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第一章 心情のココロ!

第8話 「恋するノラオルガと地獄の法廷!」

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__地下の待機室__

「はぁ…ご主人様…早く私を呼んで…」

ノラオルガは段々と人間の感情を持ち続けていた。

「私は…あなたの事が…」

どうやらノラオルガはロボでもありながら感情を持つメスロボットだそうだ。

「はぁ…何時間くらい考えてるんだよ」

「いいじゃない!」

オスのバットマシンとライシングが突っ込む。

「だって、本来サポートする側がご主人に守られたんだよ⁉︎それって乙女にとっては最高なのよ!」

「えぇ…」

オスロボットにはわからなかった。

「これが…恋!私ご主人の所へ行ってくる!」

「え!」

驚く男性陣だった。

























__2022年2月22日__

この前はとんでもない事が起きたな。

まさか、彼氏さんがあんな感じだったとは。

なんか、思ってたのと違う。

未央…大丈夫かな…

この前からも最近も未央に対する思いが高まっていた。

夜ベッドで寝る時、未央抱きしめる妄想をしている。

いつの間にか呼び捨てになっていた。

いつの間にか誠心は未央を花嫁にしたいと本心を露わにする。

この前未央と力也は別れたらしい。

どこか未央にトラウマでもできたかと思ってしまう。

しかし相変わらず未央は友達楽しく話していた。

あの人天然だから大丈夫かな。

毎回毎回未央と帰り道が真逆でいつも運動部の善・イケメンブラザーズとは離れ離れ。

その前にはいつも未央がいるんだ。

なんなのこの虚しさ。

余計に胸が苦しくなる。

俺も善・イケメンブラザーズと遊びたいなぁ~

いつも話の間に入れないのがお決まりさ。

一緒にサイクリングして見たかったけど、皮肉にも自転車は親に処分された。

そういえば今日の一時間目は家庭科だ。

ミシンのやつまだ終わってなかったぁ。

一瞬提出してない人とかわざわざ自分の教室に来てまで言われた際、犯人捜しされてるかのようでちょっとドキドキした。

「おら、バトルだ!」

先公が来る前、俺はサッカー少年になぜかと決闘を申し込まれた。

めんどくさいなぁこの前は偶然的に力也に勝利しただけなんだけど。

まぁ俺は仕方なく受ける。

__ノラオルガ視点__

ご主人様…なんという凛々しい姿…

えっ?ご主人様が変な人に絡まれている?

もう!私のご主人なんて事を!許しませんわ!

バンッ!

「いった!」

「え?」

「あ、お前!よくないぞ!おい殴るのよくないぞ!」

シンリの乱入だ。

「は?俺は何もしてないぞ!」

「嘘つけ!ちゃんとこの目で見たからな!」

どんな目してるんだよ。

でも俺は受け身してただけなのに、なんで?

どうやら誠心はノラオルガの愛のパンチ?を絡んできた少年にかましてやった事に気付いていないらしい。

とはいえ一瞬だったから。

「あっあちゃぱー」

逆効果になっているのを見たノラオルガは申し訳ない気分になった。

「おい!お前謝れや!おい!」

シンリは正義のヒーローを気取っているみたいがたが誰もそう思ってないし他のクラスですら不評にされてるぞ。

シンリは誠心の両腕をギッシリと掴む。

「痛い痛い!」

これを見ている女子はガチでなんなの?と思う誠心であった。

なんとか抜け出さなくちゃ。

「いやぁ凄い筋肉だね。ねぇ俺シンリとLINEしたいんだけど…」

「はぁ?お前とLINEなんかしたくねぇよ。未央とでもやってろや」

「えぇ…」

ちょっとというか明らかに困惑する誠心。

もうジェラサイドの仕業だと思いたい。

__ノラオルガ視点__

「あぁ!ご主人様がまたいじめられてる!今度こそ…!」

ノラオルガはシンリを殴る。

「えい!」

「いった!」

それも見事にクリーンヒット!

だけど…

「いった!てめぇあん?ふざけてんのか?」

「ふざけるも何もないだろ!ってか俺じゃねぇよ!」

「何シラ切ってんだテメェ、先公に言うぞ!」

こいつも"先公"呼びだったか。

なんか腹が立ったので家庭科室を出た。

「なんでだよ!なんで俺はこうなるんだよ!意味わかんねえよ!」

誠心は多分短気だと思う。

「あっ」

そこで未央のクラスの担任がいた。

「ちょっと先生聞いてくださいよぉ~」

これまでの経緯を話した。

「え、大丈夫?教室に戻るの」

「えっ?あっまぁ大丈夫です」

いつもこの答えだ。

教室には戻ったか既に家庭科担当の教師は来ていた。

プリントを配るのに手伝ってやったんだけど、数えるのが遅すぎて怒られた。

手伝ってやってんのにそんな言い方はないだろと俺は思った。

まるでウチのババアみたいだ。

年齢は知らんけど。

まぁこの時間はとりあえずこの程度でなんとかなった。

だがそれだけでは終わらなかった。

















__多分学校の廊下__

「愚かな教師の臭いがする」

「また?」

ランザーは犬かと思うエンゼだった。

「それよりさ、俺らの計画を邪魔する奴がいるんだってさ」

気付くの遅くない?

