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第一章 心情のココロ!

③Aパート

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「ごめーん待った?」

「デートかよ」

「デートじゃん」

「違うわ!」

相変わらずの速水と誠心の漫才だ。

「11時35分行きのバスに乗るのか?」

「あぁ」

悠人もちゃんと来ていた。

「日向子さん…」

なんと、時雨も来ていたのだ。

日向子の事で引きずってたから誘った。

俺だってこの前…























__数日前__

俺はどうしても未央の手を触りたくなったので、わざとハンカチを落とす事にした。

多分普通に手を洗わないでやるとか、手洗い場じゃない所でやったら不自然だし。

まずこれ事態が不自然か。

俺は落としてみたが…

「あの、ハンカチ落としましたよ」

「え?」

なんと、他の女子が気付いたのだ。

その直後

「何これ?ハンカチじゃん」

なんと、未央の友達が気付いてしまった。

「あっすみませんそれ僕のです」

つい名乗り挙げてしまった。

俺は何度かアプローチ作戦に失敗してしまったんだ。

それが、なんか時雨に似ていて。

だから誘ったのさ。

でも凄いよな、なんか。

俺がシャイニングカクウになってなかったら、今頃こんな感じにはなってはいなかったよ。

前からずっと、歴史が変わっていれば、あの教師が蓮先公じゃなければなど、もうすぐでクラスが変わるのにも関わらずに俺はいつも思う。

だけど俺がD組だったら、この今の友情はどうなっていたのだろう。

もし、俺が何か悪い事でもしてしまったら、もし、それがバレてしまったら、俺はこの輪から外されてしまうかもしれない。

俺の全てが失ってしまうかもしれない。

そんな恐怖も少しはあるかな。

まぁそう思いながらもバスの中に入る。

あれ?なんか男性多いな。

「…………………………」

座禅?

「ママ…ママ…」

まっマザコン?…

「キャーーーーーーーーーー!」

「?」

なんだ?この悲鳴?

「おい!強盗だ!金を出せ!」

「え?」

「これがわからないのか?今からここをジャックする。動くなよ?」

なんと、ナイフを持った男がバスをジャックしたのだ。

「うわぁっ!」

「なになに?」

「え?」

なんかやけに落ち着いている人多いなぁ、驚いているの俺だけ?

「マーマ!マーマ!マーマ!マーマ!※成人男性です。」

え?何あれ?

やっぱあの人マザコンだったのか。

つか幼稚園に送り届けた時親が離れてほしくないから泣きわめくみたいなやつやん。

「………………………………………………」

(なぁお前もスケボーやってみないか?)

(あうん)

(バキッ!)

(オイテメェ何してくれとんねん!)

何考えてるの?

逆になんで読めるの?

「ママーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーウウーーーーーーーーーーーーウウーーー」

歌ってるの? 

「なぁーシュートイングリッシュの番組さぁ、マジやってらんねぇわ」

「あわかる俺ら悪い役しかオファー受けてないわ」

「もうそれしか仕事ねぇよ」

「あれでギャラ少なめってふざけてるだろ!」

「あぁー早く打ち切りになんねぇなかなぁー」

「ホントそれ!」

何これ?

こんな状況でそんな話する?

「腹減ったぁ早く塩ラーメン食べたいなぁ」

速水?

「ヤバい!あの提出物出し忘れた!」

「あっ俺も!」

「えらいこっちゃ♪えらいこっちゃ♪えらいこっちゃ♪よいよいよいー♪」

時雨?悠人?

時雨もう立ち直ったのか。



なんか、強盗凄い困惑してるな…

予想外の出来事だし。

「おーい!お前ら静かにしろ!頼む!静かにしてくれ!静かにしないと俺、泣いちゃうよ?」

「………………………………………………」

言われた通り静かになったw

「ありがとうーーーーーーーーーーーーー!」

涙目w

「なぁ、誠心」

「?」
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