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影025
卒業パーティ
よし。
俺は気合いを入れた。
これからレジーナ学園で最も華々しい行事、卒業パーティが開かれる。
シーク第二王子は今日でめでたくご卒業。
俺たち影も、今日をもってこのお役目から卒業する。
この学園での最後の隠密。
万感胸に迫るものがあるが、シーク殿下が会場を出るまでがパーティだ。
気を抜かないでいこう。
それに、今日はそれだけじゃない。
俺は入場口に目を向ける。
「王太子殿下、ご入場!」
高らかに告げる声。
そう、王太子殿下もご来場なのだ。
卒業式が終わって城にとんぼ返りして、今日2度目のご来校だ。
到着した王太子とその連れの姿に、会場が騒然となる。
俺も息をのんだ。
すげぇ。さすが071。
たかが化粧。されど化粧。
モリー嬢が完っ全に垢抜けている。
真珠のように光り輝く肌。
テラコッタの髪色が、肌の白さを際だたせ、どこぞの姫君かのようなオーラを放っている。
使用人スキル恐るべし。
あー、殿下が喜びを爆発させてる。
公的にモリー嬢と一緒にいられるこの状況が嬉しくて堪らないようだ。
対になった白の礼服とドレス。
オーラがすごい。
そしてもう一方の王子、シーク第二王子のパートナーは、俺の演出がきっかけで仲良くなったリサ嬢だ。
モリー嬢に続いてリサ嬢まで、俺の王子方へのキューピッド的貢献度、すごくない?
今まで生きてきて「誰かに自慢したい」なんて思った事なかったけど、これは初めて自慢できることかもしれない。
「ねぇ、ちょっと!モリー様が見えない!私をそっち側に行かせて!」
012の注文がうるさい。
今日の俺は012扮する女学生の兄役だ。
目立たない女学生のパートナー役を務める優しい兄、という設定で出席している。
殿下曰く、「今日は会場の至る所に護衛も近衛も配置するから、025は影に撤する必要はない」らしく、それで与えられた役が012の相手役だった。
卒業パーティが開会し、早速王太子殿下が挨拶を始めた。
そしてその後、壇上にモリー嬢を呼び寄せると、婚姻を宣言して、モリー嬢を横抱きにしてそのまま退場した。
え?殿下?
卒業パーティでダンスしてから帰るって言ってませんでしたっけ?
気持ちが盛り上がり過ぎて、我慢できなくなったようだ。
慌てて近衛が追いかけていく。
明日からまとまったお休み取ったって言ってたもんなぁ。
モリー嬢はいつ解放されるかなぁ。
その後のパーティ会場は、クラスメイトだったモリー嬢の話題でお祝いムード一色だ。
俺はちょっと憐れみの目でシーク殿下を見てしまう。
本当は、リサ嬢をいじめてた伯爵令嬢の悪行の数々を、今日ここで白日に晒すつもりだったのだ。
そして皆の前で、リサ嬢を婚約者に据えることを宣言するつもりでもあった。
シーク殿下、ちょっと俯いてる。
リサ嬢は「私は大丈夫ですから」とか言いながら、フォローしてる。
今日は諦めたようだ。
まぁそうだよな。
こんなお祝いムードで盛り上がる中、令嬢の罪を暴くなんて、空気読めねー奴、って逆に反感食うよな。
その判断は正しいよ、シーク殿下。
殿下も、この3年間で大人になったな、うん。
あー、本当に卒業するんだ。俺たちも。
このチームも、今日で解散なんだよな。
すっげえ楽しかったよ。
明日からは、労いの意味も込めて、鷹で知らせるまで皆まとめてしばらく休め、と王太子殿下から言われている。
次の配属先がどこになるのかはまだ聞いていない。
今回の功績で、012はきっと011に昇級するだろう。
俺も昇級はするだろうが、メンタルのこともあるし、最高でも昇級は022までに留めておきたい。
071も012も、次は配属先は国外だろうな。
モリー嬢も、側妃という新しい道を歩み出した。
王太子殿下だって、モリー嬢の事があったから俺に心許してくれてただけであって、そもそも俺が気安く声をかけられるような相手ではないのだ。
なんか、俺だけが取り残されていくようで、少ししんみりしてしまい、軽く首を振った。
何考えてんだ、俺。
そうだ。殿下が、打ち上げするって言ってくれてたんだ。
きっとその時が、このチームで集まる最後になるだろう。