「シャイニングカクウ…」

「なんだ知ってんのか」

「あいつがなんだって言うの?」

「どうやら5体くらいのジェラサイドを倒したらしいぜ」

「その程度か」

ランザーは動じない。

流石最高幹部って感じ。

「今回はいけるかもしれない…多くもの犠牲者を出す前に奴を倒さなければ…」

ランザーは誓う。

「人任せがよく言うぜ」

「黙れカス」

まさかの暴言⁉






















__ノラオルガ視点__

ご主人様…今日もかっこいい…イライラしてるところもかっこいい…

























































それにしても、さっきは失敗したけど、次は上手くいったな!

どうやらシンリの逆切れは目撃していないそうだ。

てか、なんでご主人様怒ってるんだろう…

__三時間目の英語__

俺にとって、英語は難しい、と思う。

「よし!それじゃあルーレット始めるよ~」

女性教師の苅田(かんだ)みくるが担当する。

パソコンで使うルーレットで出席番号の人が当たったら黒板に書いてる問題を解くというのがルールだ。

俺は毎回毎回このルーレットに苦しめられている。

善・イケメンブラザーズ?の何人かに誠心当たれ当たれ!と祈ってくるのだ。

俺はガチで「やめろやめろ!」とか言っているが先公にとってはむしろ当たってほしいんじゃないかと捉えているらしい。

は?

