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元カレの爆弾に激震走る
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ところが――。
忍が投下した爆弾が、翌朝になって激震をもたらした。
『今日は先に行く』と言ってマンションを出て行った脩平の背を見送り、いつもと同じ時間に出勤すると、なんだかオフィスがざわめいていた。
室内に足を踏み入れると、企画広報部の同僚たちが、険しい顔をしてあちこちで立ち話をしている。
どこか不穏で落ち着かない空気に怯みながら、私は肩を縮めて自分のデスクに辿り着いた。
その途端。
「若槻さん、大変っ……! 郡司さんがっ!!」
私に気付いた先輩が、顔面を蒼白にして金切り声を上げた。
その様子と『郡司さん』という名前に、反射的にギクッとして、私はその場に立ち尽くした。
「郡司さんが、なにか?」
一気に警戒心を高めながら、探るように聞き返した私に、先輩が駆け寄ってくる。
いきなり両腕をガシッと掴まれ、私はビクンと身体を強張らせてしまった。
けれど、先輩は私の様子をまったく気にせずに、どこか半狂乱になってその一言を口走った。
「ついさっき、部長に退職願を提出したって……!!」
「えっ……」
私は大きく目を見開いて、絶句した。
足元が掬われそうな衝撃を感じ、目の前がぐらっと大きく揺れたのを見たような気がした。
次の瞬間、目の前が真っ暗になり、その場に凍りついて動けなくなった。
忍が投下した爆弾が、翌朝になって激震をもたらした。
『今日は先に行く』と言ってマンションを出て行った脩平の背を見送り、いつもと同じ時間に出勤すると、なんだかオフィスがざわめいていた。
室内に足を踏み入れると、企画広報部の同僚たちが、険しい顔をしてあちこちで立ち話をしている。
どこか不穏で落ち着かない空気に怯みながら、私は肩を縮めて自分のデスクに辿り着いた。
その途端。
「若槻さん、大変っ……! 郡司さんがっ!!」
私に気付いた先輩が、顔面を蒼白にして金切り声を上げた。
その様子と『郡司さん』という名前に、反射的にギクッとして、私はその場に立ち尽くした。
「郡司さんが、なにか?」
一気に警戒心を高めながら、探るように聞き返した私に、先輩が駆け寄ってくる。
いきなり両腕をガシッと掴まれ、私はビクンと身体を強張らせてしまった。
けれど、先輩は私の様子をまったく気にせずに、どこか半狂乱になってその一言を口走った。
「ついさっき、部長に退職願を提出したって……!!」
「えっ……」
私は大きく目を見開いて、絶句した。
足元が掬われそうな衝撃を感じ、目の前がぐらっと大きく揺れたのを見たような気がした。
次の瞬間、目の前が真っ暗になり、その場に凍りついて動けなくなった。
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