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ある意味フラグ回収
目の前のテーブルに、ひと口大のケーキが何種類も並んでいる。
「モリーはどれが良い?」
「…チーズケーキをお願いします」
緊張で口がカラカラに乾いているが、高そうな紅茶に口をつけ、モリーはケーキを口に運んだ。
ティファナがニコニコとこちらを見ている。
「どう?美味しいかしら?」
「あ、はい」
「どうしても食べたくて、私がレシピを伝えて、作ってもらってるのよ」
「そうなんですか」
こんな美人なのにお菓子作りの知識まであるのか、とぼんやりと思っていると、ティファナがニッコリと笑った。
「だって、こちらの世界にはこういうケーキ、ないでしょう?」
「…え?」
「ケーキといえばパウンドケーキ、しかないでしょう?チーズケーキもモンブランもショートケーキも、私が伝えて作ってもらってるの。この世界でここにしかないのよ」
フォークを持つ手が細かく震え出す。
フレッシュケーキは確かに、王太子と会う時しか食べてない。
モリーの生活圏では見かけなかったが、おかしいとは思わなかった。
高位貴族じゃないと食べられないような高価な代物だと思いこんでいたから。
この世界にフレッシュケーキ自体がない、という発想にはならなかった…
まさか…まさか…この人は…
「モリー、私も転生者なの。」
思わずモリーは立ち上がった。
「な…っ!わ、私は!」
「転生者でしょう?」
言葉に詰まり、すぐに言い返すことができない。
モリーの反応をうかがっている訳ではなく、すでに確定事項として受け取られている様子に、反論は諦めたが、それでも動揺は止まらない。
「い、いつから!」
「最初から、だよ。モリー」
隣に座る王太子が言い、手を引いて座るように促す。
「最初から…!?」
「君が3年生になって、その後から」
「あなたも転生者なの!?」
「私は違うよ。転生者は君とティファナだけだ。最初から話すから、座って?」
王太子とティファナを交互に見比べて、モリーは力が抜けたようにストン、と着席した。
□◾️□◾️□◾️□◾️□◾️□◾️□◾️□◾️□
ある日、弟のシーク王子の護衛としてつけている影から報告を受けた。
シーク王子の通うレジーナ学園に、不審な生徒がいるという。
影は時折首を捻りながら次のように語った。
最初はシーク王子をつけ狙うどこかの間者かと思ったが、監視を続けていると、どうやらねらいは王子ではなく、リサという1年生のようだった。
どうやって知るのか、リサが偶発的に出没するような場所にも、先回りして隠れていることもある。
覗き見してニヘニヘ笑うくらいで、その後は満足した様子で教室に戻り、授業も真面目に受けている。
武器などの携帯はなく、特に危害を加えようとしたり、情報を渡す様子もない。ただただ気味が悪いだけである。
そのまま泳がせておくべきか、監視対象から外すべきか。
影は迷った末、ひとまず主である王太子に報告した。
予見したかのような行動と聞いて、覚えのある王太子は自ら確認しに行った。
不審な学生はモリー トワンクと言った。
成績は中の上。健康。
そのほかで特にこれといった記録はなかった。
ただ、今年になって一気に成績が上がっていた。
影に案内され、放課後の学園でモリーを確認した。
なるほど、確かに覗き見しているが、楽しそうに笑うだけだ。
声をかけると、ギョッとして「王太子」だと当ててきた。
それだけなら間者の可能性もあるが…そんなボロを出すような者が間者である可能性は低いだろう。
確認のため、お茶に誘い、用意しておいたケーキを出す。
ティファナが元いた世界にしかないケーキを出すと、「チーズケーキ」と呼びそれを選んだ。
間違いない。彼女は転生者だ。
帰ってすぐにティファナに話した。
ティファナからも、転生者だろうと太鼓判を押された。