しかし運がよく俺は中々当たらない。

当たらなくて悔しそうにしている連中が何人かいるのもしばしば。

俺は「ふぅ」と助かった表情なのがいつもだ。

休み時間

なんかルーレットをいじってくる人がいて、中々運良く当たらないのに腹が立っているのか何個かの項目が全て俺の出席番号に染まっていた。

「はぁ?」

俺はそれを止めようとするが止まらずに始める。

項目は全て自分だけしかないので確定に俺が当たる。

俺は腹が立った。

いくら向こうにとっては遊びとは言えなんであろうが俺は腹が立つ。

「やめろよ!!」

と大きい声で叫ぶも聞く耳を持たず。

「もういいよ!」

誠心は自分の教室を出る。

__一方教室では__

「なんだよあいつ、空気悪」

ちょっと不得手そうな人が誠心のクラスのほとんどだ。

「ちょっとやりすぎだよ」

そう咎めに来たのは速水と時雨だった。

__誠心視点__

誠心は誰かに言いたい気分だった。

ちょうど通りかかった先公にこれまでの事を言ってやった。

あぁなんともなかったなぁ…

そのまま教室に戻ったんだけどなんともなかったな。

なんだよ。

俺はまだ腹が立つまま国語の授業を受ける。

後に給食の時間、なんかシンリに喧嘩を売られたので買う事にした。

まぁ殴り合いではない。

ちょっと挑発をかけてやった。

シンリはイライラの感情になる。

フッ

初めてシンリに勝利した気分だ。

そのまま給食を食べる。

で、その後の昼休み

なんとあのみくる先公が俺の教室にいた。

どうやらみくる先公とシンリと他のクラスメイトが俺の話をしていた。

「なんだよ!俺は悪くないぞ!」

その話に俺は乱入する。

「おい!誠心!落ち着け!」

「シンリに言われたくないぞ!」

誠心は非常にイライラしていた。

「おいみくる先公!謝りやがれ!」

「何よ。私はただルーレットをしただけ」

「でも項目を全て俺にしてたじゃないですか!」

「いや、でも当たってないよ。それに蓮先生だって同じ事してたじゃない」

「は?」

蓮先生とはウチの担任だ。

「私は謝らないわよ」

「はぁ⁉︎」

「誠心落ち着け!」

「うるさい!」

「ねぇシンリ、誠心いじるのやめなよ」

話に入っていた女子がシンリに言う。

「いやでも最初はこいつ(誠心)からなんだよ?」

「いや違うわ!」

「とりあえずみくる先生!謝ってください!過ちは認めるべきですよ!」

「お前が言うな!」

「はぁ?」

シンリとみくると女子3人のツッコミ。

「さっきからうるさいんだよね。ちょっと黙ってくんない?」

「はぁ?」

「そうそう」

「はぁ?」

2人女子はそう言う。

なんだよ。冷酷なバスケ部と合唱部の1人が。

「とりあえず!ルーレットはやめてください!俺にとっては嫌なのです!」

「えぇ?」

誠心はさっきからずっと抗議をするがまるで聞く耳を持たないかのよう。

数分後

廊下にみくるが立っていた。

「先生!とりあえず俺の勝ちだから!絶対に俺の勝ちだかんな!」

「はいはいわかった」

誠心は強引に言い切る。

「じゃあ、俺の勝ちと言う事で」

捨て台詞を言いながら誠心は教室に戻る。

「あっ手洗い忘れた」

誠心は再び廊下を出る。

その時

「で、それで…」

「は?」

なんと、みくるは蓮にさっきまでの事を報告していた。

「は?ざけんな」

誠心は怒られるなと察した。

怒られる?

こっち被害者なんだけど。

でもあの先公、よく何かあった時そのクラスの担任とかに言うんだよな。

自分でなんとかしてみろや。

__ノラオルガ視点__

ご主人様、授業を受けている姿もなんと格好いい。

好き!

大好き!

守ってもらった人は惚れるものですか?

ご主人様、できればあなたを婿にしたい。



















「花嫁の入場です」

ノラオルガはライシングとバットマシンに支えられながらも歩く。

支える必要ある?

結婚式に参加していたのは速水とか時雨とか。

「それでは誓いのキスです」

誠心はノラオルガのヘッドドレスの前にあるオーガンジーを背後にに移動させる。

あぁなんちゃってなんちゃってなんちゃってぇ!

一方誠心は後ろ向きで友達?と話していた。

その時、さっき俺の話をしていたバスケ部の女子に「うるさい」と言われ俺は

「なんだよ。いっつも俺には冷たいよな」

と言い返した。

「いいから、前向いて」

こいつシンリと似てるなぁ。

なんだかあって5時間目の授業は終わった。

__掃除の時間__

「誠心~ちょっといいか?」

うわほら出たよ説教フラグ。

C組で1番に連行される俺はもう何度かあそこに連れて来られたのか。

あそこと言ったらあそこ。

放送室だ。

ここで俺は唯一蓮先公のガチギレを見た事がある。

放送室にあるテーブルで俺と先公は椅子に座る。

「今日はいい事あったか?」

俺の口癖パクるな、とは言わないでおこう。

毎度毎度に短い雑談をしてから始まるのだ。

「それでさ、みくる先生から聞いたんだけど、誠心ってさぁ、なんかシンリとか良太郎とかに誠心当たれ当たれとか言ってくるの嫌だったんだよね?」

「あっはい」

とりあえず答える。

「後ね。他の先生から聞いたんだけど休み時間の時になんかコウジ(家庭科室で絡んできた少年)に暴力振られそうになったんだよね?」

「まぁはい」

「その時、誠心が「やめてよー!」って言って抵抗した時にシンリが「おいお前何やってんだよ」って誠心の両腕をギッシリと握ってきたんだよね?」

「はい」

なんで知ってるの?

みくる先公はまだしもなんで家庭科の件はどうやってわかった?

未央の担任には簡単に話しただけだぞ?

後さっきから疑問詞で聞いてくるな。

「あれ、3人とも、悪気があってやった訳じゃないんだって」

「あはい」

「だからさ、「なんだよ!」とか「謝れよ!」とか言うのよくないなって。そう思わない?」

「はい」

誠心はとりあえず「はい」でしか答えなかった。

今の所はそれしか言えなかったから。

「あれさ、みんないる前でさ。「うわなんだこいつ」とか「なんだよノリ悪いな」とか、周りの雰囲気悪くしちゃうじゃん?」

「はい」

「とりあえずさ、今後はさ、それを気をつけようね?」

「はい」

「いや心配だったんだよねぇ大丈夫かって」

「はい」

「ほら?普段の誠心ってさ優しいしヒーローじゃん?」

「はい」

ここ「はい」って言う必要あった。

俺はただ仮面ライダーとか戦隊に憧れているだけでやってる事なんだけど。

別にヒーローなんて名乗ってねぇし。

「それでもヒーローか⁉︎」とか「ヒーローらしくねぇぞ!」言われても向こうが勝手に呼んでるだけだろ。

だから嫌いなんだよC組なんて。

ただ敬遠してるだけじゃないか。

俺も、D組になりたかった。

去年の夏頃からなりたかった。

「みんな心配してるよ?」

出た!みんな心配してるよ発言!

どれだけの人が騙されたのか。

嫌になっちゃうぜ。

もう限界だ。

未央…

未央…

俺を抱きしめて癒してくれ…

いつも親にテストがバレてしまう時も未央の事を考えていた。

未央…全て受け止めるから…

だから未央…いいよね?

