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第一章 心情のココロ!

④Bパート

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「誠心!俺だよ!」

「その声は空我!」

彼の名は仁良空我(にらくうが)。

不良で同じ不良のファムと付き合っているらしい。

「この前はサンキュー!」

「あっあぁ…」

不良は悪い印象がつきがちだが俺にとっては憎めない男だ。

ってそう思ってる場合じゃない!今ハイジャックされてるんだ!

「ねぇ、ちょっと、今の状況わかってるよね?」

小声で空我に話しかける誠心。

「え?パフォーマンスじゃないの?」

え!?

パフォーマンス!?

え!?

これパフォーマンスなの!?

いやこれガチなヤツでしょ!?ねぇ!?

絶対ガチ!?

なんで!?

いや、せめて速水は気づいてよ!

「速水?」

「あぁーお腹空いたぁーお母さーんラーメンまだー?」

そんなラーメン食べたかったのかこの人。

普段は俺にツッコミするくせに今回はボケか?

キャラ崩壊か?

やっぱりツッコミ役は俺に向いていますな。

「なぁ誠心聞いてくれよー」

「何?」

「この前の誘拐で俺と身内以外"男性恐怖症"になったんだよねぇ」

気の毒だけど今そんな話してる場合?

待って、てことは不登校?

つか男性恐怖症って俺も入っているのか?

でもこのままだと……………



























__2035年__

「ファム!酒!」

「はいあなた」

「ファムこっちに来い!」

空我に寄り添うファム。

「いいか?お前は一生俺を愛さなければいけない」

「はい」

「俺もお前に愛を誓う。俺ら2人で永遠に愛し合う。いいな?」

「はい」

「よしよし」

ファムの頭を撫でる空我。

__現在__

ってなりそう。

でもその頃には男性恐怖症は治ってそう。

「やっぱファムには俺がいないとダメだな」

あれ助けたの俺だけど、空我ってことでいいのかな?

いずれバレるのでは?

いや、その時は空我が助けたってことにすればいいんだ。

本来とは違うかもしれないけど

彼女にとって助けてもらいたいのは空我のはずだし。

って今こんなこと考えている場合じゃない!

「おーいみんなーお腹空いてないかー」

あぁーもう少しで12時過ぎちゃうじゃーん。

「お腹空いている人手挙げ!」



ほぼ全員じゃん…

「よし、じゃあみんな、カレー作ったから食べろ!」

「え!」

「僕ママが作ったカレーがいい!」

「あのぉ俺らラーメン食べるんで…」

「それならカレー食べた後に食べるがいい!」

「はぁ!?」

意味わからん。

「とにかく、みんなで食べるカレーは美味しいに決まってる!よし、準備はできてあるから早速食べよう!」

できてるの?



「さぁ、お食べ。みんなで食べるカレーってば、最高だぜ?」

強盗が言うセリフじゃねぇ…

つかどうやってお鍋とか持ってこれたんだ?

まぁとりあえずカレーを食べる事にした。

パクっ。

「…………………………………………」

「…………………………………………」

「…………………………………………」

「…………………………………………」

「…………………………………………」

あれ?意外と美味い?

「美味い!」

「だろ?」

なんか単純にスパイスがあって美味い…

「ハッハッハッハァー、?」

強盗はとあるところを目にする。

「おい、お前なんでにんじんは食わないんだよ」



(しゅうまいの下にある茹でキャベツ生だと不味いんだよなぁ)

「あ?なんて言った?もっとはっきり喋ろ!」

うわ優遇、強がり女(姉)じゃん。

「私はにんじんアレルギーです。なので食べられません」

何気にテレパシーしていた人が喋ったとこ初めて見た。

「じゃあ食べなくていい!」

「え?」

「もういい!食べなくていいから!あぁー!じゃあもう作らないね!」

うわババアやん。

かつてはすぐ優遇、強がり女には天然ぶって俺にはすぐ怒ってばっかりする差別野郎やん。

「みんなーおいしいー?」

「………………………………………………………」

「美味しくないの?俺泣いちゃう😢ピエンピエンピエンピエンピエンピエーーーーーーーーーン」

強盗ですらこの泣き方する作品ってなんなの…

「わぁーおいしいー」

「めちゃくちゃ可愛い」



「マージおいしいー」

「そうだねぇー」

"!"これが付いてないから棒読みだよこいつら。

「なぁ運転手もたーべろーよー」

「嫌です。私は運転手なので」

理由が意味わからん。

「うるせぇ!いいだろ!」

「やめろ!」

なんと、強盗は倒れたのだ。

「あっひょっとして!」

誠心と速水は気付く。

「え?」

「え?」

何も知らない人達は困惑する。

「ママーどゆこと?」

(私は知らない)

「黙れ!」

乗車している人達はエネルギーを吸い取られる。

残りは誠心。

運転手はジェラサイドのラベィに変わる。

「さぁかかってこい!シャイカクウ!」

「なんだその呼び方!」

「シャイニングカクウ!かかってこい!全ての切なさを我にかけて!」

「展開が進まないなぁ」

誠心は変身ポーズの体勢をとる。

「変身!」

おでこを左手にかざす。

「ジェランバイザー!」

少しずつ右にずらしジェランバイザーを召喚しセットする。

水色のクリスタルに燦然と輝くシャイニングカクウに姿を変える。

「せっかくのラーメンを台無しにしよって!」

「フッ私が操った訳ではない!自らの意思を利用しただけだ」

自らの意思!?
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