「それで、その彼女、どうするの?」
「一応、監視対象にしておくよ」
「それだけでいいの?」
「?なんで?」
ティファナは呆れたように私を見た。
「あなた、すごい楽しそうよ?」
「ああ、モリーに、またお茶しようねって言った時にね」
「?」
「やだって言われたんだ」
その時を思い返して、大きく破顔してしまう。
「面白いコだろう?」
「あら、あなたがそんな興味持つなんて!」
途端にティファナがワクワクした顔で立ち上がった。
「どうなの?可愛いの?」
「んー、そうだな。整った顔立ちはしてたよ。目が雪空みたいなグレーだった。私に怯えて、くるくる表情が変わるんだ。そうだな、可愛かったよ」
「いいじゃない、いいじゃない!側妃候補になれそうなの?」
側妃候補か…
「そう考えてみると、確かに…」
トワンク政務官は特にどの派閥にも属しておらず、質実剛健で汚職を嫌い、仕事の能力にも定評がある。
モリーの母親の生家、グスタフ伯爵家は北方貴族に縁を持つ。
もしモリーが側妃になったら、うまく転べば、北方貴族の支持を得て、宰相一強の派閥争いを崩せるかもしれない。
モリーは立場を弁えていて、無欲で、争いを好まない。側妃に必要な資質を兼ね備えている。
ウェディングドレスに身を包んだモリーと口づけするところを想像したら、カッと体中が熱くなった。
「モリーなら、いいかもしれない」
照れたように呟く王太子を見ながら、着席したティファナが目を細める。
王太子とはこれでも長い付き合いなのだ。
まだはっきりとした自覚はないようだが、ティファナの目から見ればかなり気に入っているのは確かだ。
「ふふ、いよいよ、ね…」
ティファナの父は、この国の宰相だ。
黒い噂の絶えない宰相は権力を持ち過ぎた。
その上、自分の権力を盤石にしようと、自分の娘を妃に、とゴリ押ししてきた。
だが幸いなことに、嫁いできたティファナは父親とは違った。
父を憎み、父の悪事を憎み、父の権力の蔓延るこの現状を憎んだ。
自分が王太子の子を産めば、父をのさばらせることになる。
ティファナは嫁いできた当初、王太子を拒み、誰の接触も許さなかった。
ティファナが部屋に閉じこもって3ヶ月。
話をしたい、と伝え続けてようやく、ティファナと会って話ができた。
その時にティファナから聞かされた話は、俄には信じ難かった。
ティファナははっきりと告げた。
自分は転生者である、と。
ティファナの元いた日本という国で、この世界は物語に書かれており、それでこれからの未来も知っているのだ、と。
もちろん信じられなかった。
が、ティファナの言う通りのことが次々と起こり、信じざるをえなかった。
物語の未来では、ティファナが王太子の子を産むと、それを機に宰相が現政権の転覆を謀る。
王は斃れるが、王太子は宰相に打ち勝ち、宰相の野望はそこで頓挫する。
反逆者の娘であるティファナは悲劇的な死を遂げる。
「私は、幼い頃に記憶が戻り、それから父を改心させるべく、ありとあらゆる策を講じてまいりました」
ティファナは、ハラハラと涙を流した。
「でもだめなのです!権力争いに利用されないように、せめて私があの家から逃げ出そうともしたのですが、必ず連れ戻されてしまって…私は、私は自由になりたいのです!日本でも、この国でも、もう親の言いなりなんてまっぴらなのよ!!」
その後、ティファナと話し合って、私たちは密約を交わした。
ティファナとは白い結婚を通し、子どもはもうけないこと。
側妃を娶り、側妃が仕事を覚えるまではティファナは王太子妃業務を行うこと。
側妃が十分に業務を行えるようになった暁には、王太子妃は病死したことにして、ティファナを自由の身にすること。
側妃を王妃にして、宰相の横暴を止めること。
幸いにも、ティファナは、自由になりたいからと言って、この国のことを見捨てるような利己的な人間ではなかった。
白い結婚のまま、1年が経過した所で、モリーが現れたことは僥倖だ。