もう…

「それってあなたの感想ですよね?」

「は?」

俺のターン!

ドロー!

坂本未央の癒しをリリース!

召喚!

ひろゆき戦法!

「いやだって、普通周りの人が心配するって、この程度では心配しないんですよ」

「いやいや心配するでしょ🤷‍♂️」

お気軽に言ってるけどもう容赦はしない。

「あの心配の定義ってわかります?」

「え?」

「心配って言うのは心から表すものじゃないんですよ。俳優や女優や大怪我したりとかしたらファンは心から心配するって言う意味ならまだわかりますけど、あなたが言っている心配と言うのは心から心配している人だっているんだぞではなく、みんな気持ちを露わにして心配するって意味になってるんですよ。基本的に辞書では「思いわずらうこと」「気がかり」「うまく運ぶように気を使って手配すること」が意味となっており、心からの心配なんてたかがネットの記事にしか書いていない事に過ぎないんですよ」

「えっえっ?」

急に誠心がひろゆきみたいな感じになっていたのに戸惑いを覚える蓮。

とりあえず止めなければ

「こんな事して虚しくないの?みんな心配してるんだよ?心から」

「なんかそうゆうデータあるんですか?」

「え?」

「今更"心から"を付けて心配するなんて言うのどうかと思いますよ。あなた全クラスを担当する国語の教師ですよね?この前からずっと言いたかったんですけど、あなたは朝のホームルームで陰口はよくないから自分を例えとして陰口を言ってましたよね?」

「まっまぁ…」

「そもそも教師に陰口を言われるって、その教師に問題があると思うんですよ。例えば好きな子を周りの人みたいに追求するとか、言われてほしくない事を言うとか、そう言う人が嫌われやすいんですよ」

まぁ全て蓮先公がやってる事だけど。

「うるさいな!」

おっガチギレ来たか。

「お前テストの計画表出てないだろ!それに去年親に渡さずに提出しただろ!」

「いやそれは人違いだと思います」

「とにかく俺は怒りたくても怒れないのよ!」

何言ってんだこいつ。

「まず、生徒が思い出したくない事を思い出させるって、教師としてどうかと思うんですよ」

「一様心配だから声をかけようと思ったんだよ」

蓮は諦めない。

こいつも負けず嫌いか?

「いやあの、あなたの場合って見かけで判断してないんですよ」

「は?」

「まずこれには二つの場合がありまして、
1つ目は自分が今いじめられている事で、いつも休み時間机でうつ伏せになって浮かれている人を場合とします。
2つ目はいじめとかを忘れて、楽しく友達と接する人を場合とします。
あなたの場合は、どちらとも該当しないんですよ。ちなみに私の場合は2つ目の方です」

「でも、2つ目の方だって悩みとかいじめとか抱えていたりするだろ?」

「確かにそれはあなたが正しいですね」

「だろ?」

まるで勝負に勝って1点をとったかの気分。

「でも」

は?

「私の場合、確かに今日の出来事や別のクラスの冷やかしもムカつくんですけど、一番ムカつくのはさっきから3回くらいも心配していると発言しているあなたです」

「は?」

「あの、これいい加減に自覚した方がいいですよ。あなたは過去に、二度も渡って〇〇の事好きか?って聞いた事ありますし、授業中とかでも、ただ憧れているだけなのに、ヒーローとか正義の勇者とか、プレッシャーかけるの辞めて貰えます?
もしこれが親だとして、子供にこんな風なプレッシャーをかけると、子供って親の為に自分は〇〇になるとか、絶対にならなければいけないとか、親の打算で苦しめられて、最悪の場合自殺をする子供だっているんですよ」

「あぁもういい!今度からは心配なんてするか!」

「そうしてください。あなたは刑事じゃないでしょ?」

「うるさい!その口黙ってろ!」

蓮が誠心に殴ろうとしたところを誠心は回避する。

「あの、暴力振るう人って頭悪いと思うんですよね。まぁっ人の事言えないけど」

「うるさいガキ!」

誠心は回避する。

「あなた二度もぶとうとしましたね?親父には……頭叩かれた事あるわ」

「面白くないわ!」

先公カンカン。

「先生はね、怒りたくても怒ってる訳じゃないんだよ!親に連絡するぞ!」

「あもう縁切ったので多分この学校のアカウントブロックしてると思います」

「は?」

「まずそんな表裏の態度ある人って誰からも好かれませんよ。だからあなたは独身なんですよ?仮に彼女ができた場合あなたの性格だとすぐ彼女から別れようって言ってくると思います」

「死ね!」

シュッ!

誠心は三度目の攻撃を回避する。

シャイニングカクウで鍛えただけはあるな。

「ちなみにこのわたしの手にあるボイスレコーダーで録音してます。なのであなたの悪口や暴力未遂も全てここに入っています。なのでこれを校長や教育委員会にぶち込んだらどうなるか?わかりますよね?」

「……………………………………」

もうダメだ。

「……………………………………」

「なんか言う事ありますか?」

ターンエンド。

誠心は元の人格に戻る。

今度はそっちのターンだ。

「来い」

なんか今日でよかったかも。

明日の総合の時間に説教されたかも。

そう言われ連れてかれたのは自分の教室だった。

誠心は引き戸を開ける。

その中にはクラスメイトが机を正方形にして座っていた。

誠心は真ん中に立つ。

「え?なにこれ?裁判?」

「法廷です」

「えぇ!」

「検察官。今回の裁判で、被告人がどんな罪を犯したのか、述べてください」

「えっ!春正(はるまさ)⁉︎」

春正が裁判官となっていた。

「はい」

「ひょっとして由利子(ゆりこ)⁉︎」

さっきまで誠心の話に関する事で他の人とと話し合っていた由利子が検察官らしい。

「起訴状を読み上げます」

「起訴状⁉︎」

「2月22日、猫の日とおでんの日ですね」

「今はどうでもいいわ!」

「被告人は一時間目の家庭科の授業が始まる前に、コウジさんに暴力を振るい、それを目撃し止めようとしたシンリさんにも暴力を振るい、三時間目にはみくる先生の名誉を毀損。その上給食の時、シンリさんに脅迫をし、昼休みにはこのクラスに迷惑行為を犯し、五時間目にも多恵子(たえこ)さんの名誉を毀損するなどをする行為を行なっていました。この場合、被告人が犯した罪は刑法第208条の暴力罪と刑法第222条の脅迫罪と刑法第230条の名誉毀損に辺ります」

「細かいな」

「被告人、今検察官が読み上げた事実に間違いはありませんか?」

裁判官は言うが…

「ちょっと待てよ!間違い大アリだよ!だいたい俺は2人に暴力なんて振っていない!」

「と言いますと?」

「あれは正当防衛だ!それ程ではないけど…俺はコウジの暴力に受け身をとって、シンリには暴力から耐えたんだ!それに!みくる先生はルーレットで俺をネタ扱いにして嫌な思いまでさせて、多恵子は俺だけには冷たく扱う!これは向こうにとって、名誉毀損と暴力罪と差別に辺る!」

「迷惑行為は認めるんですか?」

「それはあいつらのせいでなった事!認めるか!」

「ほう」

「だいたい、俺に弁護人はいないのか!」

「いません」

「そんな!速水!時雨!」

「……………………………………………」

「そんな…………」

(いや、待てよ?あいつらがあんな感じになるはずがない!)

何か様子が変に気付く誠心。

まぁ最初からだけど。

「みんなこいつが言ってる事信じるのか!」

「?」

言い名乗り出たのはシンリだ。

ひょっとして証人か?

「なんだよ!」

「こいつはな、いつも隣のクラスの未央にキモい事を考えてたりする!」

「はぁ?考えてねぇよ!」

「それだけじゃない!こいつはグータラで成績が悪い!運動神経悪くて!集中力無し!どうせ土日なんて、みんなが勉強をしている中、こいつだけはノー勉でダラダラしてる!挙げ句の果てには神には見放されし、一生未央とは縁がない。そんな奴なんて信用できないだろ!」

「言ってくれるなぁ、ってか名誉毀損でしょ!裁判官!」

「なるほど、戻りなさい」

「はぁ?」

裁判官ですら聞く耳を持たない。

「では次の証人」

「次の証人?」

「はい私は十和子(とわこ)と申します。この人がうるさかったせいで社会のワークに集中ができませんでした」

「なるほど、それでは次」

「え?」

「みくるです。このガキに謝れとかルーレットやめろとか言われました」

「はぁ?」

なんかガキって言われたんだけど。

「それじゃあ次」

「まだいるの?」

「蓮です。提出物中々出してくれなくて困ってます。どうせ将来借金返済できない上に親孝行するつもりがない分際です。正義のヒーローとか気取っている割には勇気がない捨て駒ですね」

