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まさか王道の…
「ーというわけなんだ」
王太子はニッコリ笑った。
もちろん、ティファナがその内、王太子妃から降りる予定も、モリーがその内、王太子妃になる予定も、モリーには伏せて話されている。
そうか、影かー
モリーの覗きがなぜバレたのか。
なぜ王太子が学園に来たのか。
覗き見をするモリーを覗く、もう一つの存在がいたからだ。
ようやく、モリーの疑問が1つ解けた。
影が学園にいるだろうことを想定できなかった自分のミスだ。
「だから、僕のお嫁さんは実質モリー1人だけだよ」
「嫁も何も、まだロニーと婚約中ですし了承した覚えも…モゴ」
話の途中でギュッと抱きすくめられて、モリーの口は王太子の体で物理的に塞がれ、喋れなくなった。
「はぁ、このまま帰したくないな。寝室に連れて行きたい…」
「それもありだと思うわ!あ、じゃあ私は出てくわね?」
「モゴ…いかないれくらはい!」
貞操の危機にモリーは必死だった。
その後、まだ婚約中である事を盾に、何とか王太子を納得させ、家に逃げ帰った。
翌週。
ロニーの家から、しばらく学業に専念することになり、結婚の目処が立たなくなった、申し訳ないので婚約は一旦白紙にしてほしい、と申し出があり、モリーの婚約は解消された。
そしてその翌日。
「殿下から、お前が側妃候補と聞いたぞ!?モリー、どういうことだ!」
王城から帰宅した父に呼ばれ、書斎に行くと、目を剥いた父から、開口1番にこう聞かれた。
どんどんモリーの望まない方向に行っている。
だが、どうにもできない。
こんな、なんの取り柄も、力もないモブは、翻弄されるままに流されるしかない。
モリーは初めて、モブに生まれたことを悔やんだ。
「殿下から、お、お義父さんと言われたんだぞ!」
父は半泣きである。
「義務教育だから学園卒業までは、なんとか保留にして頂いたが、ならば婚約を、と仰られて…それだと宰相から目をつけられるからとなんとか婚約は諦めてもらったが…その代わり、卒業まで、お前を誰とも婚約させることはできない」
詰んだ。なんか色々詰んだ。
父はガタガタ震えている。
「こんなことがバレたら、宰相に、こ、殺される…!」
父の話を聴く限り、宰相は裏世界にも通じるヤバイ奴らしい。
ティファナも相当嫌っていた。
私が側妃になんてなったら、王城の権力闘争にお父様を巻き込んでしまう…!
「お父様…でも逆を返せば、王太子様が私を好きじゃなくなればなくなる話よね?なぜか私を気に入ってらっしゃるけれど、きっと気の迷いだと思うの…。私、卒業までに、なんとかがんばってみるわ…!」
その後、モリーは頑張った。
王太子に会う時は、非モテ要素を盛り込んだ。
派手、不潔、香水くささ、ガサツ、下品…
しかしどんな非モテ要素も効果がなかった。
下品を演出するために、いつもよりデコルテを出して胸の谷間を見せ、スカートの丈も短くした時は大失敗だった。
「誘ってるの?」と覆いかぶさってきた王太子にキスされた上、あんな所やこんな所も触られてしまった。
そう、頑張りのせいで、むしろ王太子との関係は進展してしまったのである。
そんなことをしている間に、あっという間に時が経ち、今日はとうとう卒業パーティだ。
「卒業パーティのエスコートは僕がするよ?ドレスも贈るからね」と言われて身構えていたが。
王太子の目や髪の色のドレスが届いたらどうしようかと思っていたが、モリーはホッとした。
届いたドレスは白のマーメイドラインのドレスで、裾と胸元に金のレースが飾られ、清楚な雰囲気を演出している。
パールのネックレスに白のグローブをつけ、テラコッタ色の髪は編み上げて高い位置でまとめてもらった。
まあ、ドレス自体は、似合ってはいると思う。
でも、所詮はモブ。
似合ってはいるが、目を引くほどではない。
卒業パーティで、こんなモブと一緒に居たら、王太子の評判落ちるんじゃないの?
