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第6章~人を喰らう者~
第51話 足りないもの~なにかあったっけ?~
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ヒュームさんの件から程なくして私たちはベアハッグの街を後にした。
次に向かう領地についてはまだ知らされていない。というか次の目的地は少々特別な場所らしく、私が次の目的地に立ち入れるかどうかも不明らしい。
「それってつまりお供の数を制限しなくてはならない場所ってことですよね」
私は隣を一緒に歩くガルシアさんにそれとなく探りを入れてみる。
「探りを入れてるつもりだろうが、それではもろバレだぞ」
「ありゃ、バレてましたか。というかなんで私には何も教えてくれないんですか?別に教えてくれても良いでしょう?」
「それだけ次の目的地が王国にとってデリケートな地だということだ。教えて欲しいなら正式に姫様に仕えることを決めるか、護衛役としての信頼を高めることだな」
ロレーヌの護衛をすることは両手を挙げて賛成できるが、正式にとなると少し躊躇してしまう。なぜならロレーヌに正式に仕えるとなると今までのようにフレンドリーにロレーヌと話せなくなってしまうからだ。だったら私は非正規雇用の護衛という今の立場のままが良い。
「それじゃあ護衛役として日々邁進するとしますよ」
「ああ、そうするといい」
ガルシアさんは口の端をわずかに曲げて意地悪な顔をする。へっへん良いもんね私は私の思った道を歩むのみだ。
「ねえサジさん」
私の前を歩むサジさんに同意を求めると、サジさんは私の方に振り返り呆れたような顔をする。
「あのねぇルナちゃん、突然同意を求められてもアタシには何が何やらなんだけど」
「ガルシアさんが意地悪だって話です」
「なぜそうなるのだ」
ガルシアさんがため息を吐きながら抗議するが、私にとってはそうとしか言えないのだから仕方がないというモノだろう。
「なるほど、ルナちゃんがガルシアさんを困らせているのはわかったよ」
「なんでそうなるんですか~」
「信頼度の差だよ」
信頼度の差とな!サジさんは私よりも、こんなむさくるしいイケおじの方が信頼できるということなのか!?
「サジさんいくらなんでもそれは聞き捨てなりませんぜ」
「なんで、時代劇風なの……ルナちゃんそういうところだよ」
「そういうところと言われましても、ねぇ、ガルシアさん」
「そういうところだ」
ガルシアさんは瞑目してウンウンと頷く。確かに私は少しお茶目なところがあるが、それはチャームポイントというものだ。
「もういいもん、二人のあかんちん!私はロレーヌに慰めてもらいます!!」
私が任務を放棄してロレーヌの乗る馬車に向かおうとすると、ガルシアさんに猫のように首根っこを掴まれる。
「ぐえ!」
「護衛役として日々邁進すると言ったそばから任務放棄をしようとするな!」
「ガルシアさんのいけず~」
私たちがそうやっていると、ロレーヌが馬車の車窓を開いて花のような微笑みを私に向ける。
「ルナ、元気になったようでなによりです」
「そうだよね、ルナちゃんちょっと前までは今にも死にそうな顔してたもんね」
「そうだな、全快してなによりだ」
皆からの思いがけない暖かな視線を受けて、私は自分の頬が熱くなるのを感じた。
「ちょ、やめてよ皆。突然そんなこと言われると――」
「恥ずかしくてたまらない?だけどアタシたちは本当に心配したんだからね。ちょっとルナちゃんをからかうぐらいの権利があってもいいと思わない?」
「うぐぅ」
そう言われると私は何も言えない。だって本当に皆は私のことを心配してくれたのだ。それについてはありがたいと本当に思っている。だから――
護衛隊の先頭まで走って行ってくるりと一回転、私を除いた護衛隊の皆に向かって深々と礼をして。
「ご心配をおかけして本当に申し訳ありませんでした」
そう言って謝意を示した。しかし、
「ルナ、そうじゃありませんよ」
「え?」
「申し訳ありませんでした。ではなく、ありがとうと言われた方が私たちは嬉しいです」
変わらず微笑みを向けるロレーヌの言葉に、私は思わず涙ぐみそうになる。ロレーヌの言う通りだ。私は何も悪いことをしたわけではないのだから。私はコホンと咳払いをして満面の笑みを向けて言う。