「ちょっと待てよ!だいたいなんだよ!俺の悪口を言ってるだけじゃないか!こいつらが名誉毀損じゃないのか?」

「静粛に」

「お前が言うな!」

「今回は君の両親にも来てもらっているぞ」

「は?」

キラキラキラキラ

「誠心!どうしてこんな過ちを犯したんだ!そんな子に育てた覚えはないぞ!」

「まぁちゃん!お願い!早く罪を償って私達の方に戻っておいで。帰ってきたら、あなたの大好物のカレーを用意してあげる!」

「待て待て待て!これは俺の親じゃない!ウチの親はこんなにイケメンとか美人じゃない!」

「え?こんな親だったら最高だろ?あっ🤭」

「あっ」

「あっ」

裁判官が口を滑らせてしまい周りが凍る。

誠心の両親の幻想が消滅した。

「フッ俺のターン!」

反撃開始だ。

「多恵子!テメェこの前バスケの大会で不正行為をしてまで優勝をしたらしいな」

「ぐっ」

「コウジ!お前は新年度のレギュラーをとるために自分の部員を骨折をさせてまでレギュラーに入ったそうだな!」

「ぎくりっ」

「シンリ!テメェ未央を転ばせたんだってな!」

「だから?」

「みくる!他の男性教員に脅迫をしてまでブランド品とかを要求してただろ!」

「うっ!」

「蓮!お前は奥さんに秘密でギャンブルに行ってたみたいだな!」

「なんで、なんでなの?」

「なんでそんな事を誠心が知っているんだ!」

疑問に思っていた2C(ニィシィー)達。

「やっぱ本当だったんだなぁあれ。実は俺には裏の弁護士がいたんだよ!お前らには見えない!」

「私を忘れないでよね!」

「忘れてねぇよ!」

そう、実は…

__五時間目終了直後__

「はぁ…どうしたの?」

「なぁ、なんか速水と時雨が危険な目に遭うかもしれない。協力してくれないか?」

「言われなくても勝手にしてるわよ」

「さっすが王女様!」

密かに弁護人として、彼らの出来事をメモリーパワーへと変換し、誠心に挿入してたのだ。

「ちゃんと頭使ってるぜ?シンリ♪」

「ぐぅ…」

誠心はカンカンだ。

「やっぱりおかしいと思ったぜ!こんな裁判なんてあってたまるか!」

誠心が論破の重ねで反撃する。

こんな教師いる訳がない!

生徒は…憑依されようがされないが変わらない。

「わかってるぜ、お前ら!全員正体を現せ!」

「……………………………………」

全員沈黙だ。

「現せって言ってるでしょうが!」

ノラオルガがやってきてC組全員を殴り込む。

「(ฅ д・)ゞイテテ…」

全員そんな表情だ。

「ノラオルガ!いつの間に!」

「来ちゃった(´>∀<`)ゝ」

「あれっひょっとしてあの時…」

「なんでもないもーん♪」

「全く、荒れてますねぇ…」

「!」

誠心とノラオルガとカリンはみくると蓮の方に振り向く。

2人はジェラサイドに変わる。

他のクラス全員はジェラサイドに分離する。

「ボイスレコーダーを渡してもらおうか」

「元々ジェラサイドだったのか、どうりでおかしい教師かと思ったぜ!」

つまり今日一日中ジェラサイドが関わっていた事になる。

蓮はレオナギゼルに

みくるはミホギゼンストンに変わる。

他の生徒は戦闘員みたいなジェラサイドのジェラマースに分離する。

その直後C組全員気を失う。

「うわ!すげぇや!でも、なんか超ラッキー!」

「誠心!」

カリンが心配そうだ。

「大丈夫だ!」

誠心は残りのエンジェル騎士を呼ぶ。

「来い!ライシング!バットマシン!」

残りのエンジェル騎士は校庭で控えていた。

「佐東誠心、いや、シャイニングカクウ、あなたの判決は死刑よ」

ミホギゼンストンは判決を下してきたが屈しない誠心は反論する。

「周りの女子達に好かれるのはそこまでだ!こっちだって、判決を下す。死刑だ」

誠心は変身ポーズの体勢をとる。

「変身!」

おでこを左手でかざす。

「ジェランバイザー!」

左手から右にずらしジェランバイザーを召喚する。

「セット!」

誠心の姿が変わり、水色のクリスタルに燦然と輝くシャイニングカクウに姿を変える。

とは言えほぼ紫も入っている?

「校庭で待っているぞ」

「独身野郎め!」

レオナギゼルとミホギゼンストンの2人と30人くらいのジェラマースは校庭に瞬間移動をする。

シャイニングカクウは速水と時雨の存在に気付く。

「速水、時雨、最後まで俺を信じてくれてありがとう」

気を失っている2人に感謝の言葉を贈る。

廊下には別のクラスがC組を待っていた人もいたが、あまりにも遅いのか、諦めて帰ったらしい。

「ノラオルガ、俺の背後にくっ付けろ」

「あっはい!」

ご主人様に指示された!

幸せ!