王太子に気に入られたからと言って、モブ生活自体は何ら変わらず、ヒロイン達と接触することもなく、モブらしく過ごしてきた。
だから、こんなモブが現れた所で、卒業パーティを不穏にざわつかせる程度だと思うのだが。
どちらにしても、自分に選択肢はない。
モリーはため息をついた。
このお化粧が終わったら、とうとうパーティに向かうことになる。
卒業パーティは、大人への第一歩でもある。
皆社交界と同様、正装をして、女子は化粧をして臨むのだ。
「終わりましたがお嬢様!なんてお美しい!」
モリーにとって初めての化粧を任せていた侍女があげた声に、思わず鏡を見たモリーは目を見張った。
「は?何これ!?」
鏡の中に、見たこともない美人がポカンと口を開けてこちらを見ている。
色白の肌に、テラコッタの髪がよく映える。
その灰色の瞳で、これが自分だとわかる。
わかるのだが…
「やられた…」
モリーはヘナヘナと床に座り込んだ。
これはあれだ。
あの王道の…
「化粧した途端に美人に大変身するシーンだ…」
少女漫画でも乙ゲーでも何度も見たことがあるこのシーン。
しかも、この大変身を起こすと、なぜか化粧を落とした後もそのまま美人枠に留まる。
まさか、私が…
「あぁ、モリー。なんて綺麗なんだ!よく似合っている…あとこれもね。」
白の礼服を着た上機嫌の王太子に、エメラルドの髪飾りをつけられ、連れ立ってパーティ会場に姿を現すと、会場は騒然となった。
「だ、誰だあの令嬢は?何と美しい!」
「どなたか、王太子様のお連れ様をご存じありませんの!?」
「なんてお似合いなお2人でしょう!」
前フリやめろー!
いやいや、モブ先生にモブ生徒らよ。
1年、いや3年一緒に過ごしたじゃん?
髪の色も目の色も変えてないよ?
化粧したくらいで、モリーのモの字も出てこないってどういうことだよ…
そういえば、ヒロインはどうなった?
見回すと、シーク王子にエスコートされたリサが目に入った。
シークルートなのかー。
悪役令嬢もいるし、久しぶりに、乙ゲーの世界を堂々と観れるっ!
ニヘッと笑ったつもりなのに、「女神の微笑み…」と呟いたモブが約2名、倒れて搬送された。
「私は挨拶があるから、ここでいい子で待ってるんだよ?」
王太子が耳元で囁いてから、壇上に行き、開式の挨拶を始めた。
悪役令嬢の断罪を始めるのは、この後のダンスタイムが始まって少しした頃のはずだ。
悪役令嬢がリサを睨みつけている。
確かヒロイン達はあのステンドグラスを背にして断罪劇を始めていた。
いい場所を取れるように、ダンスはあの辺りで踊るようにすれば…
その時、壇上で自分の名が呼ばれ、モリーは振り返った。
「モリー、こちらにおいで」
ニッコリと笑って王太子が私に向かって手を伸ばす。
え?なんで?
断罪劇に思いを馳せていたせいで、話の前後を聞いていなかった。
が、会場の視線がモリーに集中している。
自分が行かないと、話が進まないようだ。
空気を読んだモリーは壇上へ急いだ。
王太子はモリーを壇上へ上がらせると、腰を抱いて宣言した。
「私はモリートワンク子爵令嬢と本日婚姻を結び、側妃に迎える事をここに宣言する!ここにいる皆に、その証人になってもらおう!」
騒めきはすぐに歓声になった。
「モリー」
抱きすくめられて公衆の面前でキスされ、そのままお姫さま抱っこで馬車に連れてこられた。
パニックのモリーは、ほぼ動けなかった。
「側妃とは結婚式はできないけれど、大勢の人の前で、君が私のお嫁さんだって言いたかったんだ…ああ、やっとモリーが私の元に来てくれた」
横抱きのまま、チュッと音を立てながら、至る所にキスを落とされる。
「こ、こんなの騙し討ちじゃないですか!父は…父は了承してるのですか!?」
「お父上には後で報告するから心配しないでいいよ。卒業までは待ったんだし、約束は守ってるからね。」
モリーは王太子の目に射すくめられて動けない。
「このウェディングドレスを脱がせて、今日こそ私のものにするからね」
その後、王太子の愛を嫌と言うほど思い知らされたモリーは「王太子様のお嫁さんになりたいです!」と言うまで離してもらえなかった。
