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8.便利すぎるスキル。
しおりを挟む家についた3人は早速お昼ご飯の支度をする。
フィーが朱鶏を使った料理を作ろうとしていたので碧のアイデアで親子丼風にする事にした。
朱鶏は弾力があり旨味も強いニワトリのような魔物らしい。
お米は置いてなかったので碧の【傲慢】で出したものを使った。
この【傲慢】は出したい時に出したい量だけ出せるので本当にありがたい。お米を出した時にも既に炊かれた温かい状態で出て来たのでかなり感動した。
親子丼擬きはとても好評で2人共おかわりをしてくれた。
デザートも出すつもりだったがお腹いっぱいになってしまったので少し時間を開けてから出すことにし、その間に魔法の練習をしようと思い2人に声をかけた。
「それなら僕も行くっす。」
「むいもいく!」
2人ともついてきてくれるらしく3人で外に出る。むいは碧があげたボールで遊びたかったらしくフィーとキャッチボールをして遊び始めていた。
その姿を見ながら碧は早速ボックスから双剣を出し、夜蜘蛛を倒した時のことを思い出す。
普通に切ろうとしたら硬すぎて切れなかったが、“黒雷”を双剣に纏わせたら すんなりと切れたことから魔法を纏った剣は攻撃力がかなり上がるのでは、と考えた碧は他の魔法でも出来ないかと思い試してみる。
結果としては“炎舞”でも出来たが炎舞は元から剣に炎を纏わせて使うスキルなので成功したと言えるのは“黒雷”だけだった。フィーに見せたら物凄く驚かれた。
普通、希少な素材を使い特殊な作り方をしないと剣に魔法を纏わせるのは無理だそうだ。改めて傲慢の有能さを痛感する。
次はどのスキルを試そうかとステータスを開く。
「“ステータス”」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
Lv.24
名前:小鳥遊 碧
性別:男
年齢:18歳
種族:人類種
体力:15700/15700
魔力:10500/12500
攻撃力:6400
防御力:4850
命中率:Lv.5
回避率:Lv.1
幸運力:Lv.Max
状態:ー
役職:怪盗 Lv.Max
【⠀効果 】あらゆるモノを盗むことが出来る。
〖 ライト 〗〖 鎌鼬 〗〖 風詠 〗〖 結界 〗〖 ファイヤ 〗〖 ウォーター 〗〖 氷柱 〗〖 氷翼 〗〖 水破 〗〖 炎舞 〗〖 縛 〗〖 ボックス 〗〖 転移 〗〖 浄化 〗〖 ヒール 〗〖 捕縛 〗〖 飛行 〗〖 身体強化 〗〖 煉獄 〗〖 神楽 〗〖 領域 〗〖 影渡 〗〖 結界 〗〖 疾風 〗〖 星詠 〗〖 火弾 〗〖 竜巻 〗〖 黒雷 〗〖 雷神 〗〖 鑑定 〗〖 天撃 〗〖 念話 〗〖 硫酸 〗〖 跳躍 〗〖 糸操 〗
【大罪スキル・傲慢】
【 効果 】
無から有を作り出す。モノとモノを掛け合わせて作ることも可。
ただし、作る際には魔力を消費する。消費する魔力は作るものに比例する。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
夜蜘蛛を倒してレベルが上がったおかげで魔力量がかなり上がったことに喜んでいると見覚えのないスキルがあることに気づく。
「あれ?」
【硫酸】【跳躍】【糸操】の3つは朝家を出る時にはなかったはずだ。
ステータス画面を凝視して考えていると、それが今日自分が倒した魔物の使用するスキルだったことに気づく。フィーに確認もとったので確かだ。
【怪盗】は倒した魔物のスキルさえも奪える事を知り、“怪盗”も“傲慢”もかなり異常スキルだなぁと苦笑する。
【炎舞】と【神楽】は複数の敵と戦う時に使用するスキルで、“神楽”は防御・回避に特化したスキルであり敵の攻撃をスルリとかわしていく。
“炎舞”は逆に攻撃に特化したスキルで剣に炎を纏わせて敵を攻撃する。
この2つのスキルは舞っているように見えることから祭りなどの余興で使われることもあるらしい。
他のスキルを試そうとしたが数が多く、威力も高いものばかりだったので使ってみるのは断念して“鑑定”で細かい所まで調べていくことにする。