ノラオルガはシャイニングカクウの背後にくっ付き、自らと自身のエンジンを作動し上空する。

自分の教室を窓から脱出し校庭の方へと着陸する。

いつの間にかライシングとバットマシンは戦っていた。

シャイニングカクウは背中にくっ付いているノラオルガを外す。

「よし、ライシング!フォームチェンジ!」

ライシングはエレクトロギターの形に変形し、"ライシングギター"へと変わる。

「うぉー!カリンが言ってたのもこれの事だったのか!」

「選曲できる変わりに胸の苦しさと被害妄想が高まります!」

カリンはシャイニングカクウに伝える。

「え?俺は既にそんな思いをしている!」

決して"常に"ではない。

「選曲かぁ…あっあれだ!」

シャイニングカクウはうごメモでよく聴く"サザンクロス"を流す。

俺はそのままの素早いBGMを好む。

早速弾く

ジャガジャガジャガジャガと流してもライシングが自動的に流してくれる。

うっ早速感じる。

なんだこの気持ち。

胸が、苦しい…

熱い戦いでもないのに…

未央は誰にも奪われたくない!

シンリも、力也にも!

どうして

どうしてなんだ!

どうして俺をいじめる奴らが未央と同じクラスになれるんだ!

不公平だ!

不公平だよそんなの!

そんな

もし、力也が未央と復縁して

そのまま結婚したらどうしよう…

中学生カップルは結婚式と言うゴールに行ける確率は低いのに

それでもあの2人は屈しない。

前に俺が付き合っていたのに…

相性が合わないから破局!?

そんな…確かに…

俺は未央とは真逆だ…

俺は親に愛されてないもん。

気付いてほしいけどバレたくない。

まるで自分は借金を背負う男だ!

中々返済しない事で自分は追い詰められる。

もしくは自分がギャンブルにハマり、金の貸し借りもしてしまうかもしれない。

そんな男がフワフワしている天使の姿をしている者に惚れてしまった。

俺だけが"魅力"と言うものぬ気付いていたのに、力也どゴールインするなんて…

式には仲間と、友達と、親友と、推しと、それから…それから…

ちょっと待ったなんてできないよ!俺…

シャイニングカクウに涙の一粒も出ない。

俺は離れ離れになるのか?

アタックしないまま?

メモリーアタックもラブリーアタックもしないまま俺は砕け散るのか?

毎回毎回帰る場所が違う切なさと虚しさ

善・イケメンブラザーズの前に未央と言う天使がいる。

それを何度か見てきた俺には、悲しさが感じる…

他のイケメンと関わっていく度に俺は置いてかれるようになっていく。

俺はそのままGAME OVERになるのか?

嫌だ

嫌だ

嫌だよそんなの!

大成!

時雨!

お前らの気持ち、同情するぜ!

こんなに胸が苦しくなるのは、初めてだ!

「ぐわっ!」

「耳が!」

2人のジェラサイドの鼓膜が破れる。

いつの間にかジェラマースは全滅していた。

「不公平な世の中でも、お前らみたいなジェラサイドはぶちのめす!」

認めてもらうぜ、未央の、陸部、過去と今のクラスメイト、親友。

シャイニングカクウは必殺技の体勢をとる。

「メモリーアタック!」

シャイニングカクウの胸からエネルギー弾が出現し左手で強く押し込み前進する。

「ぐわっ!」

エネルギー弾がレオナギゼルの胴体を貫く。

あまりの痛みなのか、後ろから尻餅をつき大爆発した。

「やったわね!」

ノラオルガは喜ぶ。

「まだだ。まだみくる先公がいる」

「ここまで来れるかな?」

みくるは宙に浮く。

「うわっ!あの先公天使って自称する割りにはガチで飛べるんだな」

「ここまでおいでー!」

「くっそぉージェランブラスターじゃアイツの範囲には届かない。いやっ待てよ?」

シャイニングカクウはとある事を思い出す。

__数日前__

「くっそ!くらえ!エンジェルダブルレーザー!」

二つの筆箱を合体させてシンリみたいなムカつく奴らに撃つフリをしていた。

あれだ!

シャイニングカクウは思い出す。

「ジェランソード!ジェランブラスター!」

同時にエンジェルユニットのジェランソードとジェランブラスターを召喚する。

「エンジェルダブルレーザー!」

シャイニングカクウはジェランソードとジェランブラスターを合体させる。

「うぉっ!やったぜ!」

「鬼さんここまでおいでー!」

うわっ!挑発してるよみっともない。

でもこれなら狙いの的は当たりやすい。

なら返してやる。

「お前の方が鬼だと思うぜ。だってわざわざ男性教員を落とす事をしてまでメイクや服装を派手にしたもんな。それに子持ちがいる男性教員にだってブランド品とか要求してくるし。後ルーレットやめろ」

「うるさいガキね!」

「そこだ!」

「うわっ!」

隙を見事につかれてしまい落下する。

「いてっ!」

尻餅をつく。

「つか耳聞こえてたんかよ」

「あっ」

「女だろうがジェラサイドである限り容赦はしねぇ!」

現状シャイニングカクウは珍しく苦戦していない。

「メモリーアタックよりも上のとびっきりの攻撃をかましてやりたいな」

「そんなあなたにオススメ!」

CM?

