9 / 11
はち
しおりを挟む
「ねえ、ひなのちゃんのお父さんっておいしい?」
「んーまぁたくさん仕事してきてるから歯ごたえあるよ」
「まじか…ちょっともらっていい?」
「…ん」
お兄さんは私の領地に箸を入れ、お父さんの片腕を口に運んだ。
「…ぁ」
お兄さんが小さく吐息を漏らした。途端彼の顔は幸せそうになる。これは、おいしいってことなのかな。
「…うまい。やっぱずっと一緒に寝てるし話しかけてるからかな?」
「いつの間に会話してるの…」
お兄さんは私が出かけたりしてる間に両親とコミュニケーションを取ってたらしい。そりゃおいしくも感じるわけだ。…じゃあ私は?洗ったり髪を梳いたり、そんなお世話をした私も幼なじみをおいしく頂けるだろうか。
「お兄さん、私もそっちの味見したい」
「どうぞ」
幼なじみの…多すぎてどこか分からないが、幼なじみの一部を口に含んでみる。
このいい感じの歯ごたえ、甘み、弾力感…足かな?すごくおいしい。好意を抱いていたわけじゃないが、洗う時や持ち運ぶ時に話しかけたせいか、いつしか愛着が湧いていたらしい。不覚だった。おいしい。もう一回、もう一回と口に含んでいく。その動きはお兄さんに心配されて止められるまで続いた。
「ひなのちゃん、おいしいのは分かるけど、俺の分なくなっちゃうよ」
「…ごめん」
「わけっこしようか」
「…うん!!」
「んーまぁたくさん仕事してきてるから歯ごたえあるよ」
「まじか…ちょっともらっていい?」
「…ん」
お兄さんは私の領地に箸を入れ、お父さんの片腕を口に運んだ。
「…ぁ」
お兄さんが小さく吐息を漏らした。途端彼の顔は幸せそうになる。これは、おいしいってことなのかな。
「…うまい。やっぱずっと一緒に寝てるし話しかけてるからかな?」
「いつの間に会話してるの…」
お兄さんは私が出かけたりしてる間に両親とコミュニケーションを取ってたらしい。そりゃおいしくも感じるわけだ。…じゃあ私は?洗ったり髪を梳いたり、そんなお世話をした私も幼なじみをおいしく頂けるだろうか。
「お兄さん、私もそっちの味見したい」
「どうぞ」
幼なじみの…多すぎてどこか分からないが、幼なじみの一部を口に含んでみる。
このいい感じの歯ごたえ、甘み、弾力感…足かな?すごくおいしい。好意を抱いていたわけじゃないが、洗う時や持ち運ぶ時に話しかけたせいか、いつしか愛着が湧いていたらしい。不覚だった。おいしい。もう一回、もう一回と口に含んでいく。その動きはお兄さんに心配されて止められるまで続いた。
「ひなのちゃん、おいしいのは分かるけど、俺の分なくなっちゃうよ」
「…ごめん」
「わけっこしようか」
「…うん!!」
0
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる