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第3章~師~
第20話 喰らう者使い2~姉ちゃんもあたしが目を付けている中の一人~
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「喰らう者使いですか!!」
「ああ、普通の旅の狩人だったらそこまで気にする必要はないのだがな、喰らう者使いとなれば話は別だ。この前の盗賊の件もあるからな」
それもそうだ。喰らう者使いか、ということは私と同じ転移者か転生者ということになる。
「因みにその狩人の評判はどうなんですか?」
「毎日のように狩りで得た獲物を格安で提供しているみたいでな、この村の人々からは評判は良い」
「なら良い人そうじゃないですか。別に私が接触しなくても大丈夫じゃないですか?」
「念には念を入れてというやつだ。お前が接触してみて問題のなさそうな人物ならそれで良い」
「問題がありそうだったらどうするのですか?」
「警戒を厳にしてそいつがこちらに危害を加えそうならそれなりの対応をするまでだ」
「そうですか、わかりました」
正直問題のありそうな人物というのがどういう人物なのかわからないが、その辺は私の危機察知スキルを頼ることにしよう。
「聞き出せそうならそいつの喰らう者のやどの程度の実力を持つのかなどの細かい情報も聞き出してくれればありがたいが――無理はしなくて良い、自身の命を優先した行動をとるようにしてくれ」
「了解しました」
私のことを心配してくれている。やはりガルシアさんは良い人だ。
「それと、その狩人は今、狩に出て不在にしているらしいから、お前は村長の家についた後でその狩人と接触してくれ」
「わかりました。因みにその狩人ですけど、一体どこに宿泊しているのでしょう?」
「今は村長の息子の家に間借りさせてもらっているらしい」
「それじゃあ村長さんの家に行った後で行ってみますね」
「ああ、そうしてくれ」
―――数時間後
私は村長さんの家に行った後、村長さんに息子さんの家の場所を訊いて息子さんの家の前まで来ていた。
「ごめんくださーい」
私はそう言いながら、村長の息子さんの家のドアをノックする。すると、一人の男性が出てきた。どうやらこの人が村長の息子さんのようだ。
「はいよー、ってカズキじゃないか久しぶりだな」
そう親し気に話かけて来る村長の息子さんに私は面食らってしまう。
「……すいません、私は一姫の双子の妹のルナっていいます」
「あれ、そうなのか。そう言えばカズキの奴も言っていたな双子の妹がいるって」
「えっと、村長さんの息子さんでよろしかったですよね」
「そうだが、村長さんの息子じゃ言い難いだろ?ライルって呼んでくれかまわない」
「それじゃあライルさん。不躾で申し訳ないんですけど訊いてもいいですか?」
「ああ、かまわないぞ」
「ライルさんは、というよりこの村の人たちはカズキことを怖がらないのですね」
「手配書の件だろ?大罪人のカズキ・フタバ」
「ええ、この村の人たちはカズキに対する反応がロディキウムの街の人たちとは少し違うものでしたから、それが少し気になって」
「はは、確かにこの村でもカズキの行いによる被害はあったが、それはどれも子供のイタズラ程度のもだったしな」
「それは、ロディキウムの街でも一緒ですよ。だけどこの村の人たちはカズキに対する印象がそこまで悪いように感じないんです。それがどうも気になって……」
「うーん、そう言われてもなぁ……確かに俺達はカズキのイタズラで迷惑を被った側の人間なんだが、あの頃のカズキはなんというかこうイタズラを悪ガキどもとするにしても敵意を感じなかったというか、どこか申し訳なさを感じたんだよ」
「申し訳なさ、ですか。」
「そう、それにイタズラがバレるとすぐに謝ってきたしな」
その頃の一姫にはまだ良心というものがあったということか。だったらなぜ一姫は指名手配されるような罪を犯すようになったのだろう?
