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第8章~アウリスの大森林~
第60話 急転1~え?何か起こるの?~
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「姉、だと」
私を糾弾しようとしたエルフの青年が私に疑いの目を向ける。すると他のエルフの人たちの視線まで私に集まってくる。うう、いたたまれない。しかし、ここで笑顔を崩せば余計に相手を警戒させるかもしれない。ここは我慢、我慢だルナちゃん。そうすればきっと――
「彼女の言う通り、彼女の名はルナ・フタバ。カズキ・フタバの双子の妹です」
ロレーヌが助け舟を出してくれる。しかし、エルフの青年の疑心は解消されない。
「それは本気で言っているのか?」
エルフの青年がロレーヌに向かって猜疑心を隠そうともせずにそう言った。ここがアウリスの大森林でなければ不敬罪で断罪されていてもおかしくはないだろう。しかし、そのことを咎める人はここにはいない。ロレーヌは当然だがガルシアさんたちも動こうとしないのは不思議だ。
「本当のことですから」
エルフの青年の目を真っ直ぐと見つめるロレーヌ。それがしばらく続くとエルフの青年の横にいたエルフ族の長ガーラントさんが口を開いた。
「アンバー、姫様に失礼じゃろう」
「しかし、族長!!」
何かを言いたげなエルフの青年だったが、それを族長様――ガーラントさんは一睨みで制する。こっわ何今の目、迫力が桁違いなんですけど。
「……!?」
それは直接睨まれたエルフの青年も感じたのか、言葉を噤んでしまう。うんうんあんな目で睨まれては何も言えなくなっちゃうよね。
「姫様」
ガーラントさんが言う
「はい」
「先の言葉に偽りはないのでしょう?」
「はい、ロレーヌ・マグナの名に誓って嘘はついておりません」
「……姫様の言葉、信じましょう」
「ありがとうございます」
こうしてひと悶着はあったものの私たちは無事、エルフの里にたどり着くことが出来たのであった。
◆
「まったく、肝を冷やしたぞ」
私たちは今エルフの里にある族長の家の客間に案内されていた。
「それは私のセリフですよガルシアさん。やっぱりカズキの顔と名前はこの場所まで広まってるじゃないですか」
「それはすまないと思っている」
「やっぱり私はフードを被った方が良さそうですね」
「すまないなこれ以上余計な不安を煽らないためにもそうしてくれると助かる」
正直業腹ものだが、その怒りを向けるべきは一姫だ。ここは我慢して来るべき対面の日にとっておこう。
「しかしどうしてカズキ・フタバの手配がこの森まで届いたのでしょうか?」
それは確かに、私は瞑目して顎に手をやりながら考えるがその答えは出てこない。するとアレックスさんが手を挙げる。
「私が聞いた話によれば、ここに定期的に来る行商人からカズキ・フタバの手配書をもらったそうですよ」
思ったより浅いところに答えがあった。なんだそれ、そう言えば行商人が多いと思ってたけどエルフの人たちは行商人とも取引をしているの?
「それって全然隠れていることにならないじゃないですか!」
「一応取引する行商人は決まった人物みたいだけどね。今の時代エルフを奴隷にしようなんて考える奇特な人間は少ないし、大丈夫なんじゃないかな」
「そうなんですか?」
「そうそう、今は世界中で奴隷制は廃止されてるからね。下手にエルフの奴隷を侍らせていると世界中から非難されてしまうよ」
「だったらサジさんも連れてくればよかったじゃないですか」
「それはそれ、これはこれ、だね」
「大人の事情~」
「そうだね、大人の事情だね」
まあ私の顔面に関する誤解は解けたのだからそれは良しとしよう。
「その話はここまでにするとして、この里にはどれくらい滞在するのですか?」
「2,3日の予定だよ」
「そうですかそれなら私はロレーヌに付きっきりで警護しないといけませんね」
「何を当たり前のことを言っている」
ガルシアさんがいつもの真面目くさった顔で言う。やったこれでロレーヌと同衾できるというものだ。
「それじゃあ私はロレーヌの傍付きとしてロレーヌとのめくるめく同衾の準備を――」
「何を言うか馬鹿者が!!もうお前は我々と同じ護衛隊の一隊員なのだ姫様との同衾など許されるわけがないだろうが」
あ、やっぱりそうだよね。ここは大人しくガルシアさんたちと一緒にロレーヌの護衛に努めるとしますか。
