自害阻止スキルと自然治癒スキルを与えられた少年は、異世界転生からリタイヤ出来ない!

goro

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冒険者から逃げる

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神宿が異世界へと飛ばされ、早数週間が経つ。


神宿自身、この世界に来て何日過ぎたのかすら理解できていない。
だが、森での生活も次第に慣れ始めてきている頃合いだった。

モンスターとの戦い。
食料の調達。
寝床の確保。

と、始めはヘタクソな動きが多かったそれらも、今では素人に毛が生える程には出来るようなってきた。
まぁ、その大半はチートスキルのおかげでもあるが、人間慣れだなぁ、と神宿はしみじみ思った。




そして、今日もいつも通り食料を探しをするため森の探索を始める神宿。
だが、この日に限って、


「ん? 何か森が騒がしいよな…」


森を歩く最中に、モンスターの悲鳴や木樹が倒れるような騒音が聞こえてくる。

………何か、嫌な予感がする。

不安と同時に冷や汗を流す神宿は、今日は早めに帰ろうと急ぎその場から走り出そうとした。
だが、




『ウィンドブレイド!!』



その突然と聞こえてきた声と同時に、強風が神宿の視界を防ぐ。

「うわっ!?」

顔に手をやり、何とか後ろに吹き飛ばされずに済んだ神宿は風が弱まったのを気に瞳を開いた。
すると、そこにはーーー


「ん? 子供か?」


切り倒された木々。
そして、その奥には厳つい顔つきをした三人の男たちの姿があった。
手には剣や盾、中には弓矢も持っている者もいる。

異世界でいう所の冒険者なのだろうが、

「おい、そこで何をやっている?」

そう言って男は抜いた剣を納めないまま、神宿に近づいてくる。
若干、殺気すら感じられる男に対し、他二人が声を掛け、

「おいおい、そう険しい顔しなくても」
「ここがどこだかわかってるのか? あれがもし仮の姿なら尚更警戒は必要だ」
「いやいや、奴さん完全にビクついてるじゃねぇかよ」
「馬鹿め、奴らは人間の情を利用するのだぞ? 奴の皮を剥ぎ、人間であるかどうか確かめなくては安心なぞ出来ない」

と、神宿が聞いているにも関わらずに、そう物騒な内容を口にしている男たち。

人間かどうか確かめるため?
皮を剥ぐ?


「……………じ」
「「「ん?」」」


冗談じゃないっ!!! と神宿は男三人が見つめる中、即座に逃走を選択した。


「あっ、待て! 逃げるなっ!!」

皮剥ぐなんて言われて待つ奴なんているかーっ!! と内心で叫びながら逃げる神宿は後ろから追ってくる男たちから何としても逃げるべく、試行錯誤しながら逃走を続けた。








森で住んでいただけあって、土地の感覚は少なからず理解していた。

だけど、それでも追いかけてくる男たちから一定の距離を離すことができない。


(っ、はぁはぁっ! このままだとヤバイっ!!)


逃げ場が着実と狭められていた。
このままでは、後数分もしないうちに捕まるだろう。

ーーー逃げられない、と神宿は諦めかけた。
その時だった。

「!」

神宿と視界に、それは映った。
だが、同時に心に躊躇いが生まれる。

「っ!」

しかし、ここで躊躇してはダメだと神宿は思った。
だから、



「っ!!!」



ま、待て!そこは!! と、男たちの声聞こえてきたが、それも直ぐに消失してしまった。
何故なら、



『ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!』



神宿が意を決して飛び込んだ先は下流へと流れ落ちていく滝の中だったからだ。


そして、彼の体は一瞬にして轟音を引き連れた水に飲み込まれてしまった。









「何と………」

男の一人が悔やんだ表情を浮かばせる。
対する他二人のうち、剣を片手に持っていた男は大きく溜め息を漏らし、

「……とりあえず、下まで降りて死体を探しに行くぞ」

そうして、彼らは下流の行き着く先にある森へ向かうべく、林の中を降りていくのだった。







その頃。
滝へとダイブした神宿はといえば、


「げほっ、ゴホっ! っ、……ほんと、スキル様様だよ、な…っ」


自害阻止スキルのおかげもあって、何とか生きていた。
正確には着々の間際に魔法陣が発動し、まるでトランポリンのごとくやんわりと彼の体を衝撃から守ってくれたのだが、



「ぅぅ、寒っ……と、取り敢えずはこここら離れよう」


びしょ濡れの体を震わせながら、神宿は下流の先にある森の中を一人歩いていくのだった。



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