「だから、俺たちはカズキの手配書が王都から渡って来たときには驚いたもんさ、何かの間違いじゃないかってな」
そう言ってライルさんは笑顔を見せる。うーん、昔から一姫は私に関することを除けば確かに優等生の部類に入る娘ではあったからなぁ。ライルさんの言葉に嘘はないだろうし、何か一姫を悪行に走らせた原因が私以外にあるような気がする……まあここでそれを考えても答えは出ないだろう。となれば後は任務のことだ。
「そう言えばライルさんの家に旅の狩人がいるって聞いたんですけど、その人はまだ帰ってきてないんですか?」
「旅の狩人ってサジの姐さんのことかい?」
「名前は知らないですけど、その人は女性なのですか?」
「ああ、名前はサジっていう人なんだがな、女だてらに凄腕の狩人でな今日も朝から狩に出て行ってそろそろ帰って来る時間なんだが……お!いたいた」
私はライルさんが見つめる方に視線を向けると、そこには巨大な猪らしき獲物を担いでこちらまで歩いて来る女性の姿が見えた。その女性はオレンジ色の髪を肩口まで伸ばし、ブラウンの瞳に気の強そうな整った顔立ちをしており、身長は私よりも少し高く年齢は20代前半くらいに見える。また、その女性は森に溶け込むためであろうか、全身緑色の衣服を身に纏っていた。
「あの女性がサジさんですか?」
「ああ、あの人がサジの姐さんだ」
「なんですか?あたしにお客さんですか?」
それが私の師匠となるサジさんとの出会いであった……
「ああ、普通の旅の狩人だったらそこまで気にする必要はないのだがな、喰らう者使いとなれば話は別だ。この前の盗賊の件もあるからな」
それもそうだ。喰らう者使いか、ということは私と同じ転移者か転生者ということになる。
「因みにその狩人の評判はどうなんですか?」
「毎日のように狩りで得た獲物を格安で提供しているみたいでな、この村の人々からは評判は良い」
「なら良い人そうじゃないですか。別に私が接触しなくても大丈夫じゃないですか?」
「念には念を入れてというやつだ。お前が接触してみて問題のなさそうな人物ならそれで良い」
「問題がありそうだったらどうするのですか?」
「警戒を厳にしてそいつがこちらに危害を加えそうならそれなりの対応をするまでだ」
「そうですか、わかりました」
正直問題のありそうな人物というのがどういう人物なのかわからないが、その辺は私の危機察知スキルを頼ることにしよう。
「聞き出せそうならそいつの喰らう者のやどの程度の実力を持つのかなどの細かい情報も聞き出してくれればありがたいが――無理はしなくて良い、自身の命を優先した行動をとるようにしてくれ」
「了解しました」
私のことを心配してくれている。やはりガルシアさんは良い人だ。
「それと、その狩人は今、狩に出て不在にしているらしいから、お前は村長の家についた後でその狩人と接触してくれ」
「わかりました。因みにその狩人ですけど、一体どこに宿泊しているのでしょう?」
「今は村長の息子の家に間借りさせてもらっているらしい」
「それじゃあ村長さんの家に行った後で行ってみますね」
「ああ、そうしてくれ」
―――数時間後
私は村長さんの家に行った後、村長さんに息子さんの家の場所を訊いて息子さんの家の前まで来ていた。
「ごめんくださーい」
私はそう言いながら、村長の息子さんの家のドアをノックする。すると、一人の男性が出てきた。どうやらこの人が村長の息子さんのようだ。
「はいよー、ってカズキじゃないか久しぶりだな」
そう親し気に話かけて来る村長の息子さんに私は面食らってしまう。
「……すいません、私は一姫の双子の妹のルナっていいます」
「あれ、そうなのか。そう言えばカズキの奴も言っていたな双子の妹がいるって」
「えっと、村長さんの息子さんでよろしかったですよね」
「そうだが、村長さんの息子じゃ言い難いだろ?ライルって呼んでくれかまわない」
「それじゃあライルさん。不躾で申し訳ないんですけど訊いてもいいですか?」
「ああ、かまわないぞ」
「ライルさんは、というよりこの村の人たちはカズキことを怖がらないのですね」
「手配書の件だろ?大罪人のカズキ・フタバ」
「ええ、この村の人たちはカズキに対する反応がロディキウムの街の人たちとは少し違うものでしたから、それが少し気になって」
「はは、確かにこの村でもカズキの行いによる被害はあったが、それはどれも子供のイタズラ程度のもだったしな」
「それは、ロディキウムの街でも一緒ですよ。だけどこの村の人たちはカズキに対する印象がそこまで悪いように感じないんです。それがどうも気になって……」
「うーん、そう言われてもなぁ……確かに俺達はカズキのイタズラで迷惑を被った側の人間なんだが、あの頃のカズキはなんというかこうイタズラを悪ガキどもとするにしても敵意を感じなかったというか、どこか申し訳なさを感じたんだよ」
「申し訳なさ、ですか。」
「そう、それにイタズラがバレるとすぐに謝ってきたしな」
その頃の一姫にはまだ良心というものがあったということか。だったらなぜ一姫は指名手配されるような罪を犯すようになったのだろう?
「だから、俺たちはカズキの手配書が王都から渡って来たときには驚いたもんさ、何かの間違いじゃないかってな」
そう言ってライルさんは笑顔を見せる。うーん、昔から一姫は私に関することを除けば確かに優等生の部類に入る娘ではあったからなぁ。ライルさんの言葉に嘘はないだろうし、何か一姫を悪行に走らせた原因が私以外にあるような気がする……まあここでそれを考えても答えは出ないだろう。となれば後は任務のことだ。
「そう言えばライルさんの家に旅の狩人がいるって聞いたんですけど、その人はまだ帰ってきてないんですか?」
「旅の狩人ってサジの姐さんのことかい?」
「名前は知らないですけど、その人は女性なのですか?」
「ああ、名前はサジっていう人なんだがな、女だてらに凄腕の狩人でな今日も朝から狩に出て行ってそろそろ帰って来る時間なんだが……お!いたいた」
私はライルさんが見つめる方に視線を向けると、そこには巨大な猪らしき獲物を担いでこちらまで歩いて来る女性の姿が見えた。その女性はオレンジ色の髪を肩口まで伸ばし、ブラウンの瞳に気の強そうな整った顔立ちをしており、身長は私よりも少し高く年齢は20代前半くらいに見える。また、その女性は森に溶け込むためであろうか、全身緑色の衣服を身に纏っていた。
「あの女性がサジさんですか?」
「ああ、あの人がサジの姐さんだ」
「なんですか?あたしにお客さんですか?」
それが私の師匠となるサジさんとの出会いであった……
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