打ち上げ、楽しみだな。
俺は気合いを入れた。
これからレジーナ学園で最も華々しい行事、卒業パーティが開かれる。
シーク第二王子は今日でめでたくご卒業。
俺たち影も、今日をもってこのお役目から卒業する。
この学園での最後の隠密。
万感胸に迫るものがあるが、シーク殿下が会場を出るまでがパーティだ。
気を抜かないでいこう。
それに、今日はそれだけじゃない。
俺は入場口に目を向ける。
「王太子殿下、ご入場!」
高らかに告げる声。
そう、王太子殿下もご来場なのだ。
卒業式が終わって城にとんぼ返りして、今日2度目のご来校だ。
到着した王太子とその連れの姿に、会場が騒然となる。
俺も息をのんだ。
すげぇ。さすが071。
たかが化粧。されど化粧。
モリー嬢が完っ全に垢抜けている。
真珠のように光り輝く肌。
テラコッタの髪色が、肌の白さを際だたせ、どこぞの姫君かのようなオーラを放っている。
使用人スキル恐るべし。
あー、殿下が喜びを爆発させてる。
公的にモリー嬢と一緒にいられるこの状況が嬉しくて堪らないようだ。
対になった白の礼服とドレス。
オーラがすごい。
そしてもう一方の王子、シーク第二王子のパートナーは、俺の演出がきっかけで仲良くなったリサ嬢だ。
モリー嬢に続いてリサ嬢まで、俺の王子方へのキューピッド的貢献度、すごくない?
今まで生きてきて「誰かに自慢したい」なんて思った事なかったけど、これは初めて自慢できることかもしれない。
「ねぇ、ちょっと!モリー様が見えない!私をそっち側に行かせて!」
012の注文がうるさい。
今日の俺は012扮する女学生の兄役だ。
目立たない女学生のパートナー役を務める優しい兄、という設定で出席している。
殿下曰く、「今日は会場の至る所に護衛も近衛も配置するから、025は影に撤する必要はない」らしく、それで与えられた役が012の相手役だった。
卒業パーティが開会し、早速王太子殿下が挨拶を始めた。
そしてその後、壇上にモリー嬢を呼び寄せると、婚姻を宣言して、モリー嬢を横抱きにしてそのまま退場した。
え?殿下?
卒業パーティでダンスしてから帰るって言ってませんでしたっけ?
気持ちが盛り上がり過ぎて、我慢できなくなったようだ。
慌てて近衛が追いかけていく。
明日からまとまったお休み取ったって言ってたもんなぁ。
モリー嬢はいつ解放されるかなぁ。
その後のパーティ会場は、クラスメイトだったモリー嬢の話題でお祝いムード一色だ。
俺はちょっと憐れみの目でシーク殿下を見てしまう。
本当は、リサ嬢をいじめてた伯爵令嬢の悪行の数々を、今日ここで白日に晒すつもりだったのだ。
そして皆の前で、リサ嬢を婚約者に据えることを宣言するつもりでもあった。
シーク殿下、ちょっと俯いてる。
リサ嬢は「私は大丈夫ですから」とか言いながら、フォローしてる。
今日は諦めたようだ。
まぁそうだよな。
こんなお祝いムードで盛り上がる中、令嬢の罪を暴くなんて、空気読めねー奴、って逆に反感食うよな。
その判断は正しいよ、シーク殿下。
殿下も、この3年間で大人になったな、うん。
あー、本当に卒業するんだ。俺たちも。
このチームも、今日で解散なんだよな。
すっげえ楽しかったよ。
明日からは、労いの意味も込めて、鷹で知らせるまで皆まとめてしばらく休め、と王太子殿下から言われている。
次の配属先がどこになるのかはまだ聞いていない。
今回の功績で、012はきっと011に昇級するだろう。
俺も昇級はするだろうが、メンタルのこともあるし、最高でも昇級は022までに留めておきたい。
071も012も、次は配属先は国外だろうな。
モリー嬢も、側妃という新しい道を歩み出した。
王太子殿下だって、モリー嬢の事があったから俺に心許してくれてただけであって、そもそも俺が気安く声をかけられるような相手ではないのだ。
なんか、俺だけが取り残されていくようで、少ししんみりしてしまい、軽く首を振った。
何考えてんだ、俺。
そうだ。殿下が、打ち上げするって言ってくれてたんだ。
きっとその時が、このチームで集まる最後になるだろう。
打ち上げ、楽しみだな。
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