「誠心さん、エンジェル騎士達を合体させてライオルバットバスターに合体させてください!」

「よーし、バットマシン!フォームチェンジ!」

バットマシンはバイクに変形する。

「それから超エンジェル合体って言ってください!」

「よし、超エンジェル合体!ライオルバットバスター!」

シャイニングカクウは拱手をする。

バットマシンは宙に浮く。

「うおっ!浮いてる!?」

バットマシンの後部にノラオルガが、前部と下部にライシングが組み合わさる。

やった!私がご主人の背中を支えるんだ!

ノラオルガは大喜びだ。

「これが、ライオルバットバスター…かっこよすぎだぜ!」

「何よ!卑怯よ!」

ミホギゼンストンは合体ロボに驚愕しながらも愚痴る。

「テメェが言えたもんじゃないぜ!クラスメイトの人々を、速水と時雨を酷い目に遭わせやがって!」

「ライシングエレクトロ!」

音撃破をミホギゼンストンに撃ち込む。

「うわっ!」

「オルガシュート!」

「うわっ!」

巨大なエネルギー弾を一直線にミホギゼンストンに当たる。

「バットスラッシュ!」

ライオルバットバスターがミホギゼンストンに目掛けて突進する。

「ぎゃあ!」

ミホギゼンストンは吹っ飛ぶ。

「よぉし!」

シャイニングカクウは使いこなせていた。

実は…

__数日前__

「最終必殺!トリニティアタック!」

このような感じでシンリみたいなムカつく人を撃つフリをしていた。

そして今

先公!自分でも道を進む事だって大切だ!

だがな、ルーレットだけは廃止させてもらうぜ!

「最終必殺!トリニティアタック!」

三位一体のそれぞれの技が光線に一条へと化す。

「うわああああああああああああああ!」

ミホギゼンストンは大ダメージを負い大爆発した。

「決まった!偽善者な担任と被害者ぶる先公を、撃破したぜ!イェイ!」

ご主人様、カッコイイー!😍

ノラオルガの恋は全開だ。
























「フッ!これにて、一件落着!空が夕日だ!笑え笑え!」

誠心は満面の笑みだ。

「アッハッハッハッハッ!」

誠心とノラオルガは笑っていた。

それを見ていたライシングとバットマシンは

「笑う必要ある?」

「夕日なのに」

人間味があり過ぎるエンジェル騎士であった。

「あっご主人、いやっ誠心さん…」

「?」

誠心はノラオルガに呼ばれ振り向く。

「あの、これ!」

誠心は受け取る。

「これって…」

「あなた好みのホワイトチョコ」

「開けていい?」

「うん」

誠心は開ける。

中身は誠心が好きなハート型のホワイトチョコだった。

「おぉ!ありがとう!」

誠心は大喜び。

「食べていい?」

「うん!」

「いただきまーす!」

誠心はチョコを頬張る。

「美味しい!」

「ほんと!?」

「うん!」

「やったぁ!」

ノラオルガは大喜びだ。

「あいつ、どうやってチョコ作れたんだ?」

「さぁ」

2人は小声で話す。

「おーい!」

「誠心ー!」

その声は!

「速水!時雨!」

「大丈夫か?」

「え?なんの事?」

えっ?

そっか覚えてないんだ、今日の出来事。

カリンが忘れさせたんだ!

でも速水は覚えていると思うけど…

まぁいっか!































__翌日__

朝のホームルームの前だ。

はぁ…それにしても昨日はとんでもない事が起きたな。

法廷かぁ…

今俺がいる教室は、昨日四角い円陣となっていたんだ。

そう思うと、なんかあれだ。

ジェラサイドに憑依されようがされないが、やっぱりあいつらは変わらない。

やれやれだ…

ガラガラガラ!

教室の引き戸が開く音がする。

「皆さん!今日から1ヶ月代理の担任を務めます!北見康誠(きたみこうせい)と申します!」

「あ」

「まずこのクラスに担任いたっけ?」

周りがザワつく。

自分の席の近くにいた速水と小声で話す。

「ねぇ、ひょっとして担任がジェラサイドだったから?」

「あぁ。だからこんなややこしい事になってるんだ」

「なんなの?最近?もう少しで三年生だって言うのに、転校生とか代理の担任とか」

息を吸って

「さぁー」

2人は首を横に振って不思議に思う表情になる。

ってかこのクラス、やけに名前に"子"が付く人多くない?
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