「まあ、ティファナ様とはいい関係築けそうだし、安定した生活は送れるから、側妃でまだよかったのかもしれない」
そう考えて割り切ったモリー。
モリーを後々王妃にすべく、着々と周りが地固めに入っていることに気づくのは、もう少し先の話である。
おわり
王太子はニッコリ笑った。
もちろん、ティファナがその内、王太子妃から降りる予定も、モリーがその内、王太子妃になる予定も、モリーには伏せて話されている。
そうか、影かー
モリーの覗きがなぜバレたのか。
なぜ王太子が学園に来たのか。
覗き見をするモリーを覗く、もう一つの存在がいたからだ。
ようやく、モリーの疑問が1つ解けた。
影が学園にいるだろうことを想定できなかった自分のミスだ。
「だから、僕のお嫁さんは実質モリー1人だけだよ」
「嫁も何も、まだロニーと婚約中ですし了承した覚えも…モゴ」
話の途中でギュッと抱きすくめられて、モリーの口は王太子の体で物理的に塞がれ、喋れなくなった。
「はぁ、このまま帰したくないな。寝室に連れて行きたい…」
「それもありだと思うわ!あ、じゃあ私は出てくわね?」
「モゴ…いかないれくらはい!」
貞操の危機にモリーは必死だった。
その後、まだ婚約中である事を盾に、何とか王太子を納得させ、家に逃げ帰った。
翌週。
ロニーの家から、しばらく学業に専念することになり、結婚の目処が立たなくなった、申し訳ないので婚約は一旦白紙にしてほしい、と申し出があり、モリーの婚約は解消された。
そしてその翌日。
「殿下から、お前が側妃候補と聞いたぞ!?モリー、どういうことだ!」
王城から帰宅した父に呼ばれ、書斎に行くと、目を剥いた父から、開口1番にこう聞かれた。
どんどんモリーの望まない方向に行っている。
だが、どうにもできない。
こんな、なんの取り柄も、力もないモブは、翻弄されるままに流されるしかない。
モリーは初めて、モブに生まれたことを悔やんだ。
「殿下から、お、お義父さんと言われたんだぞ!」
父は半泣きである。
「義務教育だから学園卒業までは、なんとか保留にして頂いたが、ならば婚約を、と仰られて…それだと宰相から目をつけられるからとなんとか婚約は諦めてもらったが…その代わり、卒業まで、お前を誰とも婚約させることはできない」
詰んだ。なんか色々詰んだ。
父はガタガタ震えている。
「こんなことがバレたら、宰相に、こ、殺される…!」
父の話を聴く限り、宰相は裏世界にも通じるヤバイ奴らしい。
ティファナも相当嫌っていた。
私が側妃になんてなったら、王城の権力闘争にお父様を巻き込んでしまう…!
「お父様…でも逆を返せば、王太子様が私を好きじゃなくなればなくなる話よね?なぜか私を気に入ってらっしゃるけれど、きっと気の迷いだと思うの…。私、卒業までに、なんとかがんばってみるわ…!」
その後、モリーは頑張った。
王太子に会う時は、非モテ要素を盛り込んだ。
派手、不潔、香水くささ、ガサツ、下品…
しかしどんな非モテ要素も効果がなかった。
下品を演出するために、いつもよりデコルテを出して胸の谷間を見せ、スカートの丈も短くした時は大失敗だった。
「誘ってるの?」と覆いかぶさってきた王太子にキスされた上、あんな所やこんな所も触られてしまった。
そう、頑張りのせいで、むしろ王太子との関係は進展してしまったのである。
そんなことをしている間に、あっという間に時が経ち、今日はとうとう卒業パーティだ。
「卒業パーティのエスコートは僕がするよ?ドレスも贈るからね」と言われて身構えていたが。
王太子の目や髪の色のドレスが届いたらどうしようかと思っていたが、モリーはホッとした。
届いたドレスは白のマーメイドラインのドレスで、裾と胸元に金のレースが飾られ、清楚な雰囲気を演出している。
パールのネックレスに白のグローブをつけ、テラコッタ色の髪は編み上げて高い位置でまとめてもらった。
まあ、ドレス自体は、似合ってはいると思う。
でも、所詮はモブ。
似合ってはいるが、目を引くほどではない。
卒業パーティで、こんなモブと一緒に居たら、王太子の評判落ちるんじゃないの?
