姉が異世界の人に迷惑をかけているみたいなので妹の私が責任をとって姉を〇せと言われましたコンチクショイ

ウツロうつつ

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第7章~魔法剣士~

第56話 試合~ルナ姉ちゃん見てたら私も戦いたくなってきた~

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「ガルシアさんとの試合ですか?」

「いや、今日の所はうちの隊で一番若いのダグラスとの試合をしてもらう」

 いきなりガルシアさんと戦わされると思った私は、ホッと胸をなでおろす。最初からラスボスを相手にできるものか、アレックスさんならばまだ戦いようはある。私がそう思っていると

「あらかさまに安心してるなルナ。ひょっとして俺のことなめてるのか?」

 あ、マズイ、あらかさまに態度に出し過ぎた。

「舐めるだなんてそんなことありませんよ。ただガルシアさんを相手に試合をするよりも安心だなって思っただけです」

「それが俺を舐めているって気付いていないみたいだな、ただ確かに俺はガルシア隊長よりも弱いのは事実ここは全力で――」

 そうダグラスさんが言いかけた時、ダグラスさんの頭をガルシアさんがポカリと殴った。

「いて!」

「むきになるな馬鹿者が、そういうところがまだ未熟だと言うんだ」

「冗談じゃないすか冗談。当然手加減はしますよ。なんたってルナはか弱い乙女なんですから」

 ダグラスさんの仕返しと言わんばかりの物言いに、私もカチンときてしまう。ほほうそちらがその気ならばこちらは本気の本気で参りましょう。

「ガルシアさん、さっさと始めましょう。ダグラスさんに目にもの見せてあげますよ」

「ほう、ルナはやる気のようだな。ダグラスはわかってるな」

「はい、使用するのは身体強化魔法と自前の剣技のみ、ですね」

「そうだ、それじゃあ二人とも準備は良いか?」

「「はい!!」」

「それでは……試合開始!!」

 ガルシアさんの試合開始の宣言と同時、私はイーターを手甲形態に変形させて身体強化魔法を発動させてガルシアさんに突貫する。するとガルシアさんは悠々と剣を構えて私を迎え撃つ。

「そんな余裕で良いんですか?」

 私は突貫しながら更にイメージを重ねる。イメージするのは無数の炎の玉、そしてそのイメージ魔力を通すと私の周りに無数の火の玉が展開される。

「んな!?いきなり無詠唱魔術かよ!?」

「シュート!!」

 私がそう宣言すると無数の火の玉がダグラスさんに向かって一斉掃射される。どうだ!!これが突貫すると見せかけて大量のファイヤーボールでハチの巣にする作戦だ!!

 ダグラスさん向かって一斉掃射されたファイヤーボールは見事、ダグラスさんに直撃。大量の土埃が舞う、しまった。手加減せずに打ち過ぎた。これではダグラスさんの状態がわからない。

 そう私が自身のミスに気付いた時、土埃の中からダグラスさんが私に向かって接近。私はダグラスさん接近に対応するべくイーターを更に形態変化させ、手甲から刃を出現させる。

 それと同時、ダグラスさんの上段からの一振りが私を捉えるが、私はその攻撃をなんとか防いでみせる。

「ぐうう」

 予想以上に重い一撃だ。そう何度も受けてはいられない。私はダグラスさんと言ったん距離を取るべくバックステップをするが、そんなことはダグラスさんも読んでおり、間髪入れずに次の一撃を繰り出してきた。これは体勢からして防御することは不可能、ならば、
 
 私は自分の前に魔力で出来た盾をイメージ、魔法として発現させる。するとダグラスさんの一撃は私の創り出したシールドに阻まれ私は無事ダグラスさんと距離を取ることが出来た。

 しかし、ダグラスさんあの大量のファイヤーボールをどうやって防いだんだ?使用しているのは身体強化魔法と剣技のみのはずだ。つまりあれだけ大量のファイヤーボールすべてをその二つのみで防いだことになる。なんていう化け物。これが王国騎士団の中でも精鋭中の精鋭の力か、ならば私も加減など必要ないだろう。

 私は口の端を釣り上げて笑みをこぼす。こんなに楽しい喧嘩は何時ぶりだろうか?

「流石に強いですねえダグラスさん!!」

「なんかルナ性格変わってねえか?」

「変わってなんかいませんよ。ただ楽しいだけです」

「わーお、戦闘狂がいたよ」

 ダグラスさんが何やら気になることを口にしたが今はそんなことどうでも良い、遠距離攻撃がいまいちならば次は接近戦だ。私はダグラスさんの間合いの更に内側、手甲による超接近戦を仕掛けるべく真っ直ぐとダグラスさんに突っ込んだ。

「はい、予想通り」

 ダグラスさんは私の接近を読んでいたらしく私に向かってカウンターの横薙ぎの一閃を放つ。しかし、そこで私があらかじめ自身に施していた仕掛けが発動。風の鎧がダグラスさんの横薙ぎの一閃を逸らしてみせた。

 これでダグラスさんの胴はがら空き、あとはそこにルナちゃん渾身の一撃を見舞うのみ、私は勝利を確信しダグラスさんの胴めがけて正拳突きを放った。

「そこまで!!」

 ダグラスさんに私の正拳突きが当たる直前、ガルシアさんが試合終了を宣言する。当然試合の終わりを告げられてしまえば私の動きも止まってしまう。私の一撃は寸止めという形で終わりを迎えた。でもこれは私の勝ちでしょ。私がそう思ったその時、ガルシアさんは思いがけない一言を言ってのけた。

「両者引き分けといったところだな」

 なぬ⁉私の勝ちではないのか?

「え~どう見ても私の勝ちでしょ~」

 私はそうガルシアさんに抗議して見せるが、ガルシアさんは瞑目して私の頭の上を指差す。するとダグラスさん剣の柄頭が私の頭の上で寸止めされていた。

「ありゃ?いつのまに」

「いつの間にではない、ルナお前戦いの途中で勝ちを確信したな」

「あ、はい」

「それがお前が負けた要因だ。お前は勝ちを確信したことでそれまで纏っていた風の鎧を解いたな、そのせいでダグラスの苦し紛れの一撃が有効打になったんだ」

「苦し紛れの一撃って、隊長少し厳しすぎやしませんか?」

「黙れ未熟者、ルナはまだ素人に毛の生えた程度の実力しか持っていないのだぞ、そんな相手に良いようにやられおってからに――」

 どうやらガルシアさんは私よりもダグラスさんにご立腹のようだ。でも、ガルシアさんの指摘はもっともだ。あそこで油断しなければ私は勝っていた。となれば今回のことをしっかり反省して次につなげるのみだ。
 
 やったねルナちゃん着々と人間離れしていってるぞ。
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