かくして、モリーの知らない所で、モリーを嫁に作戦は始まったのだった。
「モリーはどれが良い?」
「…チーズケーキをお願いします」
緊張で口がカラカラに乾いているが、高そうな紅茶に口をつけ、モリーはケーキを口に運んだ。
ティファナがニコニコとこちらを見ている。
「どう?美味しいかしら?」
「あ、はい」
「どうしても食べたくて、私がレシピを伝えて、作ってもらってるのよ」
「そうなんですか」
こんな美人なのにお菓子作りの知識まであるのか、とぼんやりと思っていると、ティファナがニッコリと笑った。
「だって、こちらの世界にはこういうケーキ、ないでしょう?」
「…え?」
「ケーキといえばパウンドケーキ、しかないでしょう?チーズケーキもモンブランもショートケーキも、私が伝えて作ってもらってるの。この世界でここにしかないのよ」
フォークを持つ手が細かく震え出す。
フレッシュケーキは確かに、王太子と会う時しか食べてない。
モリーの生活圏では見かけなかったが、おかしいとは思わなかった。
高位貴族じゃないと食べられないような高価な代物だと思いこんでいたから。
この世界にフレッシュケーキ自体がない、という発想にはならなかった…
まさか…まさか…この人は…
「モリー、私も転生者なの。」
思わずモリーは立ち上がった。
「な…っ!わ、私は!」
「転生者でしょう?」
言葉に詰まり、すぐに言い返すことができない。
モリーの反応をうかがっている訳ではなく、すでに確定事項として受け取られている様子に、反論は諦めたが、それでも動揺は止まらない。
「い、いつから!」
「最初から、だよ。モリー」
隣に座る王太子が言い、手を引いて座るように促す。
「最初から…!?」
「君が3年生になって、その後から」
「あなたも転生者なの!?」
「私は違うよ。転生者は君とティファナだけだ。最初から話すから、座って?」
王太子とティファナを交互に見比べて、モリーは力が抜けたようにストン、と着席した。
□◾️□◾️□◾️□◾️□◾️□◾️□◾️□◾️□
ある日、弟のシーク王子の護衛としてつけている影から報告を受けた。
シーク王子の通うレジーナ学園に、不審な生徒がいるという。
影は時折首を捻りながら次のように語った。
最初はシーク王子をつけ狙うどこかの間者かと思ったが、監視を続けていると、どうやらねらいは王子ではなく、リサという1年生のようだった。
どうやって知るのか、リサが偶発的に出没するような場所にも、先回りして隠れていることもある。
覗き見してニヘニヘ笑うくらいで、その後は満足した様子で教室に戻り、授業も真面目に受けている。
武器などの携帯はなく、特に危害を加えようとしたり、情報を渡す様子もない。ただただ気味が悪いだけである。
そのまま泳がせておくべきか、監視対象から外すべきか。
影は迷った末、ひとまず主である王太子に報告した。
予見したかのような行動と聞いて、覚えのある王太子は自ら確認しに行った。
不審な学生はモリー トワンクと言った。
成績は中の上。健康。
そのほかで特にこれといった記録はなかった。
ただ、今年になって一気に成績が上がっていた。
影に案内され、放課後の学園でモリーを確認した。
なるほど、確かに覗き見しているが、楽しそうに笑うだけだ。
声をかけると、ギョッとして「王太子」だと当ててきた。
それだけなら間者の可能性もあるが…そんなボロを出すような者が間者である可能性は低いだろう。
確認のため、お茶に誘い、用意しておいたケーキを出す。
ティファナが元いた世界にしかないケーキを出すと、「チーズケーキ」と呼びそれを選んだ。
間違いない。彼女は転生者だ。
帰ってすぐにティファナに話した。
ティファナからも、転生者だろうと太鼓判を押された。
「それで、その彼女、どうするの?」
「一応、監視対象にしておくよ」
「それだけでいいの?」
「?なんで?」
