姉が異世界の人に迷惑をかけているみたいなので妹の私が責任をとって姉を〇せと言われましたコンチクショイ

ウツロうつつ

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第3章~師~

第21話 喰らう者使い3~この姉ちゃんもその中の一人~

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「なんです?あたしにお客さんでも来たんですか?」

 巨大な猪を担いだままサジさんが言う。どんな力してんだこの人――あ、身体強化の魔法か。

「ああ、それにしてもサジの姐さん今日はまたデカい獲物が取れたもんだな」

「へへ、あたしの腕にかかればこんな獲物ちょちょいのちょいですよ」

 そう言って慎ましやかな胸を張るサジさん。あ、なんかちょっと可愛いかも。

「それであたしのお客さんはそこにいる女の子――って一姫ちゃんだ!ひっさしぶりだね~」

「いえ、私は一姫の妹のルナって言います」

 言われてサジさんは私の顔をマジマジと見る。おお美人のお姉さんの顔がこんな近くに、うっわ睫毛まつげ長!!

「確かに微妙に顔が違うね。それにしてもルナちゃんだっけ?顔が赤いけど大丈夫?」

「大丈夫です!!」

「それでルナちゃん、あたしに用事って何の用なの?」

 しまった。そこまで考えてなかった。えーっと……そうだ!!

「サジさん私の師匠になってください!!」

「師匠ってなんでまた」

 サジさんは困惑した様子で言う。それもそうだ。突然知り合いの妹から師匠になってくれと言われたら私だって困惑する。しかし、これにはちゃんと理由がある。

「サジさんって転移者か、転生者なんですよね」

「誰から聞いたの?」

 サジさんが目を細めて私に問う。そんな顔もまた素敵……じゃないや、えっと言い訳、言い訳……

「私の知り合いからライルさんの家の喰らう者使いイーターマスターがいるって聞いたんですけど、私ってまだ転移したての新米喰らう者使いイーターマスターなんですよ。しかも私の喰らう者イーターって――抜喰バックウ、このとおりただの棍棒でして……色々と困っているので先輩喰らう者使いイーターマスターであるサジさんに喰らう者イーターの使い方を習おうかなと……」

 申し訳なさそうに私がそう言うと、サジさんは短くため息を吐き、

「大方その知り合いって人もこの村の人に聞いたんだろうね。まったく、口外しないでくれって言ってたのに」

「はは、すいませんサジの姐さん」

 ライルさんが申し訳なさそうに言う。

「いいよもう済んだことだし、それよりも一度ルナちゃんと話がしたいからこの猪の解体を頼める?」

「いいですよ、任せてください」

「それじゃあここに置いとくね」

 言ってサジさんは担いだ猪を軽々と地面に下ろす。ドスンと重い音がする。一体何キロあるんだこの猪。

「行こ、ルナちゃん」

「はい」

 私たちはそのままライルさんの家の中に入ると。そこにはライルさんの奥さんらしき人が夕飯の準備をしていた。

「あら、おかえりなさいサジ、お客さんを連れて来るなんて珍しいわね」

「あ、お構いなく」

「貴女って今日お義父さんの所に来た姫様の護衛をしている人でしょ、姫様の護衛から離れて大丈夫なの?」

 ヤバイ、サジさんが私に疑いの目をで私をている。何か良い理由はないか。

「いや~私まだ見習いの警護員なものでして、警護はいいから修行でもしてこいって言われたんですよ~」

「見習いを姫様の警護につけるなんて、王様も豪胆なことをするんだねえ」

「ですよね~」

「しかも、貴女あのカズキの妹らしいじゃない。よく警護員になれたね~」

「それは私も思います」

「それで、今日はサジに何か用事でもあったの?」

「いや、サジさんに師事しようと思いましてね」

「ああそう言えばサジも転生者だしね」

「サジさんって転生者なのですか?」

 話を誤魔化すチャンスが到来した。このチャンス必ずものにしてみせる!!私はサジさんに向かってそう訊くと

「うん、あたしはルナちゃんと違って他の世界から来た転生者なんだ」

「そうなんですね、ということは喰らう者使いイーターマスターとしての歴も長いんですよね」

「うん、そうなんだけどその話の前にちょっと別件のお話をしようか」

 うん、やっぱり誤魔化せなかった。

―――数十分後

「つまり、得体の知れない喰らう者使いイーターマスターがいるから、危険がないか調べて来いって言われたわけね」

「はい、その通りです」

 洗いざらい言わされてしまった。くそう、こういう時の村というコミュニティの明け透けさをあなどってしまった。村って怖い、次からは気をつけるとしよう。

「と言っても念には念を入れての調査でしたし、問題のない親切なお姉さんでしたって報告しますよ」

 私の危機察知スキルも全く反応してないしね。

「そうしてくれると助かるよ。何も後ろ暗いことなんかないのに王国の兵士に睨まれたくなんかないしね」

「ですよね~」

「それで、ルナちゃんはこれからも姫の護衛をしながら旅を続けるの?」

「はい、その方がこの顔をしてても誤解を解きやすいですから」

「まったく、一姫ちゃんもなんで指名手配なんかされちゃったんだろうねぇ」

「本当ですよ。最初にロレーヌにあった時この顔のせいでロレーヌが卒倒しちゃったんですよ」

 あれは本当にショックだった。

「はは、そんなこともあったんだ」

「まあ、この顔のおかげでロレーヌの身辺警護員になれたようなものでもあるので、そこらへんはプラスマイナスゼロですけどね」

 いや、どっちかって言われたらロレーヌという友達が出来たからプラスよりだね。

「ふーん、それでルナちゃん。どうする?」

「どうするって何がですか?」

「あたしに師事するって話」

「ああ~それは……」

「何?やっぱり任務のための嘘だったの?」

「いや、そういうわけでは……」

 あったのだが、喰らう者イーターについて教えて欲しいのも事実である。

「すいません、師事するにしてもガルシアさん――護衛隊長の許可をもらっておきたいのですが……」

「うん、わかったそれじゃあ、明日の朝にまた返事を聞かせてよ」

「わかりました。それじゃあまた明日ここに来ますね」

―――翌日

 結局のところサジさんに師事する件についてはあっさりと許可を得ることができた。
 というのもどうやらウラッドの街で最近妙な動きがあるらしく、ロレーヌの安全を考えて、ロレーヌをこの村にしばらく逗留させて、アレックスさんとジョンさんの二人が先行調査のためにウラッドの街へ一度行くことになり、その間私の訓練も中止となるため、その間ならば師事を受けてもかまわないということになったのだ。
 というわけで私は今ライルさんの家まで来ていた。

「サジさんガルシアさんの許可をもらいましたので、今日からしばらくのあいだお世話になります」

 言って私は深々と頭を下げる。

「うん、わかった。それじゃあ早速出発しようか」

「出発?どこかへ行くのですか?」

「そりゃもちろん狩りにだよ」
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