「皆、ありがとうございました」
「はい、どういたしまして」
次に向かう領地についてはまだ知らされていない。というか次の目的地は少々特別な場所らしく、私が次の目的地に立ち入れるかどうかも不明らしい。
「それってつまりお供の数を制限しなくてはならない場所ってことですよね」
私は隣を一緒に歩くガルシアさんにそれとなく探りを入れてみる。
「探りを入れてるつもりだろうが、それではもろバレだぞ」
「ありゃ、バレてましたか。というかなんで私には何も教えてくれないんですか?別に教えてくれても良いでしょう?」
「それだけ次の目的地が王国にとってデリケートな地だということだ。教えて欲しいなら正式に姫様に仕えることを決めるか、護衛役としての信頼を高めることだな」
ロレーヌの護衛をすることは両手を挙げて賛成できるが、正式にとなると少し躊躇してしまう。なぜならロレーヌに正式に仕えるとなると今までのようにフレンドリーにロレーヌと話せなくなってしまうからだ。だったら私は非正規雇用の護衛という今の立場のままが良い。
「それじゃあ護衛役として日々邁進するとしますよ」
「ああ、そうするといい」
ガルシアさんは口の端をわずかに曲げて意地悪な顔をする。へっへん良いもんね私は私の思った道を歩むのみだ。
「ねえサジさん」
私の前を歩むサジさんに同意を求めると、サジさんは私の方に振り返り呆れたような顔をする。
「あのねぇルナちゃん、突然同意を求められてもアタシには何が何やらなんだけど」
「ガルシアさんが意地悪だって話です」
「なぜそうなるのだ」
ガルシアさんがため息を吐きながら抗議するが、私にとってはそうとしか言えないのだから仕方がないというモノだろう。
「なるほど、ルナちゃんがガルシアさんを困らせているのはわかったよ」
「なんでそうなるんですか~」
「信頼度の差だよ」
信頼度の差とな!サジさんは私よりも、こんなむさくるしいイケおじの方が信頼できるということなのか!?
「サジさんいくらなんでもそれは聞き捨てなりませんぜ」
「なんで、時代劇風なの……ルナちゃんそういうところだよ」
「そういうところと言われましても、ねぇ、ガルシアさん」
「そういうところだ」
ガルシアさんは瞑目してウンウンと頷く。確かに私は少しお茶目なところがあるが、それはチャームポイントというものだ。
「もういいもん、二人のあかんちん!私はロレーヌに慰めてもらいます!!」
私が任務を放棄してロレーヌの乗る馬車に向かおうとすると、ガルシアさんに猫のように首根っこを掴まれる。
「ぐえ!」
「護衛役として日々邁進すると言ったそばから任務放棄をしようとするな!」
「ガルシアさんのいけず~」
私たちがそうやっていると、ロレーヌが馬車の車窓を開いて花のような微笑みを私に向ける。
「ルナ、元気になったようでなによりです」
「そうだよね、ルナちゃんちょっと前までは今にも死にそうな顔してたもんね」
「そうだな、全快してなによりだ」
皆からの思いがけない暖かな視線を受けて、私は自分の頬が熱くなるのを感じた。
「ちょ、やめてよ皆。突然そんなこと言われると――」
「恥ずかしくてたまらない?だけどアタシたちは本当に心配したんだからね。ちょっとルナちゃんをからかうぐらいの権利があってもいいと思わない?」
「うぐぅ」
そう言われると私は何も言えない。だって本当に皆は私のことを心配してくれたのだ。それについてはありがたいと本当に思っている。だから――
護衛隊の先頭まで走って行ってくるりと一回転、私を除いた護衛隊の皆に向かって深々と礼をして。
「ご心配をおかけして本当に申し訳ありませんでした」
そう言って謝意を示した。しかし、
「ルナ、そうじゃありませんよ」
「え?」
「申し訳ありませんでした。ではなく、ありがとうと言われた方が私たちは嬉しいです」
変わらず微笑みを向けるロレーヌの言葉に、私は思わず涙ぐみそうになる。ロレーヌの言う通りだ。私は何も悪いことをしたわけではないのだから。私はコホンと咳払いをして満面の笑みを向けて言う。
「皆、ありがとうございました」
「はい、どういたしまして」
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