ティファナは呆れたように私を見た。
「あなた、すごい楽しそうよ?」
「ああ、モリーに、またお茶しようねって言った時にね」
「?」
「やだって言われたんだ」
その時を思い返して、大きく破顔してしまう。
「面白いコだろう?」
「あら、あなたがそんな興味持つなんて!」
途端にティファナがワクワクした顔で立ち上がった。
「どうなの?可愛いの?」
「んー、そうだな。整った顔立ちはしてたよ。目が雪空みたいなグレーだった。私に怯えて、くるくる表情が変わるんだ。そうだな、可愛かったよ」
「いいじゃない、いいじゃない!側妃候補になれそうなの?」
側妃候補か…
「そう考えてみると、確かに…」
トワンク政務官は特にどの派閥にも属しておらず、質実剛健で汚職を嫌い、仕事の能力にも定評がある。
モリーの母親の生家、グスタフ伯爵家は北方貴族に縁を持つ。
もしモリーが側妃になったら、うまく転べば、北方貴族の支持を得て、宰相一強の派閥争いを崩せるかもしれない。
モリーは立場を弁えていて、無欲で、争いを好まない。側妃に必要な資質を兼ね備えている。
ウェディングドレスに身を包んだモリーと口づけするところを想像したら、カッと体中が熱くなった。
「モリーなら、いいかもしれない」
照れたように呟く王太子を見ながら、着席したティファナが目を細める。
王太子とはこれでも長い付き合いなのだ。
まだはっきりとした自覚はないようだが、ティファナの目から見ればかなり気に入っているのは確かだ。
「ふふ、いよいよ、ね…」
ティファナの父は、この国の宰相だ。
黒い噂の絶えない宰相は権力を持ち過ぎた。
その上、自分の権力を盤石にしようと、自分の娘を妃に、とゴリ押ししてきた。
だが幸いなことに、嫁いできたティファナは父親とは違った。
父を憎み、父の悪事を憎み、父の権力の蔓延るこの現状を憎んだ。
自分が王太子の子を産めば、父をのさばらせることになる。
ティファナは嫁いできた当初、王太子を拒み、誰の接触も許さなかった。
ティファナが部屋に閉じこもって3ヶ月。
話をしたい、と伝え続けてようやく、ティファナと会って話ができた。
その時にティファナから聞かされた話は、俄には信じ難かった。
ティファナははっきりと告げた。
自分は転生者である、と。
ティファナの元いた日本という国で、この世界は物語に書かれており、それでこれからの未来も知っているのだ、と。
もちろん信じられなかった。
が、ティファナの言う通りのことが次々と起こり、信じざるをえなかった。
物語の未来では、ティファナが王太子の子を産むと、それを機に宰相が現政権の転覆を謀る。
王は斃れるが、王太子は宰相に打ち勝ち、宰相の野望はそこで頓挫する。
反逆者の娘であるティファナは悲劇的な死を遂げる。
「私は、幼い頃に記憶が戻り、それから父を改心させるべく、ありとあらゆる策を講じてまいりました」
ティファナは、ハラハラと涙を流した。
「でもだめなのです!権力争いに利用されないように、せめて私があの家から逃げ出そうともしたのですが、必ず連れ戻されてしまって…私は、私は自由になりたいのです!日本でも、この国でも、もう親の言いなりなんてまっぴらなのよ!!」
その後、ティファナと話し合って、私たちは密約を交わした。
ティファナとは白い結婚を通し、子どもはもうけないこと。
側妃を娶り、側妃が仕事を覚えるまではティファナは王太子妃業務を行うこと。
側妃が十分に業務を行えるようになった暁には、王太子妃は病死したことにして、ティファナを自由の身にすること。
側妃を王妃にして、宰相の横暴を止めること。
幸いにも、ティファナは、自由になりたいからと言って、この国のことを見捨てるような利己的な人間ではなかった。
白い結婚のまま、1年が経過した所で、モリーが現れたことは僥倖だ。
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