「【鑑定】」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
【鎌鼬】
鋭い風の刃を放ち攻撃する。注ぐ魔力の量により数や大きさは操作可能。
【風詠】
風に魔力をのせて遠くの物や景色を実際に目で見た様に感じ取れるようになる。風を飛ばす距離が遠ければ遠いほど消費する魔力は多くなる。
【氷柱】
氷の柱を出現させる。形、大きさ、強度は操作可能。
出現させる場所は自由。ただし砂漠など水気のない所では使用できない。
【飛行】
宙に浮くことが出来るようになる。
複雑な飛行は出来ない。
【氷翼】
自身の体に氷の翼を創り出し宙を飛ぶことができるようになる。“飛行”よりもはやく高く飛べ、飛行能力が格段に上がる。
物などにも使用可。大きさ、強度は調節可能。
【転移】
自身の行ったことのある場所、見たことのある場所に瞬間的に移動出来る。
行ったことのない場所でも使用はできるが到着地がズレやすくなる。
【煉獄】
異空間に対象の相手を引きずり込み捕らえることが出来る。
スキル使用者が用意した条件を達成するか、スキル使用者が許可するまでは出ることが出来ない暗闇の牢獄。
【疾風】
風を脚に纏わせ移動速度を格段に上げる。
長く使用しすぎると脚に負担がかかる。
【星詠】
星の記憶を辿り過去にあった事を見ることが出来る。ただし使用には激痛を伴う。
【雷神】
雷を自由に操ることが出来る。使用時は自身に雷の魔法は効かなくなる。ただしスキル使用後暫くの間、手足が痺れたような感覚に襲われる。
【天撃】
自身の魔力を使い尽くす代わりに防御不可能な高魔力エネルギーを放つことが出来る。使用すると疲労で暫く動けなくなる。
【硫酸】
手から岩をも溶かす硫酸を出せる。量は調節可能。
【跳躍】
自身の脚力を上げ高く飛べるようになる。
空気を蹴り二段ジャンプが出来るようになる。
【糸操】
手から糸を出せる。強度、太さ、長さは調節可能。
一定の太さと強度に至れば糸の上を歩くことも出来る。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
鑑定が終わったところで最後に使ってみたかった【氷翼】スキルを試してみる。
パキパキパキッと音を立てて自身の背に大きな氷の翼が創られる。宙に浮く感覚になかなか慣れず、難しかったが5分程練習してみるとコツがわかってきて自由にスイスイ飛べるようになった。
そのままどこまで高く飛べるのかと気になって碧の身長の何倍もある木の1番上の部分まで飛んでいく。
高く飛んでも問題ないことを確認しながらそこから見える景色に少し驚く。周りは広大な草原で、遠目にだが帝国の城がぼんやりと見えた。それをなんとも複雑な気分で眺めているとこちらに向かって近づいて来る何かに気づく。
「……ん?」
それを注視して見てみると2匹の狼か犬の様なものがこちらに走って来ているのが見えた。碧は下に降りながらフィーとむいに声をかける。
「少し気になることがあるから森の入口まで行きたいんだけどついてきてもらってもいいかな?」
「いいっすよ」
「わかったー!」
2人にお礼を言うと森の入口までフィーが“ 転移 ”してくれる。転移は初めて体験したので急に景色が変わったことに驚きながら、まだ少し離れたところにいる2匹に目を向ける。
「あの狼がどうかしたんすか?」
「うーん…俺にもよくわからないんだけどなんか気になるんだよね…」
そんなことを話してるうちに狼はすぐ目の前まで来ていた。
避けないと走る勢いそのままに突撃されてしまうが何故か避ける気になれずその場に立っていると2匹の狼が突っ込んでくる。
碧にぶつかる直前にボンっと音がしたかと思うと2つの何かに飛びつかれそのまま後ろに倒れ込む。後ろに立っていたフィーとむいの驚く声を聞きながら碧はその“2つの何か”に声をかける。
「…来てくれるとは思ってたけど、まさか狼になって来るとは思わなかったよ。輝璃、雪」
「…狼じゃなくてコヨーテ、だよ」
「ご、ごめんねみーくん、止まりきれなくて…大丈夫?」
ーー相変わらず少しズレてる親友達に微笑みながら碧は ぎゅっと2人を抱きしめた。
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