王太子に気に入られたからと言って、モブ生活自体は何ら変わらず、ヒロイン達と接触することもなく、モブらしく過ごしてきた。
だから、こんなモブが現れた所で、卒業パーティを不穏にざわつかせる程度だと思うのだが。
どちらにしても、自分に選択肢はない。
モリーはため息をついた。
このお化粧が終わったら、とうとうパーティに向かうことになる。
卒業パーティは、大人への第一歩でもある。
皆社交界と同様、正装をして、女子は化粧をして臨むのだ。
「終わりましたがお嬢様!なんてお美しい!」
モリーにとって初めての化粧を任せていた侍女があげた声に、思わず鏡を見たモリーは目を見張った。
「は?何これ!?」
鏡の中に、見たこともない美人がポカンと口を開けてこちらを見ている。
色白の肌に、テラコッタの髪がよく映える。
その灰色の瞳で、これが自分だとわかる。
わかるのだが…
「やられた…」
モリーはヘナヘナと床に座り込んだ。
これはあれだ。
あの王道の…
「化粧した途端に美人に大変身するシーンだ…」
少女漫画でも乙ゲーでも何度も見たことがあるこのシーン。
しかも、この大変身を起こすと、なぜか化粧を落とした後もそのまま美人枠に留まる。
まさか、私が…
「あぁ、モリー。なんて綺麗なんだ!よく似合っている…あとこれもね。」
白の礼服を着た上機嫌の王太子に、エメラルドの髪飾りをつけられ、連れ立ってパーティ会場に姿を現すと、会場は騒然となった。
「だ、誰だあの令嬢は?何と美しい!」
「どなたか、王太子様のお連れ様をご存じありませんの!?」
「なんてお似合いなお2人でしょう!」
前フリやめろー!
いやいや、モブ先生にモブ生徒らよ。
1年、いや3年一緒に過ごしたじゃん?
髪の色も目の色も変えてないよ?
化粧したくらいで、モリーのモの字も出てこないってどういうことだよ…
そういえば、ヒロインはどうなった?
見回すと、シーク王子にエスコートされたリサが目に入った。
シークルートなのかー。
悪役令嬢もいるし、久しぶりに、乙ゲーの世界を堂々と観れるっ!
ニヘッと笑ったつもりなのに、「女神の微笑み…」と呟いたモブが約2名、倒れて搬送された。
「私は挨拶があるから、ここでいい子で待ってるんだよ?」
王太子が耳元で囁いてから、壇上に行き、開式の挨拶を始めた。
悪役令嬢の断罪を始めるのは、この後のダンスタイムが始まって少しした頃のはずだ。
悪役令嬢がリサを睨みつけている。
確かヒロイン達はあのステンドグラスを背にして断罪劇を始めていた。
いい場所を取れるように、ダンスはあの辺りで踊るようにすれば…
その時、壇上で自分の名が呼ばれ、モリーは振り返った。
「モリー、こちらにおいで」
ニッコリと笑って王太子が私に向かって手を伸ばす。
え?なんで?
断罪劇に思いを馳せていたせいで、話の前後を聞いていなかった。
が、会場の視線がモリーに集中している。
自分が行かないと、話が進まないようだ。
空気を読んだモリーは壇上へ急いだ。
王太子はモリーを壇上へ上がらせると、腰を抱いて宣言した。
「私はモリートワンク子爵令嬢と本日婚姻を結び、側妃に迎える事をここに宣言する!ここにいる皆に、その証人になってもらおう!」
騒めきはすぐに歓声になった。
「モリー」
抱きすくめられて公衆の面前でキスされ、そのままお姫さま抱っこで馬車に連れてこられた。
パニックのモリーは、ほぼ動けなかった。
「側妃とは結婚式はできないけれど、大勢の人の前で、君が私のお嫁さんだって言いたかったんだ…ああ、やっとモリーが私の元に来てくれた」
横抱きのまま、チュッと音を立てながら、至る所にキスを落とされる。
「こ、こんなの騙し討ちじゃないですか!父は…父は了承してるのですか!?」
「お父上には後で報告するから心配しないでいいよ。卒業までは待ったんだし、約束は守ってるからね。」
モリーは王太子の目に射すくめられて動けない。
「このウェディングドレスを脱がせて、今日こそ私のものにするからね」
その後、王太子の愛を嫌と言うほど思い知らされたモリーは「王太子様のお嫁さんになりたいです!」と言うまで離してもらえなかった。
「まあ、ティファナ様とはいい関係築けそうだし、安定した生活は送れるから、側妃でまだよかったのかもしれない」
そう考えて割り切ったモリー。
モリーを後々王妃にすべく、着々と周りが地固めに入っていることに気づくのは、もう少し先の話である。
おわり
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