しかしその翌朝、私はこの時の決断を後悔することになる。この時に意地でもロレーヌと一緒にいるべきであったと、そうでなければロレーヌが攫われることなんてなかったのにと……
私を糾弾しようとしたエルフの青年が私に疑いの目を向ける。すると他のエルフの人たちの視線まで私に集まってくる。うう、いたたまれない。しかし、ここで笑顔を崩せば余計に相手を警戒させるかもしれない。ここは我慢、我慢だルナちゃん。そうすればきっと――
「彼女の言う通り、彼女の名はルナ・フタバ。カズキ・フタバの双子の妹です」
ロレーヌが助け舟を出してくれる。しかし、エルフの青年の疑心は解消されない。
「それは本気で言っているのか?」
エルフの青年がロレーヌに向かって猜疑心を隠そうともせずにそう言った。ここがアウリスの大森林でなければ不敬罪で断罪されていてもおかしくはないだろう。しかし、そのことを咎める人はここにはいない。ロレーヌは当然だがガルシアさんたちも動こうとしないのは不思議だ。
「本当のことですから」
エルフの青年の目を真っ直ぐと見つめるロレーヌ。それがしばらく続くとエルフの青年の横にいたエルフ族の長ガーラントさんが口を開いた。
「アンバー、姫様に失礼じゃろう」
「しかし、族長!!」
何かを言いたげなエルフの青年だったが、それを族長様――ガーラントさんは一睨みで制する。こっわ何今の目、迫力が桁違いなんですけど。
「……!?」
それは直接睨まれたエルフの青年も感じたのか、言葉を噤んでしまう。うんうんあんな目で睨まれては何も言えなくなっちゃうよね。
「姫様」
ガーラントさんが言う
「はい」
「先の言葉に偽りはないのでしょう?」
「はい、ロレーヌ・マグナの名に誓って嘘はついておりません」
「……姫様の言葉、信じましょう」
「ありがとうございます」
こうしてひと悶着はあったものの私たちは無事、エルフの里にたどり着くことが出来たのであった。
◆
「まったく、肝を冷やしたぞ」
私たちは今エルフの里にある族長の家の客間に案内されていた。
「それは私のセリフですよガルシアさん。やっぱりカズキの顔と名前はこの場所まで広まってるじゃないですか」
「それはすまないと思っている」
「やっぱり私はフードを被った方が良さそうですね」
「すまないなこれ以上余計な不安を煽らないためにもそうしてくれると助かる」
正直業腹ものだが、その怒りを向けるべきは一姫だ。ここは我慢して来るべき対面の日にとっておこう。
「しかしどうしてカズキ・フタバの手配がこの森まで届いたのでしょうか?」
それは確かに、私は瞑目して顎に手をやりながら考えるがその答えは出てこない。するとアレックスさんが手を挙げる。
「私が聞いた話によれば、ここに定期的に来る行商人からカズキ・フタバの手配書をもらったそうですよ」
思ったより浅いところに答えがあった。なんだそれ、そう言えば行商人が多いと思ってたけどエルフの人たちは行商人とも取引をしているの?
「それって全然隠れていることにならないじゃないですか!」
「一応取引する行商人は決まった人物みたいだけどね。今の時代エルフを奴隷にしようなんて考える奇特な人間は少ないし、大丈夫なんじゃないかな」
「そうなんですか?」
「そうそう、今は世界中で奴隷制は廃止されてるからね。下手にエルフの奴隷を侍らせていると世界中から非難されてしまうよ」
「だったらサジさんも連れてくればよかったじゃないですか」
「それはそれ、これはこれ、だね」
「大人の事情~」
「そうだね、大人の事情だね」
まあ私の顔面に関する誤解は解けたのだからそれは良しとしよう。
「その話はここまでにするとして、この里にはどれくらい滞在するのですか?」
「2,3日の予定だよ」
「そうですかそれなら私はロレーヌに付きっきりで警護しないといけませんね」
「何を当たり前のことを言っている」
ガルシアさんがいつもの真面目くさった顔で言う。やったこれでロレーヌと同衾できるというものだ。
「それじゃあ私はロレーヌの傍付きとしてロレーヌとのめくるめく同衾の準備を――」
「何を言うか馬鹿者が!!もうお前は我々と同じ護衛隊の一隊員なのだ姫様との同衾など許されるわけがないだろうが」
あ、やっぱりそうだよね。ここは大人しくガルシアさんたちと一緒にロレーヌの護衛に努めるとしますか。
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