、アドバイスをしたりするらしい。
 空を飛べるかと聞いたら、必要があれば、と笑われた。
 漢方医+占い師+超能力者みたいな感じなのかな。
 

「じゃ、じゃあ、俺が元の世界に戻れるかって、わかりますか?」

 ハリオはちょっと考えて言った。

「すまんが、ぼくには見えないな」
「…そうですか…」
「帰りたい?」
「そ、そりゃあ…!」
「ぼくには、その必要はないと思うが」

 ハリオは表情も変えずにそう言った。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

ハッピーエンドのために妹に代わって惚れ薬を飲んだ悪役兄の101回目

カギカッコ「」
BL
ヤられて不幸になる妹のハッピーエンドのため、リバース転生し続けている兄は我が身を犠牲にする。妹が飲むはずだった惚れ薬を代わりに飲んで。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話

八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。 古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。

一人の騎士に群がる飢えた(性的)エルフ達

ミクリ21
BL
エルフ達が一人の騎士に群がってえちえちする話。

処理中です...